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トヨタiQ雑感

 トヨタiQが発表された。
 プロポーションは、メルセデスのsmartに似ているが、samrtと同じくiQもスタイリング的にはう~んといわざるをえない。かっこよさは感じられないのだ。
 iQの場合は、すでにモーターショーで発表しているデザインテイストをそのまま採用し、トヨタのデザインテーマである「VIBRANT CLARITY」を体現したというのだが・・・きつい表情で美しくはない。「 巻き貝や波紋などを基に造られた数理モデルを用い、自然界の造形美を活かした線や面を内外装デザインに採用した力強く重厚なフロントマスク 」というのだが、どうも理屈先行の感じがする。
 Aピラーの傾き具合とフォルムの整合性はあえて崩したのであろうか?
 iQは、持続可能なクルマ作りの新たな基準としてトヨタが出したひとつの解答だというのだが、本音はsamrtと同様に企業平均燃費に大きく寄与するクルマが必要だということと、Aセグメント以下、セグメント・ミニのボトムエンドで新たな存在感を示すという目的で開発されたのだろう。iQは「マイクロ&プレミアム」と自称しているが、プレミアムとは言い過ぎではないのか?iQはヨーロッパをターゲットにしているので、ヨーロッパで通用する質感に仕上げたという意味だろうか。
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 iQのボディサイズは、全長2985㎜×全幅1680㎜×全高1500㎜、ホイールベース2000㎜だ。ちなみに軽自動車のスズキ・ワゴンRは全長3395㎜×全幅1475㎜×全高1660㎜、ホイールベース2400㎜で、iQは軽自動車よりスモールサイズを狙っていることがわかる。ただし全幅は軽自動車枠の制約がないのでiQの方がはるかに広い。ちなみに最小回転半径は、iQは3.9m、ワゴンRは4.2mである。
 iQは極小ボディサイズで、パッケージングのブレークスルーをはかっていることが最大のハイライトだ。本音で言えばヨーロッパ人の体格で3名+子供というパッケージングを狙ったのだ。
 パッケージングの基本になっているのは、タイヤの4隅配置だ。従来の常識であるFF駆動システムではエンジン&トランスミッションの後方にあるデフの配置となり、このデフの位置にフロント車軸が通るため4隅配置にはならないのだが、iQはデフをエンジンを前側に置いたためにフロント車軸が前進し、4隅配置が可能になっている。もうひとつは、ステアリングラックの上方配置である。従来のようにフロントサブフレーム付近にステアリングラックを配置するとステアリングシャフトが長く斜行するのでスペースを占領しやすく、また右ハンドルと左ハンドル仕様での作りわけが面倒であるのに対し、上方に配置することで多くの問題を解決できるわけである。
従来、AUDIはステアリングラックの上方配置を採用していたが、これはあくまでもサスペンション・ジオメトリーの上でタイロッド干渉をゼロにすることが目的だったが、iQの場合はそれとは意味が違うようだ。パッケージングの上では、フラットな形状の燃料タンクをフロントシート下に配置し、これによりリヤシート配置の制約、リヤサスペンション取り付けの制約が解消し、リヤセクションの短縮ができた。 またフロント・バルクヘッドを従来より前進させたことと、エアコンユニットを中央部に小さくまとめたことで、助手席側のダッシュボードを薄くし、それに合わせて助手席の着座位置を運転席より前進させるというシート・オフセットの発想を取り入れた。このため助手席の後方のリヤシートは大人用のスペースが確保され、運転席側のリヤシートは子供用のスペースになっている。さらにフロント・シートバックの厚みも最小限にするなど、このあたりは㎜単位の攻防が行われている。パッケージングというキーワードでいえば、ホンダ・フィットがすでにひとつの革新を成し遂げたわけだが、iQはその上を狙ったということか。
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 サスペンションはフロント・ストラット、リヤ・トレーリングリンク式トーションアクスル。エンジンは3気筒DOHC、排気量は996cc、可変バルブタイミング機構、充電制御を備える。トランスミッションはCVTで変速比は5.6.車重は890kg。10・15モード燃費は23㎞/Lで、市街地の実用燃費は16㎞/Lていいどは可能だろう。軽量さ、燃費もパッケージングと並ぶiQの重要な開発コンセプトであったと思われる。安全装備はS-VSC(ESP)、フル・エアバッグ(リヤ・カーテンエアバッグ、助手席シートクッション・エアバッグ含む)、ディスチャージ・ヘッドランプなどの装備がプレミアムのゆえんだろう。
 価格は140~160万円。感覚的には高めの価格設定であり、国内計画販売台数は2500台。やはり軸足はヨーロッパか。

 さて、走りはどうか? マイクロミニのスマートはもともとシティカーとして開発されているので、アウトバーンを走ることは想定されていない。日本で言えば首都高速をなんとか走ることができるといった感じだ。iQはそこまで割り切ってはいないだろうと思う。また現実問題として、ヨーロッパの郊外道路はワインディングやアップダウンのある道路で多くのクルマは100㎞/hていどの速度で走っているのだが、ここでもiQは走るのであろうか? マイクロミニカーは、シティカーと割り切るのかどうか、これはもちろんユーザーが決めることだが、作り手の描く世界観も知りたいところである。

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