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ハイブリッドカー時代の開幕:2010ジュネーブ・モーターショー

 恒例のジュネーブ・モーターショーが3月4~14日まで開催されている。
 ジュネーブショーは、ヨーロッパの自動車メーカーが最も力を入れるショーで、ワールド・プレミアや新コンセプトカーを登場させることで知られている。
 今回のショーを概観すると、ヨーロッパにおけるハイブリッドカーの時代の幕開けを意味している。周知のようにディーゼル・エンジンが普及しているヨーロッパでは、日本的な、いやトヨタ的なハイブリッドカーは懐疑的に見ていたが、もはや市場がハイブリッドカーを求めていると、ヨーロッパのメーカーは判断したのだ。
 ハイブリッドカー=環境対応車というイメージは、日本より先にアメリカ、特に西海岸で認知されたが、ヨーロッパは、ディーゼルターボに劣る燃費のハイブリッドカーの評価が高かったわけではない。
 しかしヨーロッパのマーケット、ユーザー層でもハイブリッドカーに対する関心は最近になって急激に高まってきているそうだ。
 このような市場動向を察知した結果、ヨーロッパの自動車メーカーは、当面の戦術としてハイブリッドカーをラインアップする手に出ている。
 
 なんとフェラーリも、599(フィオラノ)にもハイブリッド仕様を試作し、出展した。F1グランプリのイメージを使用した「HY-KERS」である。標準モデルの6.0L・V型12気筒エンジンと7速デュアルクラッチ・トランスミッションは共通だが、リヤアクスル部に100psのモーターをレイアウ。リチウムイオン電池は床下に配置している。HY-KERSはモーターのみ、エンジンのみ、エンジン+モーターの3つの走行モードを使用できるという。

カイエン・ハイブリッド
↑カイエン・ハイブリッド

 もう一方の旗手、ポルシェもハイブリッド一色だ。
 モデルチェンジするカイエンには新たにハイブリッド仕様が追加されている。
 カイエンはベースモデルでも、アイドルストップ、8速ティプトロS、可変気筒休止、ブレーキ回生を採用し、従来モデルより20%近く燃費を改善しているが、注目すべきはカイエンSハイブリッドだ。
 ポルシェ初のハイブリッドとして、パラレル式フルハイブリッドシステムを搭載。エンジンとモーターを切断できるクラッチを装備する。電池はリチウムイオン電池。
 3.0L・V6スーパーチャージャー付きエンジンと34 kW(47 PS)を発生するモーターを組み合わせている。走行モードは、エンジンのみ、モーターのみ、両用の3モード。エンジンは333ps、モーターは、低回転域きエンジンをアシストして、わずか1000 回転で580 Nmの最大トルクを生み出すという。システム総合出力は380ps。またモーターのみでの走行距離は60kmで、モーターでの最高速は156km/hまで可能だという。さらに、ニュートラル状態での走行(セーリングモード)も使用できるのだ。
 セーリング走行モードは、ドイツ式燃費走法の象徴で、VW/アウディ/ポルシェ・グループで順次採用されるはずだ。
 なおカイエンSハイブリッドの発売時期ま未定とされている。
 ポルシェは、カイエン以外に、911GT3 Rハイブリッド(フロントアクスル駆動用の電気モーターと発電モーターを搭載したレーシングモデル)、コンセプトカーの918スパイダー・ハイブリッドを出展している。
918スパイダー・ハイブリッド
↑918スパイダー・ハイブリッド
 918スパイダー・ハイブリッドは、同社の方向性を示したものだ。
 プロトタイプ 918スパイダーは、レーシングカーの技術と電気モーターとを組み合わせ、走行性能をあらゆる点で高めることを意図しているという。この結果、CO2排出量は70g/km 、走行距離100kmあたりの燃料消費量も3Lといった、超コンパクト車両並みの燃費性能を実現。その一方で、0→100km/hはわずか3.2秒。最高速度も320km/h以上をマークし、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでは7分30秒を切るラップタイムを記録するという。
 ミッドシップされるエンジンは高回転型の3.4L・V型8気筒で、最高回転数は9200回転、500ps以上。前後のアクスルに装備されるモーターは合計218PS(160kW)の出力。
 エンジンとモーターのパワーは7速PDKを介して後輪を駆動し、フロントホイール用モーターは固定変速比によってフロントホイールを駆動する。リヤに液冷リチウムイオン電池を配置。しかもこの電池はプラグイン対応する。ステアリングスイッチで、4モードが選択でき、モーターのみで25kmを走行でき、ハイブリッドモードでは走行条件と必要条件に応じてモーターとエンジンの両方を使い分ける。さらに出力重視のスポーツハイブリッドモード、サーキットモードのレースハイブリッドモードを持つ。このモードではモーターは加速ブースターとして機能する。なおハイブリッドのため、カーボン・モノコック、アルミ、マグネシウムの採用による軽量構造とし、車両重量は1490kgていどだという。
 つまり918スパイダーはポルシェらしく、ハイブリッドを燃費だけに使用するのではなく極限的なハイパフォーマンスにも使用するというメッセージを伝えているのだ。
 
 アウディはA8ハイブリッドとA1・eトロンを出展した。
  A8は直4・TFSIエンジンと45psモーターを採用し油圧クラッチを組み合わせている。システム総合出力は245ps。トランスミッションは8速(ポルシェと共通)。パフォーマンスは、0→100km/h加速7.6秒、最高速235km/h。リチウムイオン電池のみでは最長2km、最高速65km/h が可能だという。
  プレステージクラスは、すでにベンツ、BMW、レクサスLS600hが先行しているが、A8は圧倒的なエンジン・ダウンサイジングを優位性を示している。
A1 eTron
↑アウディA1 eTron

  プレミアム・コンパクトのA1にハイブリッドを組み合わせたのがA1・eトロンで、モーターのみで走行する。プラグインに加え、発電用のバンケル・エンジンを搭載しているのがユニーク。モーター出力は61ps(オーバーブーストモードでは102ps)、最大トルク15.3kgm(同24.5kgm)。大容量の12kWhのリチウムイオン電池を搭載。発電用のエンジンは254ccのシングルローターで20ps。航続距離は250kmていど。
 動力性能は、0→100km/h加が速10.2秒、最高速130km/hという。A1・eトロンもきわめて軽量で車両重量は1190kgだそうだ。
 
 VWは、新型シャラン、ポロGTI、トゥアレグ、クロスポロ、クロスゴルフ、ピックアップトラックのアマロック、マルチバンのT5を発表。シャランは、ガソリン、ディーゼル各2機種が設定され、トランスミッションは6速MTと6速DSG。アイドルストップ、ブレーキ回生が採用されている。
 トゥアレグは、V6・TSIエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(380ps)と、ガソリンのみ(280ps)ディーゼルターボ(240ps/340ps=V8)を設定。アイドルストップを新採用。
 ポロGTIはTSIエンジンを搭載し180ps。0→100km/hは6.9秒、最高速は229km/h。
 
 プジョーは、大攻勢をかけている。正統派ラグジュアリーサルーンの5byプジョー(ハイブリッド)、コンパクトカーの5008、3008、コンセプトカーのSR1、100%EVの「iON」(i-MiEV)、都市部のコミューターとして発想された「BB1」などだ。
 三菱と連携を深めているプジョーは、EVを指向し、この点ではドイツ勢とはかなり異なっている。
 シトロエンは、コンセプトカーの「SURVOLT」を出展。2シーター・2ドアクーペのEVで、ボディサイズは、全長3850×全幅1870×全高1200mm。
プジョーRCZ
↑プジョーSR1concept

BB1.jpg
↑プジョーBB1(EV)

 メルセデスは、ディーゼルエンジンにモーターを組み合わせた“ディーゼルハイブリッドシステム”搭載の“E300ブルーテックハイブリッドを出展。2.2L直列4気筒ディーゼルエンジンに、出力15kWのモーターを組み合わせた、ディーゼルハイブリッドカーだ。1モーターで、ディーゼルをアシストし、ブレーキ回生を行う。エンジンとモーターの間にクラッチを備えている。電池はリチウムイオンである。
 
 フィアットは、小型MPVのドブロに、ガソリン、メタン併用のモデルを送り込んだ。
  
 中国メーカーではBYDがEVの「e6」を出展している。これはすでに発売しているモデルだが、最高速140km/h、0→100km/hは14秒。航続距離は300km。モーターは前後アクスルにそれぞれ配置しフロントは214ps、リヤは53ps、システム総合出力は268ps/550Nmだという。
 自社製のリチウムイオン電池を搭載し、プラグインにも対応している.
 
 このように日本メーカー以外のハイブリッドカーを概観すると、きわめてコンセプトも技術も多様であることがわかる。日本では、ハイブリッドカーNo1はプリウスということが定説になっているが世界的なトレンドでは、むしろ少数派といえるかもしれない。それは、ハイブリッド・システムの問題というより発想の違いが大きいと思う。
 
 トヨタは、ヨーロッパ向けともいえるレクサスブランドのハイブリッドカー、CT200hを出展した。基本的にはプリウスと同じパワーユニットだが、ヨーロッパ向けのシャシーを、つまりオーリスをベースにしており、フロントはストラット式、リヤはダブルウイッシュボーン式としている。デザインはCセグメントのハッチバックである。もちろんオーリス・ハイブリッドも設定される予定だ。
レクサスCH200h
↑レクサスCT200h

 ホンダはCR-Zと、FCXクラリティ、EVのEV-N、そしてコンセプトモデルの3輪電動コミューター「3R-C Concept」を出展。「3R-C Concept」はホンダR&Dヨーロッパのミラノ・スタジオデザインだ。
ホンダ3R-C Concept
↑ホンダ3R-C Concept

 スバルは、スバル・ハイブリッドツアラーコンセプト、インプレッサVX、プラグイン・ステラの3台だ。インプレッサXVはインプレッサをベースにしたクロスオーバーモデルである。また、エンジンは第3世代の水平対向エンジンを発表し、今後採用していくという。
これは主として環境対応性能を向上させたものだ。
インプレッサXV
↑インプレッサXV
スバル新世代エンジン
↑新世代水平対向4気筒

 マツダは、両側スライドドアの7人乗りの新しいコンパクトMAV、ヨーロッパ名=Mazda5
を出展した。2.0Lの直噴エンジンを搭載しアイドルストップを組み込んでいる。

 三菱は、RVRのヨーロッパ向け「ASX」を出展。三菱重工と共同で開発したアイドルストップ機能付きの1.8L直噴ディーゼルターボ「DI-D MIVEC」(可変ターボチャージャー)と、6速マニュアルトランスミッションを組み合わせている。またプラグイン・ハイブリッドのConcept PX-MiEVも出展。
 
 日産はヨーロッパ向けのマイクラ(マーチ)のワールドプレミアを行った。エンジンは新開発の1.2L・3気筒直噴で、トランスミッションは5MTと副変速比を持つCVT。燃費は驚異的に向上しているという。
 なおマイクラは、アジアではタイが生産拠点となるという点が画期的だ。今後は低価格車の生産は海外工場に移転する先駆け的な存在だ。
日産マイクラ
↑日産マイクラ

 
 以上のように見ると、ヨーロッパ勢は近いうちにハイブリッドカーやEVのラインアップを実現しようとしていることは明白だ。面白いことに、同一モデルで見るとハイブリッドカーよりディーゼルターボの方が、燃費、CO2排出量ともに優れているが、なにはともあれハイブリッドカーという市場の要求に応える形でのラインアップだろう。
 また、ヨーロッパ勢のハイブリッドカーはすべてがリチウムイオン電池を採用しているの点も注目される。もちろんハブリッドカーが比較的高価格帯の車種であるため採用しやすいという理由もあるだろうが、密かに日本以外のメーカーと自動車用リチウムイオン電池メーカーとの共同開発が進行しているような気がする。(VWは東芝とタッグを組んだが)
 ハイブリッドカーのパイオニアのトヨタは、パナソニックと手を組んだため、ニッケル水素電池にこだわり、パナソニックが出遅れているリチウムイオン電池への模索が続いている。そのパナソニックは、リチウムイオン電池で先行しているサンヨーを支配下におさめたがその結果はまだわからない。
 ポルシェ918スパイダー・ハイブリッドのプレゼンテーション用のムービーの冒頭は、ロナール・ポルシェの再現映像から始まる。ハイブリッドカーの元祖は我々だ、という強いメッセージである。どうする、ニッポン組!

 

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Re: ジュネーブ・モーターショー

>Euro6に適合させるには、ディーゼルに尿素還元装置などを搭載するより、HVにする方が安上がりとも聞きます。

そうですね。高級車クラスならまあいいのでしょうが、日本の新長期、EURO6対応ではディーゼルの排ガス処理コストの高さが大きなネックになっています。

> ただそうは言っても、2つの動力源をもつHVは、コストと重量がかさむという根源的な問題を抱えています。

これもモーター走行域を増やそうとすればモーターと電池の大容量化=重量とコストのアップという背反
事項を本質的に解消できません。

ということで、電池価格が下がれば小型車はプラグインEVか、天然ガスエンジン、または高効率ガソリンエンジンとなると考えています。

ジュネーブ・モーターショー

詳細な解説ありがとうございます。今回のジュネーブショーは本当にHVラッシュと言う感じですね。

かつてHVに懐疑的だった欧州メーカが続々参入し始めたのは、市場ニーズもありますが、厳しさを増すNOx排出規制の影響も大きいのではないでしょうか?Euro6に適合させるには、ディーゼルに尿素還元装置などを搭載するより、HVにする方が安上がりとも聞きます。

ただそうは言っても、2つの動力源をもつHVは、コストと重量がかさむという根源的な問題を抱えています。その意味では純EV(電池自動車)が理想ですが、電池のコストが実用的なレベルになるには、まだ暫く時間がかかりそうです。

と言うわけで当面の策としては、プラグイン・シリーズハイブリッドが最も妥当だと考えます。これは言わば発電機付きEVなので構造も単純であり、汎用発電機を使えばコストも抑えられると思います。
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