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ブレーキについて

 どんなクルマにも当てはまるが、クルマのブレーキの役割とは、ただ単に速度を落として止まるということだけではない。
 クルマのブレーキには制動・減速するという性能以外にも使い心地、信頼感、安心感といった多様な要素が含まれ、これらのバランスが優れていることが要求されている。
 しかし現実には、100km/hからブレーキをかけて停止するといった条件で比較すると、ブレーキのかかり方、効き具合はクルマによって様々だ。
 低速走行時に軽い踏力でガツンと効くカックン・ブレーキのクルマは、100㎞/hからの強いブレーキでは最初はツーっと空走して減速Gが低く、速度が落ちてきて始めて減速Gが感じられるといった現象を感じるに違いない。これはドライバーにとっては、低速時と同様に高速でも強い減速Gが得られるという期待を裏切るブレーキである。また別のクルマではブレーキの踏力は一定でも減速する間に減速Gが変化することがあるかもしれない。こんなブレーキは扱いにくく、ドライバーの意とは相容れないというべきだろう。クルマのブレーキというものは低速でも高速でも等しくドライバーの期待通りの減速Gが得られなければならないのだ。
 ドライバーにとって、信頼、安心できるブレーキとは、強力に減速できることとドライバーの意志どおりに減速できるということに尽きるのであり、ブレーキペダルを踏む場面でのドライバーの意志や心理状態に応じたブレーキ性能が発揮される、つまりコントロール性が優れていなければならないということだ。
 それ以外に、高速からの急ブレーキでも振動が出にくいとか、サーキット走行やワインディングロードでのスポーツ走行のように反復してハードなブレーキを使用する場合は、フェードの発生が穏やかであること、フェードの回復性の早さなども重要なポイントになるだろう。
 一般的には、優れたブレーキは、よく効くのは当たり前として、それ以外に「リニアリティ」に優れているとか、「コントロール性」が優れているといった評価が行われる。
 しかし、実際にはリニアリティに優れるという場合は、必ずしも直線的な減速Gが持続するのではなく、その時のスピードに応じた、つまり高速であればあるほど強い減速Gが出るといった特性の方がドライバーにとってはリニアに感じる。この点は、高速からの強いブレーキにブレーキパッドの発生する摩擦係数が高い方がよいブレーキと評価されることからもわかる。優れたブレーキと称させるディスクローターとパッドの組み合わせでは、高速・ハードブレーキで高い摩擦係数を示し、低速重視のブレーキローターとパッドではきわめて摩擦係数が低く、強くブレーキを踏んでも効かないフィーリングとなり、空走感が強く感じられる。
 日本においてはブレーキの性能がごく狭い範囲でしか評価されてこなかったが、その背景にはやはり日常のスピードとの関係が深い。
 日本車のブレーキは長らく法定最高速度100km/h といった壁に囲まれてきたが、ドイツでは昔から速度無制限のアウトバーンでの使用を前提にブレーキが開発されてきた。
 こうした歴史的、社会制度がブレーキ性能に与えていることも見逃すことはできない。日本車は、かつてはせいぜい100km/hからのブレーキ評価に留まり、それどころか40㎞/h、50㎞/hといった市街地での常用域からのブレーキで、できるだけ軽い踏力で効くこと、振動や音が出ないこと、ホイールに汚れが付着しないこと、ディスクローターの摩耗が遅いことなどが重視されてきた。開発のコンセプトはストローク比例式・・・といった表現が使われた。この結果、滑りやすい路面で扱いにくく、高速からの強いブレーキでは減速感が弱く、結果的により強くブレーキを踏むためにフェードしやすいといった傾向が強かった。
 さすがにこうした傾向は1990年代から見直されるようになり、ヨーロッパで通用するブレーキを合言葉に、ディスクローターの材質、パッドの材質、キャリパーの剛性などが改善されてきているが、一部のクルマではまだ日本式ブレーキが残存している。
 ブレーキに関しては、やはり世界的に見てドイツ車が牽引してきたと考えて間違いない。
 それは、次のようなシーンで理解しやすい。
 アウトバーンで飛ばしていると遭遇するシーンであるが、200km/hで高速で走行するクルマの目前に80~100km/hのトラックや遅いクルマが追い越し車線に飛び出してくることがある。このような場面では、自車は200㎞/h から80km/hまで急減速する必要がある。強いブレーキ踏力に対してその時の減速G、ブレーキに対する安心感が問われるわけだから、ブレーキの熟成は必然的であったわけだ。この場合には、減速Gの発生タイミング(空走感の少なさ)、Gの大きさ、Gの持続、振動が生じたりしないか、といった多方面の評価が求められる。このような場合、実際にはペダルの剛性、ペダルのレバー比、ブースターの取り付け剛性、ブースターの応答性、ブレーキキャリパーの取り付け剛性、キャリパーの応答性、ディスクローターの熱ひずみの少なさ、冷却性、パッドの材質、フェード発生の穏やかさ、ホイールの剛性・・・・など非常に広い範囲にまたがるダイナミクスが問われるのである。
 また、ことブレーキに関してはクルマの価格やサイズ、エンジン出力などに関わらず等しく安心感の持てる信頼性の高いレベルでなければならない。
 こうした観点で見ると、現状のブレーキはまだまだ発展途上にあると考えざるを得ないのである。

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