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ブレーキの自動化

ボルボXC60のプリクラッシュ・ブレーキ

 スウェーデンでは交通事故の研究に関して、政府や警察、大学の研究室、企業がコンソーシアムを組織し専門の研究機構を作って長期的に交通安全システムが研究されている。
 その研究の中から、ボルボのプリクラッシュセーフティは生まれた。事故の研究の結果、衝突事故件数のうち約75%が時速30km以下で発生していること(すなわち市街地での発生事例が多いことを意味する)、およびその約半数がドライバーの不注意(よそ見や他のことの気をとられているなど)によって衝突する瞬間まで、全くブレーキを踏んでいないことがわかった。
 これを前提に、ドライバーが不注意の状態で前走車や人にブレーキを踏まない状態で接近した場合に、警報、さらには自動緊急ブレーキを作動させる「シティ・セーフティ」を開発し、今年8月から発売する。
 主に渋滞時や交差点で発生する時速30kmまでの低速走行時の追突を未然に回避、もしくは追突ダメージを軽減するシステムである。
 
 ただし、ここで注意すべきは、ボルボだけではなく多くのメーカーですでに以前からプリクラッシュセーフティのシステム、アダプティブ・クルーズコントロールが採用されており、追突が想定される走行状態では自動ブレーキ機能も与えられていた。しかし法規制(日本では国交省の規制)により、自動で停止するブレーキ機能は許されず、最大で0.4gていどの自動減速のみに限定されていた。システムとしてはレーダー、またはレーザーを採用したものがほとんどで、前走車に対する追突を軽減するという発想である。
 したがってもし規制がなければ、自動緊急ブレーキ→自動停止も可能だったのである。
 国交省の規制は2010年になって改定され、30km/h以下の条件であれば自動停止ブレーキが許可された。このため、ボルボXC60、後述するレガシィ・アイサイトが登場することになった。
 国交省は、従来はプリクラッシュセーフティのコンセプトの中で、レーダーやレーザーを使用した追突防止のための自動停止ブレーキは、自動操縦化になりかねないため否定的で、減速目的の自動ブレーキに限定してきた。つまり停止するためにはドライバーのブレーキ操作を必須としてきたのだ。
 今回の改訂は、ドライバーのミス、不注意の場合、操作遅れのために事故が回避できないという事実を受け入れ、30km/h以下であれば自動停止により事故を回避できるようにしたわけである。
 
 ボルボのシステム(シティ・セーフティ)は、ルームミラー前方に位置するレーザーセンサーで、停車中もしくは同じ進行方向に進んでいる約6m先の前方車両や歩行者を常にモニターし、差し迫った追突の危険性を感知すると、ドライバーによるブレーキ操作に備え、ブレーキの反応を素早くするためにブレーキをプレチャージする。
 それでもドライバーが反応せず、ブレーキを踏まなかった場合、シティ・セーフティが自動的にブレーキをかけ、同時にエンジン出力を抑制する。両車間の相対走行速度差が15km未満の場合、追突を未然に回避し、両車間の相対走行速度差が15km~30kmでは、追突のダメージを軽減する。
 なおこのシティ・セーフティは、レーザーによるモニタリングのため、前走車や歩行者などある面積を持つ物体として認識するものと思われる。
 またボルボは以前から追突警告機能を装備しており、追突の危険を察知してドライバーに警報を発するが、これはレーダーとデジタルビデオカメラを組み合わせている。またこのレーダー、カメラは30km /h 以上ではACC (車間距離警報付きアダプティブ・クルーズ・コントロール)の機能も持つ。ACCを作動させると前方走行車両との安全な車間距離を保つ。希望の速度と前方走行車両との距離(秒単位)を選択するだけで、必要に応じて自動的に速度を加減速する調整を実施。センサーが前方に遅い車を感知すると、自動的に前方車の速度に合わせます。そして、進行に支障がなくなると設定された速度に戻る。
 車間警報機能はACC搭載車に付加され、時速30km以上の速度で作動。前方走行車両との適切な距離を保つようドライバーをサポートする。
 また、路上でのクルマの動きを監視し、注意力散漫となったドライバーには注意喚起を促すドライバーアラートを装備している。カメラが車両と路面の車線との距離を計測し、センサーが車両の動きを監視。通常のドライビング・スタイルから外れた操作、たとえば、車両がふらつくような蛇行運転傾向を察知すると警告音を発し、メーターパネルに休憩を促すメッセージを表示する。
 またカメラ機能を使用したレーン・デパーチャー・ウォーニング機能も備え、カメラで路上のクルマの位置を監視し、ウィンカーを出して車線を越える等の意図的な理由なしに車線を越えると、警告音を発する。主に高速道路で使用するように考えられた機能で、時速65kmを超えると作動する。
 これらのうち、追突警告、ACC、車間警報機能、ドライバーアラート、レーン・デパーチャー・ウォーニング機能などは従来からのプリクラッシュセーフティ(ボルボはプリベントセーフティと称する)であり、今回登場する自動停止できる緊急ブレーキ、シティ・セーフティが新たなシステムといえる。





レガシィ・アイサイト(Ver.2)
 
 5月のマイナーチェンジしたスバル・レガシィは、従来は特定グレードにのみにしか設定しされていなかった本格的なプリクラッシュセーフティ・システムのアイサイトを思い切って水平展開し、量販車種に設定。システム価格も従来は30~50万円であったのに対し、今回は10万円という他社を大きく凌駕するコストダウンに成功している。
 スバルのアイサイトで特筆すべきは、ステレオカメラ、つまり2個のカメラを装備していることで、これは世界的に見ても独創的であり、優位性があるといえる。
 メルセデスベンツが2002年にプリクラッシュセーフティの概念と、それを具現化したプレセーフを発表し、トヨタや日産も少し遅れて同様のシステムを採用した。これらのシステムの特徴は、ミリ波レーダーを装備して前方の車両との距離を測定し、自動ブレーキやオート・ベルトプリテンショナーを作動させるものだった。
 レーダー波、あるいはレーザーでは前方の障害物の判定は相当難しいという制約があるが、プリクラッシュセーフティ・システム=レーダーという考えが定着した。
 一方、スバルは1988年から、アクティブセーフティのコンセプトのひとつとして、ステレオカメラを使用したドライバー支援システムを構想してきた。1991年の東京モーターショーでは、ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)として出展された。
 2個のカメラを使用したステレオカメラは、レーダーでは不可能な実像の形状を立体的に認識でき、さらに3角法により距離を演算できる利点がある。400×200画素の画面を0.1秒で処理するという構想は、当時としては画像処理や演算に関してマイコンの能力が追いつかなかった。
 市販化されたのは1999年のレガシィ・ランカスターADAで、この時はナビゲーションシステムの地図データなどと合わせて周辺状況を総合的に判断し、車線逸脱警報、車間距離警報、車間距離制御クルーズコントロール、カーブ警報/シフトダウン制御を行っていた。
 機能的には警報と、自動シフトダウンが主であった。
 2003年には4代目レガシィで3.0R ADAが設定された。
 この時点では、どんな悪天候でも前走車を補足できるミリ波レーダーとステレオカメラを採用した高度なシステムとなった。機能的にも、自動減速ブレーキやレーンキープだけではなく、前車追随、凍結路面警報など先進的な要素を盛り込んだADAの決定版ともいえる内容となったが、システム価格が高く、実際にはきわめて限定的な販売となった。
 このため、2006年にはステレオカメラは使わず、レーザーだけで全車速アダプティブクルーズコントロールを行なう「SI-Cruise」に変更した。追従クルーズコントロール、先行車発進モニターなど機能は限定的であった。これはコストを意識したトライだった。このように機能とコストの狭間でシステムも変遷している。
 今回は、量販車種に適用するためコストも追及し、レーダー、レーザーを廃止。機能もアクティブセーフティの要素よりプリクラッシュセーフティにターゲットを絞りつつ、従来からのステレオカメラの優位性を追及している。
 このステレオカメラによる原点回帰という意味でVer.2 なのである。

イラスト

 機能的には、30km/h以下での自動停止ブレーキを含むプリクラッシュ自動ブレーキ機能、プリクラッシュ・ブレーキアシスト(BAの自動作動)、全車速追従機能付クルーズコントロール、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進告知機能、そしてAT誤発進抑制制御が含まれている。なお緊急自動停止ブレーキは、スバルのアイサイトの場合は前走車、歩行者、自転車などが、レーダーが不得意な交差点内でも認識できることから、現時点で最も優れているといえる。
 ユニークなAT誤発進抑制制御は、ギヤの入れ間違いやペダルの踏み間違いといった、誤発進による衝突被害の軽減のために、前方に障害物が検知され、停車または徐行状態でアクセルペダルが必要以上に踏み込まれたとシステムが判断した場合、警報・警告灯でドライバーに注意を喚起。同時にエンジン出力を制限して発進を穏やかにする。
 例えば、停車時に前車がいない状態でブレーキとアクセルを踏み間違えた場合でも、縁石で停止できるていどの発進トルクに押さえ込まれるという。

LE10513s.jpg

LE10517s.jpg
↑フロントガラス上面のステレオカメラ
P1010516.jpg
↑カメラユニット

 このように考えるとスバルのアイサイトは、現状ではもっともよくできたプリクラッシュシステムといえる。
 なお、カメラを使用したシステムの場合は、天候に左右される傾向にあるが、カメラによる前方対象物の認識はドライバーの目と同等にしてあるという。例えば、濃霧の場合は見通しが効かないため、車両直前の白線、視界は確保され、そのような状況ではドライバーも視界の範囲を考慮した車速にするため問題ないという。雪道での太陽光の反射が強いときも同様である。(レーダーではこうしたケースでもはるか前方の車両を補足できるが、ドライバーの視野の範囲外のため、あまり意味がないということだろう)
 
*オフィシャル動画



 このように30km/h以下ではドライバーの不注意でも自動的に緊急ブレーキが作動して停止し、事故を防止できる機能が実現した(30km/h以上の車速の場合でも緊急ブレーキは作動するが、衝突は回避できない。ただ衝突の程度を軽減することはできる。この30km/hというボーダーラインは行政的な規制である)。
 スウェーデン/ボルボの研究では、30km/h以上の車速では衝突の恐れがある場合は緊急ブレーキと同時にステアリングを操作して衝突を回避するようなケースが多くなるという。
 しかしある意味ではブレーキの自動制御がようやく一歩前進したともいえ、渋滞路での追突、交差点でも衝突など研究データによれば75%もの事故を低減でき、またこの緊急ブレーキが作動することで歩行者との衝突でも致死率を大幅に低減できるそうだ。
 ESC(電子制御スタビリティコントロール)と、このプリクラッシュ自動ブレーキを組み合わせることで、日常的な衝突事故を低減するために有効だ。
 また、スバルが開発したなAT誤発進抑制制御も画期的といえる。
 実はブレーキとアクセルペダルの踏み間違いによる誤発進は、年間1万件近いといわれる。もちろんこれは、物損事故以上の範囲で、ドライバーが自己申告、あるいは客観状況から想定されるもので、物損事故以上に至らない、つまり報告されないペダルの踏み間違い事例は、この数倍であろうことは容易に想像できる。
 踏み間違いについては、高齢者から運転に慣れていないドライバーまだ幅広い分布しているものと考えられ、スバルのようなバックアップシステムから、ペダルの設計まで総合的な対策が必要だろう。

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