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フロントローディング

 新型車の開発期間を短縮することは、大きなコスト低減になる。かつてのヨーロッパ車はモデル・サイクルが7年程度で、次期型の開発には5年間以上の歳月をかけていた。
 しかし現在では、開発コストを削減することが大きなテーマになっており、トヨタ流の短期開発のシステムは主としてドイツメーカーが積極的に採用し、現在では各メーカー共通の開発手法となっている。
 トヨタは、設計図面の出図から14ヶ月以内にラインオフ、すなわち発売という短期開発のシステムを作り上げた。それはトヨタではフロントローディングと呼んでいた。
 つまり前倒しである。
 もちろんこの背景には、エンジンやトランスミッション、シャシーなどの基本コンポーネンツ、要素開発は実際の車両開発より1~2年先行している必要がある。したがって基本コンポーネンツの設計部や実験部は、先読みの能力が求められるのだ。
 また実際に新型車を開発する開発チーム(製品開発室、車両開発、開発プロジェクト室などの名称が使用される)は、新型車開発のための調査や研究などコンセプト・メイキングには1年間ていどの時間を要するので、これも14ヶ月以前に先行していなければならない。新型車の開発コンセプトが決定され、コンセプトに従って新型車の仕様や要求性能、デザイン決定が行われ、これに従って設計部では図面を作成する。もちろん現在ではCADを使用した電子図面である。
 図面が工場や部品メーカーに提出されたところから、実際の車両の開発がスタートするのだ。こうした一連の流れは、実は昔から大きく変わってはいない。
 ただ、以前は、図面を基にした試作部品によりプロトタイプ車を組み立てた1次試作車を作り、これをテスト評価して改良点を取りまとめ、部品を改良して2次試作車を作り、再び評価を行うというサイクルが繰り返される。まったくの新型車を開発する場合は、4次、5次試作を行うといった例も過去にはあるのだ。
 しかし現在のフロントローディングでは、図面を受けた段階で、完成車に近いレベルで
試作部品を製作する、試作車で現物合わせを行なわず初期段階から煮詰める、シミュレーションを事前に徹底し、試作段階での補強などを極力しない、最初から生産技術担当が介入し、工場での量産に適するかどうかがこの段階で判定される・・・といった条件が求められるのだ。したがって配線なども最初から量産車の形状に合わせた形状の配線となる。
 当然このフロントローディングでは部品メーカーの負担も大きい。1次試作の段階でほぼ完成品並みのレベルが求められるため、部品の開発は常に自動車メーカーより先行している必要があるのだ。そして先行開発をベースにして、従来より短期間で仕上げなければならない。
 このような結果、現在の1次試作車は以前の試作車に比べるときわめて完成度が高く、試作車組み立ての段階で齟齬をきたすことはまずあり得ないという。
 もちろんこの段階では100%ではないので、試作車の評価・試乗の後に改良点が絞り込まれ、量産化の仕様が決定する。ちなみに1次試作車=最終試作車が完成するのは出図から6ヶ月後あたりだ。
 一方、実験部門はこの試作車を使用して、最終的な熟成を開始する。性能の確認、細部のチューニングなどが行われるのであるが、残された時間は6~7ヶ月である。車種によっては海外にも試作車が送られ、現地での適合テストを実施する。
 最初から決定されている量産ラインオフの日程に合わせ、ラインオフの1ヶ月以上前には量産試作が行われる。生産工場での試し打ちである。この量産試作車が最後の評価を受け、量産にGOがかかる。なお量産試作車はシャシーナンバーが打刻されている。
 ちなみに、自動車メーカーの所有しているマスコミ向け試乗車は、この量産試作車を最終手直しした車両であり、販売店へデリバリーされるのは量産車である。
 このように見ると、熟成テスト&チューニングの期間がいかに短期間かがわかる。
 ただし、こうしたフロントローディング開発でも、日本とヨーロッパではいくらかの違いがある。日本では、法規上の制約もあり、熟成テスト&チューニングはほとんどがテストコース内で行われるが、ヨーロッパのメーカーは、アルプスや北欧の道路で実施する時間が長く、この場合は部品メーカー、例えばダンパーメーカーなどが帯同し、現地でチューニングを行っていることが多い。
 もうひとつは、品質管理=量産仕様のチェックが意外なことにヨーロッパのメーカーのほうが厳格だということだ。
 日本のメーカーは、ラインオフ、つまり発売時期は厳守であり、これを守るあまり量産車が時間切れで煮詰めきれずに発売されてしまう例も少なくない。これに対してヨーロッパのメーカーは量産車の仕様、性能のチェックは厳格であり、輸出が多い車種の場合は仕向け地でのテストも行われる。ここで問題点がある場合は量産がストップされ、改良が行われ、結果的には発売時期が遅れてしまうことも少なくない。ヨーロッパ車で、発売やデリバリーが予定よりしばしば遅れるのはこのような原因が多い。
 ただ、いずれにしてもこのようなフロントローディング開発では、開発・熟成の時間的な制約があることは否定できない。このため、量産が開始されても、1年ごとの年次改良が重要になってくる。ただ、これも日本ではそれほど重視されず、逆に量産途中でVA(部品再評価)によりコストダウンを行う例もある。
 これに対して年次改良は、不具合箇所の改善はもちろん、さらなる性能向上、改良が行われるので、ヨーロッパ者の場合は同じモデルでも年次により相当な違いを生じることは常識になっている。

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