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燃料電池車の未来を透視する

 1994年にの出来事だった。あまりの衝撃の大きさに各国の自動車メーカーは震撼した。
 ベンツ社が、近未来の自動車像として提示したNeCARとは燃料電池カーだったのだ。
 しかも、すでに走行できるレベルにまで達しているというのだ。
 いうまでもなく燃料電池システムを搭載したクルマは、酸素と水素を結合させて発電させるもので、化石燃料を使用しないエコカーであり、究極の無公害カーである。
 このNeCARのインパクトは自動車メーカーだけではなく、政府にも無公害エネルギー源の実現を目指す主要な技術の一つとして燃料電池技術を位置づけるなど大きな影響を与えた。
 ダイムラーベンツ社は、もちろんそれ以前から燃料電池の研究を行っており、それをプロトタイプカーという形でプレゼンテーションしたのはたぶんにプロパガンダであったが、これによりダイムラーベンツ社の先進性、革新性を大いにアピールすることに成功した。
 燃料電池の実用化という点では、1965年のアメリカの有人宇宙飛行計画であるジェミニ5号にまでさかのぼる。この時点で宇宙船用の電源としての燃料電池は実用化されたのだ。
 ダイムラーベンツ社のNeCARの発表以来、近未来のクルマは燃料電池車一色になってしまった。約10~20年後には実用化の段階に入るだろうとさえいわれた。
 そして1994年以来、各自動車メーカーは燃料電池車の研究を開始している。
 しかし、燃料電池車は研究するにつれて困難な課題がいくつも見えてきた。2000年を過ぎる頃から、燃料電池車の実用化は先送りされているのが現実である。
 
 そもそも燃料電池とは何か? 電池という名称が付けられているが継続的に電力を供給することができる発電システムである。
 原理的には、水を電気分解すると酸素と水素が得られるが、水素と酸素を供給してこの逆の反応を起こさせることで電力と水を生み出すというものだ。発電に熱や動力を使用しないため発電効率が高く、振動も騒音もそして排ガスも発生しないという特徴がある。
 このため燃料電池車は究極の無公害車といわれるのだ。
 原理的には古くから知られていたが、電気的な化学反応を行う電解質の開発がネックになっていた。実用化の第1号といわれるジェミニ、アポロ計画、スペースシャトル用の燃料電池はアルカリ電解質形燃料電池と呼ばれるタイプだったが、現在ではリン酸電解質形燃料電池、固体高分子形燃料電池が主流になっている。
 燃料電池は、産業用、民生用としても注目されており、大規模では産業用プラント・エネルギー源として、小規模では東京ガスの自家発電システム「ライフエル」などが実験的に稼動している。これは都市ガスから水素を生成し、空気と反応させることで発電、熱回収をすることでエネルギー効率は78%という高い効率を実現している。
 自動車用としては小型、コンパクトにまとめやすい固定高分子形燃料電池が使用される
がこのタイプは0度~100度で稼動する(ただし、最近は0度以下での稼動も実現している)
 また電極の触媒としては貴金属のプラチナが使用されるが、周知のようにこれはとても高価なのである。
 燃料電池の反応セル単体では約0.7Vていどの電圧だが、このセルを多数直列に組み合わせることでモーターを動かすに足りる電圧を引き出すが、このセルの集合体をスタックと呼んでいる。
 現在の技術的なハードルは、このスタックの高性能化と価格低減だ。
 つぎのハードルは、スタックに供給する水素の問題である。
 スタックには空気(酸素)と水素が必要だが、この水素を直接クルマに積載するか、水素を生成する改質装置と水素の原料となる燃料(LPガス、メタノール、ガソリンなど)を搭載する必要がある。LPガス、メタノール、ガソリンなどは水素そのものより取り扱いが簡単だが、燃料から水素を生み出す改質装置はかなり大きなユニットになるため、現在のところ水素を積載する方法が主流になっている。
 しかし水素は可燃性が高い気体で扱いが難しいこと、クルマに積載するために高圧ボンベや水素吸蔵合金ではきわめて重量が重くなること、あるていど軽量でじゅうぶんな量を積載するためには液体水素化する必要があるが、そのためには-253度に保つという必要があるのだ。
 つまりクルマに水素を積載すること自体がコスト的にも技術的にもハードルが高いのが実情である。同時に水素スタンドなど、水素の供給インフラの拡大がなくては燃料電池車の拡大も困難であることは言うまでもない。
 一方、水素の搭載問題さえクリアできたとすれば、燃料電池車はハイブリッド車ほど多くのバッテリーを搭載する必要がなく、純粋な電気モーター駆動車であるため、スタックをフロア面に配置できるなどパッケージ効率がよいことは知られている。 

 当初の思惑とは異なり、燃料電池車の実用化は50年後などといわれているが、現在最も燃料電池車を重視しているのがホンダである。ホンダのFCXは2002年にアメリカ環境保護庁から燃料電池車として初の認定を日本の内閣府やロスアンジェルス市にリース納車を行っている。
 また2003年には-20度でも起動できるHonda FC STACKを開発。このスタックを搭載したクルマが国交省の型式認定を取得しZC1型となった。特徴としては大出力を得るためキャパシターを採用していることだ。
 実はトヨタもホンダとほぼ同様のタイミングで燃料電池車を登場させ、中央官庁にリース納車をしているが、トヨタは燃料電池を搭載したハイブリッド車というコンセプトである。そしてトヨタは当面はハイブリッド車を開発の主軸としているが、ホンダはより早期に燃料電池車を主軸にするという戦略である。
 ホンダの燃料電池車はZC1(FCX)が第1世代であり、その一方で東京モーターショーなどでは次世代のFCXコンセプトを出展していた。
 そしてこのコンセプトカーは、2007年11月に開催されたロスアンジェルスモーターショーで、FCXクラリティとして発表されたのだ。
 FCXクラリティは、さらに改良され効率を高めた燃料電池スタック「V Flow FC」を採用し、さらに先進的な燃料電池車のパッケージ、先進デザインを採用し、より先進的かつ実用性を備えた燃料電池車として提案している。
 「V Flow FCスタックは」は、水素や空気を縦に流すV Flow(バーチカル・ガス・フロー)セル構造と水素・空気の流路を波形形状にした「Wave流路セパレーター」の採用によりスタックの性能の向上と飛躍的な軽量・コンパクト化を実現したもの。
 スタックの最高出力は100kWとなり、従来のFCスタックに比べて容積出力密度は50%、重量出力密度は67%向上しているという。また、低温での始動性も大幅に向上し-30℃での始動が可能になっている。
 モーターの最高出力は100kW、最大トルクは26.1kgm、最高速度は160㎞/hに向上するなど次世代燃料電池車というにふさわしい性能向上を果たしているのだ。
 ボディサイズは全長4835㎜、全幅1845㎜、全高1470mm、車体重量は1625kg。水素は圧縮水素ガス方式で、350気圧の高圧タンクに171Lを積載する。
 なおFCXクラリティはアメリカでは月額600ドルで個人向けリースを開始し、今年中には日本でも型式認定を取得しリース販売を行うことにしている。
 ただ、ホンダの戦略としては燃料電池車を1000万円付近の価格で通常販売するレベルまで早急に実現することだという。
 第1世代の燃料電池車は1台は数億円といわれていたが、リース料から考えてもホンダは相当に低価格化を推進していると考えてよいだろう。

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