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混乱の時代を透視する(1)

 1929年10月、ウォール街のBlack Thursday(暗黒の木曜日)、すなわち株価の大暴落に端を発した世界恐慌の原因は次のように考えられる。
 第1次世界大戦の戦勝国アメリカは、戦争関連の輸出、重工業への莫大な投資、帰還兵による消費の大幅な拡張、フォード、GMなど自動車工業の躍進と爆発的な普及、ヨーロッパの疲弊に伴う輸出の増加などにより空前の好況となっていた。
 しかし、アメリカの農業は過剰生産であり、石炭産業は不振、重工業への過剰投資などの危険をはらんでいたが、好況を背景にした投機は過熱していた。株価は長期的に上昇を続け、恐慌直前までの5年間で5倍になっていたという。
 しかし、10月24日、GMの株価が下落し、その後はそれを契機に全面的に暴落が始まった。
さらに29日には決定的な暴落が起き、9月の株価の半値となり、1週間でアメリカの国家予算の10倍の損失となり、投機・投資資金はあらゆる分野からいっせいに引き上げられた。
 これを契機に銀行のヨーロッパでもヨーロッパの銀行が破綻するなど世界恐慌に発展する。
 2008年の世界恐慌は、2008年9月のアメリカにおける金融安定化法案が否決されたのに端を発し、株価は史上最悪の777ドルという下げ幅を記録した。その背景にはサブプライムローン問題など土地バブルを始め、金融緩和政策による過剰投機、2003年頃から始まった原油価格上昇など過剰な商品投機があった。直接的な引き金は、リーマンブラザース証券会社の破綻と、それに続く金融安定化法案が否決により、金融資本の収縮、爆発的な世界中での世界金融危機が発生した。
 この影響下で、アメリカの自動車メーカーは巨額な金融損失生じただけではなく、ローン販売が引き締められ、販売が急落し、運転資金が枯渇した。政府資金が注入され、とりあえずの運転資金は確保されたが、販売不振は顕著である。
 アメリカ市場で大きな利益を生み出していた日本の自動車メーカーは、アメリカでの急激な販売低下、それと同時進行したドル安・円高でダブルパンチを受け、減産を余儀なくされ、世界各地に多くの工場を持つトヨタなど大メーカーほどダメージが大きくなった。
 
 1929年当時のアメリカのフーバー大統領は自由放任主義経済の信奉者であり、恐慌の発生に際して、「ファンダメンタルズが健全で生産活動がしっかり行われているので、株価の暴落に捕らわれる必要はない」と語った。しかし、33年に就任した後任のルーズベルト大統領は公共投資を重視したニューディール政策を実行することになった(この政策とその効果は過大評価できないのだが)。
 33年に政権を獲得したドイツのナチスは、経済再建と失業問題の解決を旗印に、アウトバーンの大建設などの公共事業により3年で失業を解決して見せた。
 2009年にブッシュに代わるオバマ新大統領は、「グリーン・ニューディール政策」を打ち出している。この政策は、クリーンエネルギー化推進によりて500万人の新しい雇用を創出し、そのために10年間に1500億ドルを投資すること、クリーンエネルギー化により中東依存のエネルギーから自立しようというものだ。
 つまりダムの建設ではなく、クリーンエネルギーという新たな産業を創出し、公共投資を行い、雇用を生み出しつつエネルギーの自立を促すというものだという。
 このグリーン・ニューディールの政策に乗って、日本でもという浮ついた論調がこのところ目立つようになってきた。先のフーバー大統領と同じで、「日本の実体経済は強固である。また日本の環境・省エネ技術は世界をリードしており、こうした時期こそチャンスである・・・etc」といった調子である。

NY原油5
ニューヨーク原油価格の推移
 
 しかし、皮肉なことに、原油価格は本来の価格、つまり経済実態に合致した価格に収束しつつある。もともと現在の需給から見た原油価格は採掘コストと適正利益を合わせ、1バーレルあたり30ドルか、それよりやや上といったレベルといわれていた。しかし2007年頃からの暴騰は、供給不足や供給逼迫感でもなんでもなくて、金融資本が商品取引になだれ込んだ投機価格だった。その背景として成長するBRIC'sの需要見込み、原油の枯渇などが煽られたのだが、現実の需給関係はバランスが取れている、あるいはむしろ日本などは需要が低減しているのだ。
 金融資本が収縮した結果投機資本は去り、原油価格は40ドルを割り込むレベルになっているのが現状だが、いいかえれば見事に本来の需給レベルに収束したともいえるのだ。OPECやロシアなどは原油の減産に移っているが、価格は安定しつつある。
 この原油価格がどのくらいの期間維持されるのか、これは注視する必要がある。
 代替エネルギー、クリーンエネルギーは、原油価格が100ドルの時期をベースにしており、100ドル以上であれば代替エネルギー、クリーンエネルギーは成立するが、現状ではとうてい採算が取れない状態になっている。
 したがって、グリーン・ニューディールは、現実の採算を無視したきわめて将来的な夢への莫大な投資になるといわざるをえないのだ。景気対策としての公共投資政策としては一理はあることは認めるにしても。
 
 アメリカの自動車メーカーは、グリーン・ニューディール政策を前提に、電気自動車、ハイブリッド化に急速に舵を切りつつある。
 日本では、ホンダがFC(燃料電池車)とハイブリッドカーの2本立て路線、トヨタはハイブリッド、その他のメーカーはEV(電気自動車)とハイブリッドカーをメインにしている。なお量産ハイブリッドカーとして成功し事業として成立しているのはトヨタ・プリウスのみという現状から、ここ当分は電気自動車が主役となりそうな気配だ。
 しかし、電気自動車は本当にその価値があり、主役足りえるのか?
 現在で最も実用化が進められている三菱i-MiEVの車両重量は1080kg、ベースとなっている三菱iは910kg。つまり高性能リチウムイオン電池を搭載しているものの約100kgの重量増となっている。そもそも電池はエネルギー密度が低いため、電池重量を要し、ガソリンとは異なり、エネルギーを消費しても重量は軽減しない特徴がある。だからEVの本質的な非効率さを否定できないと思う。
 また航続距離は120Kmていど(モード燃費相当では160㎞)。ガソリンを使用するiの航続距離は390㎞ていどである。したがって、EVは限定された使用とせざるをえない。
 もうひとつは、Well to Wheelで考えると、EVはどれほど優れているというのか。現在の電力の70%はは、原子力発電と火力発電(各35%)に依存しており、火力発電は天然ガスを燃料としている。したがって電力の35%は化石燃料に依存し、Co2を排出している。
 また発電から電池への充電までの伝達効率は60~70%といわれる。見かけ上のガソリン消費は存在しないのだが、エネルギー効率では現状のガソリン・エンジンよりわずかに上といったレベルなのである。
 また、電池に関しては様々な模索途中である。現在のところ、リチウム・ポリマー・イオン電池が最もエネルギー密度に優れているとされているが、価格はきわめて高価だ。一方でニッケル水素電池も性能を高めており、次世代電池としてカルシウム・イオン電池なども研究されるなど、まだ過渡期にあり、価格の低減は当分の間見込めそうにもないのが実情である。したがって、政策的な援助がなければ高性能電池搭載車は価格競争力は持てないのである。

 いうまでもなくEV、つまりモーター駆動車は、低速トルクが強力、騒音がなく静粛で滑らか、エネルギー回生が容易にできるといった優れた点がある。これを生かすには、電池やプラグインだけに依存するのは無理があり、高効率の発電エンジンを搭載したエンジン-エレクトリック車こそが本命ではないかと思う。
 その点では、発電を行う燃料電池車は正解といえるのだが、エネルギー源である水素を搭載することには無理がある。
 
 
 
 
 

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