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アウトランダー PHEV

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 アウトランダーPHEVが1月に発売された。ベースモデルのアウトランダーは昨年10月に発売されたが、やはりPHEVが本命で、PEV登場までの買い控えがあったらしい。価格も、メイン車種の「G Safty Package」が366.4万円、「G Navi Package」が397.8万円と予想より安く、補助金を含めると320万円、350万円となる。
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 アウトランダーPHEVは、カテゴリー的には「レンジエクステンドEV」と呼んでもいい。用語的にはまだ統一されていないのだが、一般的にはPHV=レンジエクステンドEVとして括るほうがわかり易い。ただしトヨタがプリウスPHVを先行して発売し、これはレンジエクステンドEVというよりハイブリッド走行がメインとなるためちょっとカテゴリーから離れている点がややこしい。
 
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 PHVは、プリウスPHV以外ではGMのシボレー・ボルトが販売されている。それ以外にも、各メーカーのPHVが実証走行のための車両が世界各地を走っている現状だが、市販モデルといえるのは、ボルト、プリウス、そしてアウトランダーPHEVということになる。
 三菱の戦略は、軽自動車・コンパクトカークラスは純EV、ミドルクラス以上はプラグインハイブリッド(PHEV)で対応するという。アウトランダーのようなSUVはロングドライブの機会が多いことを想定し航続距離の長さが必要条件とされた。
 
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 アウトランダーPHEVは、メインとなる駆動システムを前後アクスルともににモーター駆動とし、フロント横置きのエンジンと発電機(ジェネレーター)は増速ギヤを介して直結されている。つまりモーターとしては3個を搭載し、さらにエンジンで前輪も駆動できる機構を持つ。この2.0L・DOHCエンジンは4B11型(ワールドエンジン)で従来タイプだが、最高出力4500rpm、最高回転を5500rpmまで下げて低速化し、その代わりに効率の良い燃費ゾーンを拡大させた専用チューニングが加えられている。また軽負荷ではミラーサイクル領域を使用し、全輪をエンジン駆動する時は全開域を多用し、ポンピング損失を減らしているなど、かなりうまく使うようになっている。
 このシステムはフルタイム4WDなのにプロペラシャフトがない、エンジンで前輪を駆動するシーンがあるにもかかわらずトランスミッションがないという、プリウスPHVやシボレー・ボルトとは大きく違う特徴を持つ。

 搭載するリチウムイオン電池は12kWhの容量を持つ。プリウスPHVが4.4kWh、シボレー・ボルトは16kWhで、i-MiEVが同じ16kWh、日産リーフが24kWh。アウトランダーPHEVのバッテリー容量はほぼEV用で、EVモードでJC08モードで60.2kmの航続距離を持つので、エアコン、オーディオ、ナビなどを使用する実用走行では40~50kmくらい。なので日常の使用が 片道25km以内であればEV走行のみで帰宅でき、自宅で充電すればガソリンの使用はゼロということになる。
 実際にアウトランダーPHEVとほぼ同等のEV走行距離のシボレー・ボルトではロスアンゼルスで通勤に使用しているユーザーは1年間以上ガソリンをまったく使わない使い方の例が多いというから、ハイブリッド車ではなくEVとして扱っていることがわかる。そのため、ボルトもアウトランダーPHEVも、3ヶ月に1度くらいエンジンが自動的に運転され、燃料タンク内の蒸発ガスを燃焼させるようにしている。 
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 アウトランダーPHEVの運転モードは、EV、シリーズ・ハイブリッド、パラレルハイブリッドの3モードがあり、都市部や地方道で交通の流れに乗って走っている限りは、EV、電池残量が少なくなるとエンジンで発電するシリーズモードの範囲で運転できる。
 クラッチが繋がり、エンジンが前輪を駆動するのはアクセルを奥まで踏み込む急加速や高速道路での100km/h巡航といったシーンに限られる。プリウスやボルトのように変速機を備えず、オーバードライブギヤ比で直結されるのがユニークな点だ。
 シリーズモードでエンジンが回るのはもちろん、クラッチが接続されてエンジンが直接前輪を駆動するときもエンジン音の変化だけで、ショックがまったくないのは見事だ。

 高速道路、地方道などをミックスし、燃費運転もしない状態でのガソリン燃費は16km/Lていどのデータになるそうだ。(JC08モードでは18.6km/L)また充電をしながらのEV走行、シリーズ走行などををJC08モードでミックス計算した燃費は67.0km/Lになっている。
 もちろん長距離ドライブ中でも途中で充電を行うほどガソリンの使用量は少なくなり 燃費も稼げるわけで、この辺はまさにユーザーしだい。アウトランダーPHEVの燃費は使い方、乗り方でずいぶん大きな差が出るはずだが、1.8トンクラスのSUVとしてはもちろん燃費の資質は高いといえる。

 アウトランダーPHEVは前後輪とも独立したモーターで駆動する電動4WDのため、前後の駆動トルクを任意に制御できることは独自の優位点だ。この前後トルク制御に加えて4輪独立のブレーキ制御によるトルクベクタリング+ESPの制御が行われる。かなり高度な運動制御で機械式のヨーコントロールより反応速度が速く、これは電動4WDの最大のメリットだと思う。

また、回生ブレーキは前後のモーターを使用することや電池容量が大きいため、より積極的に使用することができ、0~5まで6ステップをパドルで選択できる。0は回生なしでコースティング走行モードとなり、それ以外は1<5の回生ブレーキとなる。郊外や高速道路では0をうまく使用するとさらに燃費が向上するわけだ。このあたりもPHEVのメリットをうまくこなしている。

 アウトランダーPHEVはSUVとして必要な長い航続距離、4WDシステム、さらにはEVらしい静粛さや、モーターによる低速からの強力なトルク、などPHEVならではの走りなとパッケージングがうまくまとめられ、ベース車と居住&ラゲッジスペースに差がない点も美点だ。

 アウトランダーPHEVは、これまでのクルマとは違う新たなクルマの使い方ができ、いくつかの顔を持つクルマで、じっくり使い込んでみないなかなか実感しにくいところも多いのだが、最近のクルマの中では革新性や独創性という面で一番の面白さが感じられるクルマだ。しかし、案外とこのクルマの話題がメディアで取り上げられないのあ意外な感じがする。

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