スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリーンディーゼルの時代は来るか

 ポスト新長期規制に適合したスーパークリーン・ディーゼル車、つまり最新のガソリン車と同等の排ガスレベルを達成したのは日産エクストレイルに続き、メルセデスベンツE350ブルーテック、そして5月末にML350ブルーテックも追加された。ただしML350ブルーテックは少数限定輸入車扱いとされている。

ML350.jpg



 日産のM9R型はルノーとの共同開発で、当初のユーロ4適合から、ユーロ5、ユーロ6/ポスト新長期適合へと進化させてきた。2.0Lで173psという高出力で、トランスミッションはMTのみであったが今年8月にATもラインアップするという。日本ではエクストレイルのみに搭載されるがヨーロッパではキャッシュカイ、さらにルノー車にも採用されている。ただユーロ5適合車がメインとなっている。
 メルセデスベンツのブルーテックは、コンセプトはかなり以前から提唱されていたが、アドブルー(ドイツ自動車工業会による商標:尿素水)と選択式還元触媒(SCR)の組み合わせによるNOx後処理を備えたブルーテックは、アメリカ市場への投入が最初(Tier2 Bin5適合。従来のCDIは規制除外の特定の州でしか販売できなかった)で、昨年秋から日本に投入された。これにより日本における今後の排ガス規制のポスト新長期適合を果たしたわけだ。
 尿素水+SCRの組み合わせは世界初とされているが、これは乗用車用という意味で、先陣を切ったのは日産ディーゼル(2004年)であった。
 ただ、いずれにせよ日本ではスーパークリーン・ディーゼル乗用車の選択肢は日産エクストレイルとメルセデスベンツしかないのである。
 
 では今後、日本でも続々とスーパークリーン・ディーゼル乗用車が登場するかといえば、現実にはあまり希望は持てそうにはない。
 2005年頃から日本の自動車メーカーも乗用車用のスーパークリーン・ディーゼルの本格開発に踏み切った。ヨーロッパでのラインアップ展開ではディーゼルエンジンが不可欠なこと、日本では政府のエネルギー政策に応えるという二つの理由があった。
 しかし2008年のリーマンショックにより、自動車メーカーの開発予算は大幅に縮小され、日本の自動車メーカーの乗用車ディーゼルエンジンの開発(特にポスト新長期規制向け)、量産車展開には大きなブレーキがかけられてしまった。
 その結果、日産以外でスバル、三菱、ホンダ、トヨタ、マツダがヨーロッパ向けとしてユーロ5適合エンジンをラインアップしたものの、日本のポスト新長期規制をクリアするエンジンの登場は延期、もしくは中断されてしまっているのが現実だ。さらに、アメリカ市場で乗用車ディーゼルの普及率がアップするという予測がはずれ、EVやハイブリッドカーに急速にシフトしつつある現実の前に、日本のメーカーはさらに及び腰になってしまった。
 経済産業省が推進する次世代自動車普及戦略では2020年にスーパークリーン・ディーゼル車の普及を5%と見積もっているが、現状では空想的といえる。

次世代戦略

 ヨーロッパではディーゼル・エンジン車は約50%の普及率になっていることはよく知られている。2000年頃から特に普及が加速しているが、その理由はCO2の削減に有効であることが知られたことと同時に、ディーゼルエンジンの高性能化が果たされよれがユーザー層に支持されたからだ。

欧州ディーゼル

 もともとヨーロッパ市場では、ユーザーの走行距離が多いため、ガソリンエンジンより燃費と低速トルクに優れるディーゼルが市民権を得ていたが、ディーゼルに新世代の技術投入が行われ、さらなる高性能化が実現したことでいっそう普及が促進された。
 ただ、車種的には中型、大型車が主流であり、燃料の軽油はガソリンの価格と同等レベルのため、実用燃費や性能で選択されていると見るべきだろう。
 
 日本の自動車メーカーはヨーロッパ市場に展開するためにユーロ4→ユーロ5規制に適合するディーゼルエンジンを開発したが、ヨーロッパ市場に限定した生産基数から考えて、とても採算が取れるレベルにはない。
 また、ディーゼルエンジンのコストは一定数の量産を行ったとしても、同クラスのガソリンエンジンの2倍以上とされ、コスト負担が極めて大きい。
 確かに、コモンレール・システム、ピエゾ・インジェクター、可変ジオメトリーターボ、電子制御EGRシステムといった現在のディーゼル・エンジン特有の高価な装備、エンジン内部部品のコスト、さらに大トルクに適合する専用トランスミッションまで含めると、ガソリンエンジン車との価格差を50万円ていどにする限り採算割れは確実だろう。
 さらに、ポスト新長期規制やユーロ6規制に適合させるためには、主としてNoX処理のためにNOxトラップ触媒、あるいは尿素水/SCRが必要とされ、さらにコストはアップする。
 したがって技術的な開発はともかく、日本国内での量産展開は厳しいといわざるをえない状況にあると思う。
 
 日本の自動車メーカーのクリーンディーゼル・エンジンの現状を概観する。
 日産:ルノーとの共同開発によりM9R型2.0Lエンジンを実現した。コモンレール式(1600気圧)、ダブル・スワールポート、ピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボ、圧縮比15.6、NOx処理はリーンNOx触媒を採用しポスト新長期規制に適合。

 
 
 ホンダ:i-DTEC。2.2L 、180ps。コモンレール式(1800気圧)、ピエゾインジェクター。
可変ジオメトリーターボ、圧縮比16.3、Nox処理はリーンNOx触媒を採用しポスト新長期規制に適合。

hondaD.jpg

 三菱:1.8Lの4N13型と2.2Lの4N14型をラインアップ。コモンレール式(2000気圧)、ピエゾインジェクター、可変バルブ(MIVEC)による吸気バルブ早閉じ+片弁低リフト、可変ジオメトリーターボ(4N14型は排気+コンプレッサー翼可変)、圧縮比14.9(世界一の低圧縮比)。NOx処理はリーンNOx触媒を採用しポスト新長期規制に適合。

三菱4N13_14.9
 
 トヨタ:海外向けND型1.4L、AD型2.0/2.2Lディーゼルを開発中。ユーロ5適合エンジンはヨーロッパの工場で生産中でヨーロッパでのディーゼルエンジン比は15%ていど。ユーロ6は、低圧縮化、可変バルブタイミング機構、コモンレール式、フィードバック制御ピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボ、リーンNOx触媒で適合予定。

トヨタ
 
 マツダ:ヨーロッパ向けMZR-CD 2.2L。コモンレール式(2000気圧)、ピエゾインジェクター、可変ジオメトリーターボ、圧縮比16.3、NOx処理はリーンNOx触媒、または尿素水+SCRで適合予定。

 スバル:水平対向2.0L。ユーロ4からユーロ5に適合、コモンレール式 ソレノイド式インジェクター 可変ジオメトリーターボ。ユーロ6適合は未発表。

subaru.jpg

 このように最新の乗用車ディーゼルエンジンは、低圧縮化、クールドEGR、高圧インジェクターの採用を進め、NOx低減をはかっている。高圧インジェクターは燃焼、黒煙粒子の改善、それ以外は燃焼時のNOxを低減するためだ。黒煙粒子はDPFによって捕捉する。
 NOxの後処理はリーンNOx触媒、または尿素水+SCRで処理することで、ユーロ6、Bin5、ポスト新長期規制に適合する。トラック、バスやメルセデスベンツの例のように比較的大型のクルマには尿素水+SCRが適合し、小型車はスペース的な要因でリーンNOx触媒を採用する。大型トラックやバルは圧縮空気システムを持つため尿素水の噴射には圧縮空気を使用するが、乗用車に採用するためには専用の噴射ポンプが必要になる。また約20Lの容量の尿素水のスペースも小型車には負担となる。

tank.jpg

 いずれにしてもディーゼルエンジンでは黒煙粒子(PM)とNoXの発生は背反項目であり、またNOxは希薄燃焼を行うディーゼル燃焼の根本的な宿命である。
 黒煙粒子の対策とCO対策は参加触媒と粒子用のフィルターを一体化させることでほぼ解消できているが、NOxの処理が現在の規制で大きなテーマとなっている。NoX対策システムに高いコストを要すると、乗用車においては高額車以外では採用不可能だろう。

最新システム

disel.jpg

 このようにスーパークリーン・ディーゼル・エンジンはコストを下げない限り日本では普及は絶望的である。ピエゾインジェクターではなくソレノイドインジェクター化や、NOx後処理装置の簡素化=低NOx燃焼化技術の実現が大きなテーマとなっていると思う。
 ただ、いずれにしても日本のように乗用車の走行距離が短い使用条件では、なかなかディーゼル乗用車のコストパフォーマンスは割に合わないというのも事実だと思う。

コメント

非公開コメント

プロフィール

TASG

Author:TASG
Mail:songben.haru@gmail.com

最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
メモリーの格安通販
秋葉原の「上海問屋」
PC関連パーツ COREGA DIRECT
COREGA
日本HPのオンラインストア 
日本ヒューレットパッカード
雑誌 MOOK通販 Fujisan.co.jp
カーシェアリング
三井のカーシェア|カレコ・カーシェアリングクラブ
FC2レンタルサーバーLite
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

核心を追求する CAR サイト
ブログ内検索
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。