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レクサス IS プロトタイプ

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 1ヵ月後くらいに発売される予定の新型レクサス ISの試乗会がターンパイクを閉鎖して行われた。ただし、今回はプロトタイプ試乗会で、試乗車は「号試」だった。号口では制御ソフトがいくらか変わるくらいだろう。
 今回は新型GSと共通プラットフォームとなり、ホイールベースは70mmほど短い。開発の狙いは、ドライビング・プレジャーの追求、F SPORTSに関しては意のままのスポーツ・ハンドリング、そして斬新なデザインなどが開発テーマだ。
 かなりぎらついたアグレッシブなデザインは社内でも紛糾したそうだが、まあこのくらいやらないとダメだというのが先代モデルからの反省らしい。また、開発体制も最近の「もっとイイクルマ作り」運動の真っ最中にの新組織での開発だったようだ。商品監査室の復活ともいえる商品実験部も再建過程のようだ。

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 ニュルブルクリンクレースに何度も出場経験のある某さんと一緒に同乗したのだが、ニュル・ドライブという感じ
で走り、某さんは大いにISのできばえ、特に350 F SPORTは絶賛だった。だが、ここをBMW 328iで駆け下りた瞬間、大いにショックを受け落ち込んでしまった。ここまで違うのかというのは助手席でも実感できる。

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 新型ISの開発のターゲットはBMW 3シリーズであるが・・・
 EPS、サスペンションなどの違いがある。IS350 F SPORTの優位点としては4輪操舵があるのだが、けっきょくボディ作りの違いの差は埋められないということだろう。

 もちろん今回の試乗会では非日常域の、ニュルモードでの走りの違いがクローズアップされたわけで、現実離れはしているのだが。 

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 シャシー設計エンジニアは、少なくともハード面の違いはわかっていた。EPSのトレンドやステアリングラック直付け、サブフレームのダイレクトマウントなどのトレンドも認識している。だが、その背景にあるのはボディであり、実験領域での煮詰めという点がわかってはいても・・・ということか。

レース用ハイブリッド

トヨタ・レース用ハイブリッドは2007年のスーパー耐久・十勝24時間レースに出場したスープラHV-Rから始まり、現在ではWECとスーパーGT選手権・GT300クラスのプリウスGT300HVが2本柱になっている。

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 WECのTS030は当初はフロントアクスルで回生し、リヤを駆動するシステムが構想され、初期のテストではこれが試されたが、実戦ではリヤのモーターで回生と駆動を担当するシステムに絞り込まれた。回生エネルギーを蓄えるのは大容量キャパシターだ。同じくWECで戦うアウディはフライホイール式蓄電ジェネレーターを使用している。これはニュルブルクリンク24時間レースでポルシェが2回にわたって使用し、実績もじゅうぶんだ。

 日本のスーパーGT選手権に出場しているプリウスGT300HVはWECとは異なり、ごく少数のエンジニアが開発を担当している。このGT300マシンは、リチウムイオン電池(プリウスα用)、モーター、ジェネレーター、PCU、電動エアコンはすべて市販プリウス用をそのまま使用しているのだという。
ただしレース車は低負荷走行が存在しないために制御的にはモーターがエンジンをアシストすパラレル式となっている。

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 レース用は負荷が大きいため、モーターはATFによる液冷式、電池とPCUは水冷とし、その冷却水を電動エアコンで冷やす方式にしている。同時にエアコンはドライバーの冷却用としても使用され、プリウスGT300HVはレース車としては最も快適なドライバー環境になっている。

WEC、スーパーGT選手権ともにハイブリッド車には各種の性能制限規則、バランス・オブ・パワー原則が適用されているので、ハイブリッド・システムが絶対的に有利といえるほどではないのが実情のようだ。

そう考えると、2014年からフォーミュラ・ニッポン、スーパーGT選手権GT500クラスで採用される、4気筒2.0L直噴ターボ・レーシングエンジンの方が面白しろそうだ。これはエアリストリクターではなく世界初の燃料リストリクター(燃料流量制限)方式で、その規制の範囲内でどれだけパワーが出せるかという技術競争の面が面白い。
トヨタ、ホンダ、日産がこのエンジンを供給するというが、テストではすでに550psくらい出ているという。

ボルボV40 

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 新型ボルボV40が発売された。
 昨年はアルファロメオ・ジュリエッタ、メルセデスBクラスが新発売され、今年はメルセデスAクラス、このV40、そして6月頃にはゴルフ7が導入され、ひっそりとフォード・フォーカスも発売されるなどCセグメントのハッチバックは大豊作だ。
 日本車のこのカテゴリーは、マツダ・アクセラ、スバル・インプレッサ、、トヨタ・オーリス、レクサスCT200hあたりになるが、市場の中でそれほど存在感は強くない。このカテゴリーを求める人の多くは、輸入車を選ぶ傾向が強く、この傾向を逆転させるのはなかなか困難だろう。商品力としてやはり日本車が見劣りするし、技術でも輸入車勢に後れを取っている。日本のメーカーのエンジニアはコスト制約が大きすぎて技術投入に関しては半ば諦めているのが実情だ。
 
 昨年発売されたモデルではジュリエッタが予想以上に健闘している。今年発売されたモデルでは、メルセデスAクラスが自動車メディアでは絶賛状態だが、どうも本音を聞くと今ひとつなのが面白い。ちゃんと書かないとだめじゃないか。
 Bクラスもそうだったが、Aクラスも理由がはっきりわからないのだが、DCTなのに変速が妙に遅いことや、エンジンのトルクや吹け上がり感が同セグメントの中でかなり見劣りする。またスポーツ・サスペンションと銘打った足回りも日常域では固さが目立つといった感じだ。
 そもそもメルセデス・ジャパンでの商品企画、つまり日本と本国・本社とのやり取りがまったく噛み合っていない点が色々悪影響を及ぼしているように感じる。Bクラスでは、都市部の立体駐車場を利用できるようにローダウン・サスペンションを本国に要求し、結果的にハードすぎるスポーツ・サスペンションが組み込まれたのが好例で、Aクラスもどんなスペックのサスペンションが装備されているのか商品企画担当者に尋ねても今もって不明なのだ。

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 Aクラスの後を追って登場したのがボルボV40で、ボルボ・ジャパンの今後の行方がかかったモデルだ。コンセプトとしてはプレミアムCセグメントを狙ったクルマだが、日本での価格はゴルフのベースモデル同等にしているので、お買い得感がかなりある。

 V40は、Cセグメントのど真ん中を狙ったフォード・フォーカスと兄弟モデルなのだが、実はこれがV40にはかなりのメリットをもたらしていると思う。欧州フォードは、宿敵ゴルフを上回る走りを目指しており、そのためのハードウエアをかなり贅沢に導入しているからだ。
 ダウンサイジング・コンセプトだが高出力、大トルクも追求するというエコブースト・エンジン、フォード・ゲトラグ共同開発のDCT、トルクベクタリング、TRW社製のベルト駆動式・電動パワーステア・・・いずれもCセグメントの中では同等以上のレベルだ。
 V40はさらにボルボ流のしっかりとした手抜きのないボディ作りが行われ、デザイン、質感でセグメントトップレベルに仕上げてる。またボルボ流のドライバー支援システムは当然ながら他車を圧倒しており、+20万円でプレミアムDセグメントを上回るシステムを手に入れることができる。(しかも発売後しばらくは、この20万円分がサービスされている)

 ボルボ本社は、S60/V60以降、明らかにクルマ作りが変わってきている。ひとつはより個性的で存在感の強いデザイン・コンセプトの採用、もうひとつはプレミアム路線とドライビングプレジャーの追求を両立させるということだ。ところがこの点は案外知られていないようで、多くのV40の試乗記でも四角いボルボを引き合いに出すなどはあまりに認識不足といわざるをえない。結果的にV40はわかりやすい「プレミアム・スポーツ・コンパクト」というキャッチフレーズとなっている。

 プレミアムは、豪華さというより精緻な作り込み、仕上げのよさ、センスの良さなどなどに集約しているようだ。ドライビングプレジャーについてはどのメーカーも目指す方向であるのだが、これをどのように表現するかが問題になる。V40、というかボルボはこのあたりの見識が高く、しかもその作り込みの技術レベルがとても高いと感じた。 

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 具体的には、スポーツ性を重視して固めだがストローク感のあるサスペンション、フラットな乗り心地、そして絶妙なステアリングの味付けだ。
 サスペンション、乗り心地はややオーバーダンピング気味だが、心地よいと感じる仕上げ。まあ実はボディ、サブフレーム、サスペンションの剛性がとても高いことがこういう味を出しているのだと思うが。
 電動パワーステアは、今ではほぼ技術方向が定まりつつあるが、フォード・フォーカス、V40はこのクラスでBMW1に続いてベルト駆動+ボール循環式を採用し大幅にポテンシャルを高めた。しなやかな感触、中立の締まり、操舵時の感触のよさなどは絶妙だ。もはや完全に油圧パワステを上回る質感になっていると思う。
 またアンダーステアが感じられないフロント・トルクベクタリングも絶妙だ。
 1.6Lターボのエコブーストのトルク感、滑らかさも絶品で、アクセル開度が大きくても、常用域でも意図通りのトルクが得られる感じだ。またDCTも熟成され、クイックかつ滑らかだ。 

 エンジンルーム

 インテリアではステアリングのグリップやシートの出来がよいことにも感心した。総合的に見て、長時間乗っても疲れない、ドライビングに飽きない、ステアリングを握っているのが気持ちよいと感じるなど、広い意味でのドライブ・フィーリングの懐の深さや心地よさが実感できた。このフィーリングはドイツ車とかなり違い、ゴルフのしっとり感とも違い、より広い速度域でエモーショナルさを感じる。

RSI(ロード・サイン・インフォメーション)1 ヒューマン・セーフティ(人間検知)

 ドライバー支援システムはさらに性能を高めており、特にカメラ性能、画像解析性能が秀逸で、人間の判別ができることや道路標識(速度標識)などを把握できるところは他社を大きくリードしている。また使用頻度が高いレーダーを使用してのレーダー・アダプティブ・クルーズでは、作動がドライバーの感覚にうまく適合している点も評価できる。

 衝突安全性ももちろんトップレベルで、欧州NCAPでは史上最高得点を記録しているという。V40では+6万円で世界初の歩行者用エアバッグが装着できるが、これを装着しなくてもポップアップ式ボンネットでかなり優秀な歩行者保護性能を備えているという。歩行者エアバッグは多数のセンサーをバンパー内部に設置し、金属製の大型ゴミ箱や鹿など動物と衝突した場合は反応せず、子供から大人までの人間だけを検出してエアバッグが反応するなど、けっこう高度な技術が使われている。

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 しかし、ドイツ車以外のCセグメント、ジュリエッタ、シトロエンDS4、V40・・・どれもそれぞれに味が深くて、買おうとすると迷い悩むなぁ。 



 

アウトランダー PHEV

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 アウトランダーPHEVが1月に発売された。ベースモデルのアウトランダーは昨年10月に発売されたが、やはりPHEVが本命で、PEV登場までの買い控えがあったらしい。価格も、メイン車種の「G Safty Package」が366.4万円、「G Navi Package」が397.8万円と予想より安く、補助金を含めると320万円、350万円となる。
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 アウトランダーPHEVは、カテゴリー的には「レンジエクステンドEV」と呼んでもいい。用語的にはまだ統一されていないのだが、一般的にはPHV=レンジエクステンドEVとして括るほうがわかり易い。ただしトヨタがプリウスPHVを先行して発売し、これはレンジエクステンドEVというよりハイブリッド走行がメインとなるためちょっとカテゴリーから離れている点がややこしい。
 
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 PHVは、プリウスPHV以外ではGMのシボレー・ボルトが販売されている。それ以外にも、各メーカーのPHVが実証走行のための車両が世界各地を走っている現状だが、市販モデルといえるのは、ボルト、プリウス、そしてアウトランダーPHEVということになる。
 三菱の戦略は、軽自動車・コンパクトカークラスは純EV、ミドルクラス以上はプラグインハイブリッド(PHEV)で対応するという。アウトランダーのようなSUVはロングドライブの機会が多いことを想定し航続距離の長さが必要条件とされた。
 
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 アウトランダーPHEVは、メインとなる駆動システムを前後アクスルともににモーター駆動とし、フロント横置きのエンジンと発電機(ジェネレーター)は増速ギヤを介して直結されている。つまりモーターとしては3個を搭載し、さらにエンジンで前輪も駆動できる機構を持つ。この2.0L・DOHCエンジンは4B11型(ワールドエンジン)で従来タイプだが、最高出力4500rpm、最高回転を5500rpmまで下げて低速化し、その代わりに効率の良い燃費ゾーンを拡大させた専用チューニングが加えられている。また軽負荷ではミラーサイクル領域を使用し、全輪をエンジン駆動する時は全開域を多用し、ポンピング損失を減らしているなど、かなりうまく使うようになっている。
 このシステムはフルタイム4WDなのにプロペラシャフトがない、エンジンで前輪を駆動するシーンがあるにもかかわらずトランスミッションがないという、プリウスPHVやシボレー・ボルトとは大きく違う特徴を持つ。

 搭載するリチウムイオン電池は12kWhの容量を持つ。プリウスPHVが4.4kWh、シボレー・ボルトは16kWhで、i-MiEVが同じ16kWh、日産リーフが24kWh。アウトランダーPHEVのバッテリー容量はほぼEV用で、EVモードでJC08モードで60.2kmの航続距離を持つので、エアコン、オーディオ、ナビなどを使用する実用走行では40~50kmくらい。なので日常の使用が 片道25km以内であればEV走行のみで帰宅でき、自宅で充電すればガソリンの使用はゼロということになる。
 実際にアウトランダーPHEVとほぼ同等のEV走行距離のシボレー・ボルトではロスアンゼルスで通勤に使用しているユーザーは1年間以上ガソリンをまったく使わない使い方の例が多いというから、ハイブリッド車ではなくEVとして扱っていることがわかる。そのため、ボルトもアウトランダーPHEVも、3ヶ月に1度くらいエンジンが自動的に運転され、燃料タンク内の蒸発ガスを燃焼させるようにしている。 
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 アウトランダーPHEVの運転モードは、EV、シリーズ・ハイブリッド、パラレルハイブリッドの3モードがあり、都市部や地方道で交通の流れに乗って走っている限りは、EV、電池残量が少なくなるとエンジンで発電するシリーズモードの範囲で運転できる。
 クラッチが繋がり、エンジンが前輪を駆動するのはアクセルを奥まで踏み込む急加速や高速道路での100km/h巡航といったシーンに限られる。プリウスやボルトのように変速機を備えず、オーバードライブギヤ比で直結されるのがユニークな点だ。
 シリーズモードでエンジンが回るのはもちろん、クラッチが接続されてエンジンが直接前輪を駆動するときもエンジン音の変化だけで、ショックがまったくないのは見事だ。

 高速道路、地方道などをミックスし、燃費運転もしない状態でのガソリン燃費は16km/Lていどのデータになるそうだ。(JC08モードでは18.6km/L)また充電をしながらのEV走行、シリーズ走行などををJC08モードでミックス計算した燃費は67.0km/Lになっている。
 もちろん長距離ドライブ中でも途中で充電を行うほどガソリンの使用量は少なくなり 燃費も稼げるわけで、この辺はまさにユーザーしだい。アウトランダーPHEVの燃費は使い方、乗り方でずいぶん大きな差が出るはずだが、1.8トンクラスのSUVとしてはもちろん燃費の資質は高いといえる。

 アウトランダーPHEVは前後輪とも独立したモーターで駆動する電動4WDのため、前後の駆動トルクを任意に制御できることは独自の優位点だ。この前後トルク制御に加えて4輪独立のブレーキ制御によるトルクベクタリング+ESPの制御が行われる。かなり高度な運動制御で機械式のヨーコントロールより反応速度が速く、これは電動4WDの最大のメリットだと思う。

また、回生ブレーキは前後のモーターを使用することや電池容量が大きいため、より積極的に使用することができ、0~5まで6ステップをパドルで選択できる。0は回生なしでコースティング走行モードとなり、それ以外は1<5の回生ブレーキとなる。郊外や高速道路では0をうまく使用するとさらに燃費が向上するわけだ。このあたりもPHEVのメリットをうまくこなしている。

 アウトランダーPHEVはSUVとして必要な長い航続距離、4WDシステム、さらにはEVらしい静粛さや、モーターによる低速からの強力なトルク、などPHEVならではの走りなとパッケージングがうまくまとめられ、ベース車と居住&ラゲッジスペースに差がない点も美点だ。

 アウトランダーPHEVは、これまでのクルマとは違う新たなクルマの使い方ができ、いくつかの顔を持つクルマで、じっくり使い込んでみないなかなか実感しにくいところも多いのだが、最近のクルマの中では革新性や独創性という面で一番の面白さが感じられるクルマだ。しかし、案外とこのクルマの話題がメディアで取り上げられないのあ意外な感じがする。

新型クラウン雑感

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  昨年12月のモデルチェンジしたトヨタ・クラウンは、「ピンク・クラウン」とアウディもびっくりの大型フロントグリルで、驚かされた。伝え聞く話によると、あの大型グリルは開発途中で採用が決まったとか、社内でも反対が多かったというし、販売店側もかなり驚いたようだ。またデモンストレーション専用カラーとなったピンクは、ドラエモンのどこでもドアの色なのだそうだ。しかしボディフォルム全体は水平基調で、これは営業サイドからの強い要望らしい。セダンっぽい水平基調の3ボックスではデザイン的に大きく制約され、その反動がこのフロントグリルなのだろうか。 

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 生まれ変わる、新しいクラウン、私のクラウン・・・など、色々な呼称が付けられているが、やはり先代モデルが成功作とは言えなかったこと、クラウンに限らないものの国産セダンの長期凋落傾向という流れの中で、月販2500台くらいになっていたことが背景のようだ。もちろん高価格帯のセダンということを考えれば、2500台でも立派なものだが。クラウンの販売台数は1990年頃(月販2万台弱)をピークに長期低落傾向にある。その理由としては、ユーザー層の老齢化、セダン離れなどだといわれる。
 
 もともとクラウンはフォーマルカーであることと、ある意味でユーザーに絶対的に支持されてきたクルマ、販売店や伝統的なユーザーの声が強いクルマで、こうした点は他のクルマとはかなり違う。初代や2代目クラウンの時代はタクシー業界の声を重視してクルマ作りを行い、その後は日本の一定の富裕層がユーザーになったためその声を重視するようになった。信じがたいが1967年の3代目から8代目(1990年)まではペリメーター・フレーム構造であったが、静粛を守るためにモノコック化は許されなかった。1082年まで販売された6代目まではリジッドアクスルが守られた・・・これらはいずれも営業サイドの要望であった。逆の見方をすれば日本の風土に最も溶け込み、特化したクルマともいえるのだが。

 クラウンが大きく変わったのは2003年に発売されたゼロ・クラウンからだった。このゼロ・クラウンの開発で初めてBMW 528i(E39型)が開発のターゲット車に選ばれた。528iを詳細に調査し、ステアリング系の剛性が5倍以上あることや、ブレーキ性能、ステアリング・ラックギヤの歯切りまでまったく違うことがわかったという。要するに別の世界を知ってしまったということになる。

 今回の新型クラウンは、イメージ的にはゼロ・クラウンの再来という感じだ。同時に、ハイブリッドをメイン車種にすることや、デザインだけでなくブランドを変革したいという商品企画的な要素も盛り込まれている。月販目標は4000台とされた。しかしゼロ・クラウンではエンジンからシャシーまで大きく変革されたが、今回はプラットフォームは持ち越し。ハイブリッド・モデルをシリーズの中心にする作戦で、2AR-FSE型の2.5Lの4気筒エンジンは事実上の新設計で、ミラーサイクル+新D-4Sを搭載し熱効率世界一としたが、これはハイブリッド専用エンジンという位置付けだろう。レギュラーガスと新D-4Sの組み合わせで、ポート噴射の勢いで低負荷時のタンブル流を作るのがミソのようだ。縦置きハイブリッド機構は手直しし、2段減速は廃止。これは国内専用モデルということで高速域でのモーターの過回転を心配しなくて良いからだ。
 4気筒のクラウンということで営業的にはマイナス要素だが、今時のハイブリッドということで中心車種にしている。

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 持ち越したプラットフォームにはトンネルステーなど床下ブレース材を追加。ホワイトボディでは高張力鋼板の採用比率は43%で、このあたりはまだまだ抑制的だ。補強ではスポット打点の増大、リヤシート後方のトランク隔壁をレーザー溶接したという。このプラットフォームのサスペンションはこれまでイマイチの評価であったが、今回はフロントサスペンションは新タイロッドを採用し横力トーアウトとしたというが、今まではバンプ・トーアウト特性に気を取られていたのか。まあ、妥当な改良だ。


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 わからないのがリヤの手直しで、トーコン・リンクを変更して横力トーインにしたのはよいが、ロアNo1リンクとアッパーNo1、No2リンクが今までは鋼管製で剛性が高すぎたので板金製の開断面リンクにしたという説明だ。これらのリンクは鍛造や鋼管製が一般的だが、わざわざ剛性(ねじり側の剛性だけだというのだが)を落としてしなやかな乗り心地にしたのだという説明で、説明会でも50%の人間は? となっていた。
 入力とストロークの図を見ると、入力初期でストロークしにくい領域があったことがわかる。その対策としてはリンク剛性を落とすというよりブッシュやジオメトリーで解消すべきでは、と考えるのが普通だ。リンクのねじり剛性を落とすことで微小振動を逃がすという意味はわかるのだが。
路面入力の初期でストロークしにくいという点については、リヤのキングピン角度、いわゆるメカニカル・コンプライアンスがうまくできていないのではないかとも推測できる。

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 クラウンというキャラクターはふわっとした乗り心地、静粛性は最も重視されるべきであることは言うまでもないのだが、そのあたりのトータルな視点での説明がないのがちょっと気にかかる。

テスラ・モデルS

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 テスラ・モデルSは北米では2012年6月から納車が開始された。2年以上顧客を待たせたのだからある意味で驚異的なクルマだ。アジア、日本では1月に初展示となった。しかし、日本での販売価格も日本でのデリバリーも未定だが、予約受注だかはかなり以前から受け付けている。予想価格は600万円~900万円(搭載バッテリーの容量で価格が異なる)。
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 モデルSは、テスラ社の自社工場であるフリーモント工場での初生産となる初のオリジナルの量産EVだ。これまでのロードスターはロータスのシャシーを使用し、組み立ても外注だった。しかし、このモデルSからはトヨタ/GMの合弁工場であったNUMMIを格安でテスラが入手し、独自の製造設備を導入し、稼動を開始した。もちろん量産レベルは月産1000台にも満たないため、アルミボディ/シャシーの製造はロボットと台車により、いわゆる量産ラインとはまったく異なる状態になっている。

 モデルSはプレミアムクラスのフルサイズサルーンとされ、ターゲットはアウディA6とされているのだが、イーロン・マスクCEOがプレミアムカーに関しては一家言あるらしく、製造品質についてことあるごとに介入し、その都度製造がストップしてしまうそうだ。
若手ベンチャー起業家の代表格であるマスクCEOは他の分野でのビジネスも拡大させているが、クルマに関しては半ば趣味的でもあるようだ。
 もっともしたたかであることは言うまでもなく、テスラはダイムラーベンツ、トヨタから莫大な資金を受け、独自の電池やEV技術による電池パックを両社に供給しているし、パナソニックからも出資を得ている。ビジネスとしてはそれだけで成り立ち、自社生産の車の販売に頼っているわけではない。
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 モデルSは、第1作目のロードスターとは異なり、リチウムイオン電池もPC用ではなく自動車規格の18650を使用し、電池パック、モーターやインバーターを水冷化するなど、技術的にはレベルアップしている。ちなみに搭載する電池は、40kWh(欧州新ドラインビングサイクル=NEDCで航続距離250km)、60kWh(375km)、85kWh(500km)、高出力85kWh(500km)の4種類からユーザーが選択できるようになっている容量による価格差は100万円だ。また、電池の保証も10万kmと自動車メーカーらしくなってきている。

 電池はパナソニック、LGの2社から供給されているが、電池パック、モーター、インバーター、ボディは自社生産で、サスペンション、シャシーのアルミ鍛造/鋳造部品は外注、エアサスペンション・システムなどはコンチネンタルから供給されている。プラットフォームはBMW iと同様にアルミフレームで構成された床面電池パックとし、リヤサブフレーム上にモーター、インバーターを横置き配置。低重心でパワーユニットはきわめてコンパクト、完全なフラット・フロアなどEV専用設計ならではの利点がある。また拡張性も高く、フロントアクスルにもモーターを配置すれば4WDになり、ホイールベースの伸縮も 自在にできるという利点もある。
RR Susp with Motor (from Right Rear)

 ボディサイズは全長4978mm、全幅1967mm、全高1435mm、ホイールベース2960mmで、まさにフルサイズだ。デザイン的にはクーペ形状のセダンだが、リヤハッチドアを備えた5ドア形式を採用している。
 駆動モーターは同社オリジナルの3相交流・4極型誘導モーター、減速機(減速比=9.73)、DC-AC変換用のインバーターが横置き直列にパッケージされている。したがってフロアは完全にフラットにでき、リヤはアクスル上面にトランクスペースを持つ。フロントは最前端に電池/モーター/インバーター冷却液用のラジエーターとエアコンコンデンサーをレイアウトし、ESPユニット、車高調整用のエアポンプなどのコンポーネンツが搭載されるだけなので、内装材で仕切られたフロント・トランクも備えている。このあたりの実用性もフルサイズセダンとしては合格だ。

FR RH Susp Iso (No RH Wheel) RR LH Suspension Links (from RR-Centerline)

 インテリアは、コンセプトカー並みのレベル、つまりよく言えばハンドメイドの質感、逆に言えば量産車とはいえない質感で、プレミアムセグメントとしてはぎりぎりの線だ。しかし、ダッシュボード中央の17インチ縦型カラーディスプレイには驚かされる。タッチスクリーン式で車両情報・車両操作/インフォテイメントを両立させているところがアメリカのベンチャー企業らしい。デスクトップパソコンのディスプレイなみの17インチ縦型タッチ式ディスプレイの画面の表示は巨大なiPadといった感じだ。実際、ブラウザーも内蔵しており、まさにパソコン同等の仕様で、車載コンピューター/ディスプレイのリセット・スイッチまである。
 メーター部分も液晶ディスプレイで、表示項目はカスタマイズできる。
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 動力性能は3.0L~4.0の内燃エンジン並みを狙っている。もっとも発表されている航続距離は新欧州ドライビングサイクルによるため、強力な加速力は封印せざるを得ないだろう。EVならではの航続距離の制約を打ち破るため徹底的に大容量の電池を搭載するというテスラの発想は既存の自動車メーカーにはハードルが高く、逆に言えばオールアルミ・ボディ、45~85kWhという大きな電池容量を考えるとモデルSはかなり安い価格に抑えられていると言える。
 EV万能主義のテスラのクルマは、一般のユーザーよりも既存自動車メーカーに対してインパクトが強いように感じるが、その理由はEVとして破格のコスト・パフォーマンスを持っているということだろう。

BMWの現状

BMWはディーゼルエンジンに関しては後発で、1980年代にディーゼルエンジンを投入した。

そして、現在はもはやガソリンエンジンより、ディーゼルエンジンメーカーといえるほどになている。これは日本的な発想では考えられない転換と言えるのではないか。
無論その背景には、ディーゼルの方が売れるというマーケットの実情と、CO2、燃費に有利、低速トルクが強大で
性能的に有利という事実がある。

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このため、現在ではガソリンエンジンとディーゼルエンジンの部品の共通化が大きなテーマになっているが、近い内にはシリンダーや補機類など60%以上を共通化する計画だと言う。

その一方で、ハイブリッド・モデルは車種ラインアップの中でトップグレードに位置付けるなど、大胆に拡大普及させる方向性は取っていない。

BMW ActiveHybrid 3のパワートレインレイアウト


それよりは一挙に電動化にシフトする戦略を採用している。つまりEV、PHEVにターゲットを絞っている。しかし現時点では肝心のバッテリーのサプライヤーの選定で若干の不安要素を抱えている。これまでリチウムイオン電池を共同開発してきたアメリカのA123が経営危機に瀕し、行方が不透明になっている。

VWやトヨタはリチウムイオン電池のコストは今後も大幅に下がることはないという見通しを立てているが、BMWはどのような次の一歩を踏む出すのだろうか?

SUV フォレスター

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 またまたスバル・フォレスターに乗る機会があった。
 考えてみれば、今年はマツダCX-5、三菱アウトランダー、フォレスターと、いずれも海外マーケットに主眼を置いた新型SUVがそろったわけだ。これらはいずれも社運をかけた重要モデルで、海外で計画台数が達成できないとかなり苦しくなる。
 情報では、どうにか計画通りに進んでいるそうだが。フォレスターはまだこれからだが、順番として3番目になったので、ユニーク・セリングポイントとして本格SUVを強調している。

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 今回はラフロードでの試乗で、26度の砂利の坂道を登ったり下ったり。
 こういう場面ではヒルディセント機能が有効なことがわかった。前は見えない急な、滑りやすい下り坂で、アクセルやブレーキの微調整要らずで、低速で下ることができる。

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 対角の2輪が完全に空転する登り坂では、ESPのスイッチをオフにするといったん停止してもトラクションがかかり登りきることができる。
 
 この対角2輪、あるいは片側前後輪の空転は、クロカン4WD車は対処できる例が多いが、通常のSUVでは考慮しないのが常識なのだが。クロカン4WDは3個のデフ+3個のLSDというメカニカル・システムを備える。
 SUVは、対角2輪が空転するような使用条件を祖呈しないということなのだろう。

 しかし、実は上級SUVはこうした想定外ともいえる性能もきっちり作り込んである。VWトゥアレグ/ポルシェ・カイエン/アウディQ7を筆頭に、BMWのXシリーズ、アウディQシリーズ、VWティグアン、レンジ・イヴォークに至るまでだ。一種の付加価値の高さの誇示ともいえると思うが。

 フォレスターの場合は、MPT式4WDの機械式LSDなしで、同等の性能を引き出すため「Xモード」を追加した。今回はそのデモということになるが、悪路走破性能はクロカン4WD同等というわけだ。まあ国内でこの真価が引き出せるのは雪国の凍結路以外にはなさそうだといえるが。

 それ以外にMPT方式であることを利してアンダーステア/オーバーステア補正も前後トルク配分を急激に変えることで対処している。これはウエット路や普通の雪道でも有効だろう。

 今では2輪駆動のSUVも少なくないし、アメリカでSUVというカテゴリーが生まれた1970年代後半ことはジープ・チェロキーなどは手動切り替えのパートタイム4WDであったが、4WDで走行することはまずないという事実を考えるとSUVはファッション、ライフスタイルなのか、機能・性能なのか、なかなか割りきりが難しいと実感せざるを得ない。

カーオブザイヤー

日本カーオブザイヤー、RJCカーオブザイヤー、自動車殿堂カーオブザイヤーが出揃った。日本カーオブザイヤーはマツダCX5、RJCは日産ノート、自動車殿堂はホンダ N BOX+だそうだ。それぞれが違うクルマなのは大人の事情というものだろう。

2011年は震災の影響で新車の登場が抑えられ、その分2012年は多数のクルマが発売された。
年初に圧倒的な話題を独占したのは86/BRZだったが、日本カーオブザイヤーでやっと2位になったくらいだった。でも、この時代にクーペスタイルのスポーツカーの企画・商品化を実現したという点はもっと評価されてもよいと思うのだが。

マツダのCX5は、ターボディーゼルを日本に本格導入した点、そして販売でも80%近くがディーゼルという実績を挙げたことが評価されたのは当然だろう。ポスト新長期規制を最初にパスしたのは日産エクストレイルなのだが、やっぱり商品展開力、PR活動を含めてマツダの功績は大きいといえる。

日産ノートは、日本車で初の本格的なダウンサイジング・コンセプトを実現したという点が評価されたのだろう。日産の本音はあくまでもグローバルカーとして開発しているわけだが、その後に登場したディーダはスーパーチャージャーの設定なしというのはいかがなものか。これは、顧客ターゲットが65歳とか、燃費だけ訴求すればよい、価格競争優先といった面が透けて見えてしまうのだ。

自動車殿堂カーオブザイヤーのN BOX+は、なぜなのかがいま一つよくわからない。が、2位がトヨタ プリウス PHV、3位がトヨタ アクア HVで、ますますわからなくなる。N BOXを始めとするNシリーズは従来のしがらみを切って、ホンダ・鈴鹿製作所がの開発・生産、フィット・クラス並みの収益性の確保、そのためのブレイクスルー技術投入という点がポイントだが、どちらかというとインナー向けのコンセプト構築といえる。ただし、販売が頑張ってヒット作となっている点はさすがだ。

プリウスPHVは、乗ってみてやはり電池容量が中途半端、あの価格であの仕上げ・質感という点で躊躇したのが実感だ。それよりはアクアの方がまとまりは良いのだが、表示燃費がJC08モードに変わってインパクトが薄れたことと、実用燃費がプリウスと大差ない点が自動車殿堂以外の賞では評価されなかったのだろう。

インポートカーでは、BMW 3シリーズが、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドが日本でラインアップされた点で、インポートカーのトップになった。でも、もともと現地ではそういうラインアップだし、この価格帯でというのも気にかかる。

その逆に黒船だと騒いだ人が多かった割りにVW up!が低評価なのは何ゆえ? 日本カーオブザイヤーではイヴォークより下になっている。黒船だと騒いだ割に、あのASGがうまく扱えなかった人が多いこと以外では大人の事情だろう。

2012年のインポートカーでは、やはりアルファロメオ・ジュリエッタ、プジョー208、VW up!が強烈な印象だった。ジュリエッタはプラットフォームの91%が高張力鋼板で驚いたが、up!はボディ全体で70%、プジョー208は発表されていないが恐らく70%くらいは使っているのだろう。単に高張力鋼板がすごいというより、製造設備が積極的に更新され、そこまで対応力を備えていることに驚かされ、日本の製造設備や生産技術は今では置いてきぼりになりつつある。
もちろんボディ面だけではなく、走りのレベル、エンジン、パワートレイン、シャシーといった面でも明確にこれまでのレベル、常識を突き抜けているのが実感された。

フォレスターとXV

 フォレスターは今回のモデルチェンジで大きく商品ポジションを変えた。新たなポジションは「オールラウンドSUV」、開発コンセプトは「SUVとしての本質的な価値の実現」で、いわばグローバルに通用する本格的SUVを目指すことになった。

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↑NAモデル

 初代、2代目のフォレスターは、ターボモデルをメインにしたクロスオーバーSUVで、ボディサイズはインプレッサとほぼ同等で、全高を1550mm前後、地上高を200mmとしていたが、3代目からはボディを拡幅して1780mm、全高を1670mmとサイズアップしている。今回登場した新型は、全幅が1795mm、全高1695mm、最低地上高220mmとなり、グローバルSUVのカテゴリーの中におけるコンパクトクラスにちょうど納まるサイズになっている。

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↑ターボモデル

 新型フォレスターはプラットフォームも刷新され、センタートンネル径を拡大できたためトランスミッションもようやくワイドなギヤ比のCVT/6速MTにアップグレードすることができた。また、従来からの新世代の自然吸気の2.0L(FB20型)に加え、直噴+ツインスクロールターボの2.0L(FA20型)DITがラインアップされ、パワーユニット、パワートレインがともに最新のスペックになり、この点でも世界に通用するSUVといえる。
 特に新たなフラッグシップ用となるFA20型は280ps、350Nmとこのクラスでも突出したパワー、動力性能を実現し、同セグメントのBMW X3 28iやアウディQ3 2.0を凌ぐ出力を得ている。最もヨーロッパではこのカテゴリーはディーゼルエンジンがが主力で、そのためフォレスターもディーゼルターボを搭載する。

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↑インタークーラーダクトがボンネット内側に移動

 フォレスターは、新たにプリクラッシュ&ドライバー支援システムの「アイサイト」を採用し、駆動方式はAWDのみといった点もこのクラスの中ではユニークな特徴といえる。なおフォレスターのシンメトリカルAWDは高出力のDITエンジンも含み、これまで通りアクティブトルクスプリット式。ただし従来の駆動トルク、車速以外に舵角、ヨーレート、横Gも制御に追加することで新世代化され、大舵角時のタイトコーナーブレーキング現象が抑制され、車両の挙動安定化制御もできるようになっている。

 デザインは正常進化といえる。従来型が保守的なテイストだったが、新型はヘキサゴン+スプレッドウイングのグリルの採用、ホークアイ・ヘッドランプ、Aピラーを前進させたスタイリングはスバルのファーマットを明確にしたといえる。ターボ・モデルはフロントバンパーを専用にしてアグレッシブさを強調しているが、これは従来のボンネット上のエアインテークを廃止したためだろう。エアインテークは視界、空力性能を考慮して廃止し、インタークーラー用のエアダクトがボンネット下側に仕込まれている。


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 フォレスターは、これまではイメージ的にはクロスオーバーSUV的であったが、今回はオンロードもオフロードもタフな走りができる本格的なSUVのイメージに変化させようと、シャシーのチューニングにも走した要素を盛り込んでいる。
 従来のフォレスターもオフロードでの走りの能力はFFベースのSUVより相当に高く海外市場で高評価を受けていたのだが。

 より本格的なSUVとするため新たに「Xモード」が搭載された。滑りやすい路面やオフロードでセンターコンソールにあるスイッチを押すとXモードがオンになる。Xモードは、アクティブトルクスプリットAWDのクラッチ圧着力を高めて前後輪の締結を強め、4輪独立ブレーキ制御機能を使用してタイヤの空転を抑えるLSD機能、ラフロードでの急坂を下る時の車速を自動的に一定に保つヒルディセント機能を一つのスイッチに集約したものだ。
 このスイッチをオンにすることで、前後の片側輪が完全に空転するような状況でも発進でき、急な下り坂で20km/h以下であればアクセルやブレーキの微調整なしに下ることができるわけだ。
 AWD車でもクロカンはともかく、FFベースのオンデマンド式SUVは急坂、凍結した坂が上れない実例は多い。海外のテスト結果では、旧型フォレスターはこうした能力が高いという点で高評価を得ていたが、今回のXモード装着によりカテゴリーでトップを争う登坂、下り坂性能を持つことになったといえる。

 シートの着座位置は従来型より36mmアップし、一般的なSUVのコマンドポジションとなった。またサイドシルを奥に引っ込め、外側部分はドアで完全にカバーされる点が新しい。泥はねなどによりサイドシルが汚されることがないという利点があり、プレミアムSUVクラスが採用している手法だ。

 新型フォレスターは、ボディサイズだけでなく、パッケージング、走りの質感など多くの面で1クラス上にグレードアップし、アウディQ3やBMW X3をフォーカスした路線は間違っていないと思う。また新たに搭載さした低速トルク型の2.0Lターボエンジンは、SUVカテゴリーの中でも突出した存在だ。メインマーケットはアメリカ、中国だ。

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 フォレスターとともに新登場のインプレッサXVはフォレスターとは逆に都市型クロスオーバーSUVという位置付けだ。ベースはインプレッサ・ハッチバックで、最低地上高200mmとし、225/55R17という大径タイヤを装着する。 全高は、立体駐車場に入る高さにしている。
 このXVが日本では初代フォレスターの代替モデルとなろう。XVは日本より先にヨーロッパ、アメリカ、中国という順で発売しており、各市場で好評を博しているという。カテゴリー的には、日産デュアリスを始め競争相手が多いが、XVは手堅い商品力があるといえる。
 先行したインプレッサがヒット作となりさらにXVが追加されたため、インプレッサ系が全般的に供給不足となり、日本を含め各国のデリバリーが遅れている状態だ。
 インプレッサ系は、大泉工場内でレガシィ/フォレスター系ラインとインプレッサ系ラインでブリッジ生産をし、さらに太田の本工場でもインプレッサ系のブリッジ生産を行っている。しかし本工場は86/BRZのフル生産が2013年初頃まで続きそうで、あまりインプレッサ系が割り込む余地がない。
 中国での現地生産も頓挫しているため、スバルは今後はアメリカのインディアナ工場を拡張する方向と予想される。

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 なお、フォレスターもXVも新世代のプラットフォームを採用しており、局部剛性を大幅にアップさせているので、ボディの固さ感、がっちりしたフィーリングは国産車でNo1だ。また電動パワーステアリングも日本車では珍しいピニオンアシスト式で、正確さとスムーズさは高いレベルにある
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