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電気自動車の時代が始まるか?

08 フロント2
↑i-MiEV
 電気自動車(EV)の三菱i-MiEVが6月5日に発表され、7月頃から市場に投入される。ただし当初は官公庁や法人に対するリース販売で、個人向けは来年春頃を予定しているようだ。
 6月4日にはスバルが、同じEVのプラグイン・ステラを発売している。EVステラはリチウムイオンバッテリーを搭載し、100V充電、急速充電が可能、航続距離は10・15モードで90㎞。つまり実用走行では50㎞くらいか。モーターは47kW、170Nmで前輪を駆動する。総電圧は346V、バッテリーの容量は9kWh(つまりi-MiEVの56%ていど)。価格は472万5000円(ただし138万円が政府から補助されるのはi-MiEVと同じ)今年の生産予定台数は170台ていど。このバッテリー容量などなどは、東京電力が協力した実用化のための走行テスト運用の結果から決められたという。つまりプラグインという方式を重視し、東京電力側が急速充電器を備えているため、このていどのバッテリー容量とすることでバッテリー重量やコストを抑えるという考え方だ。
stera1.jpg
↑スバル・ステラPEV

 三菱i-MiEVの価格は459万9000円だ。今年の生産台数は1400台とスバルよりは1桁多い。
このうち250台はイギリスなどに輸出予定だと言う。バッテリーの価格はおよそ200万円くらい、つまり原価は100~150万円ていどか。 

 ハイブリッドカーに続いて、今度はEVの発売でまたもマスメディアの社会ニュース的には盛り上がると見られるが、いうまでもなくEVは歴史的なクルマだ。
 今ではすっかり忘れ去られてしまったが、ベンツ、ダイムラーがガソリンエンジン自動車を発明した当時からしばらくは電気自動車がむしろ主流であったのだ。1887年のパリ-ルーアン馬なし馬車競争には、航続距離の問題で電気自動車は参加を断念したものの、1898年にはある貴族がパリ近郊の道路で公開最高速を行い、電気自動車で62.8㎞/hを記録し、ガソリンエンジン車を上回るパワー、性能を見せつけた。
 日本では、たま電気自動車が記憶に残る。第2次世界大戦後に、立川飛行機の旧航空機・機体エンジニアで後にプリンス自動車技術部長、日産の技術担当常務となる田中次郎氏らがが中心になり、1947年に電気自動車E4S-47を開発した。床下に鉛バッテリーを配列し、40V、162Aを得た。モーターは36V/4.5psと恵まれなかったので、最高速は35㎞/h 、航続距離65㎞だった。その後改良が続けられ、49年モデルでは最高速55㎞/h、航続距離200㎞を達成している。この電気自動車を製造した東京電気自動車(後に富士精密と合同してプリンス自動車となる)は約1500台のEVを製造販売した。当時は高い評価を受け、販売台数も異例というほど多い(当時のガソリンエンジン車は数百台ていどの販売)が、価格は高かった。このたま電気自動車以外に日本電気自動車製造や中島製作所、神戸製鋼などが電気自動車を製造している。
 まお、たま電気自動車の性能は高かったが、朝鮮戦争が始まり、鉛、バッテリーの価格が暴騰し、生産中止に追い込まれたという経緯がある。
 このことからもEVは社会に翻弄されやすいという特徴があるように思われる。
たま
↑たま電気自動車トラック型とセダン型

 この時代はガソリンが統制品で民間では簡単に入手できなかったため、水力や石炭発電で得られた電気を利用する電気自動車が脚光を浴びていたのだ。
 そういう意味では、存在理由は異なるにしても、今また歴史を繰り返すのか。
 
 i-MiEVは、スバルのステラより大型のリチウムイオン・バッテリーを搭載する。リチウムエナジー・ジャパン製の電池は、セル4個とセル8個の2種類の直列モジュールを接続した88セルで16kWの容量を持つ。電池モジュールはフラットに構成され、あらかじめ電池搭載を織り込み済みの軽自動車iの床下に格納している。衝突安全性を高めるために電池モジュールの周囲は頑丈なスチールフレームでガードされている。高電圧を使うEVやハイブリッドカーは、衝突時の安全確保は格別に注意を要するのだ。
 電池の電圧は330V、総電力量は16kWh。
01 電池セル
↑電池セル
03 電池パック
↑電池パッケージ スチールフレームで保護されている

 電池の重量は重いので、床下にフラットに配置するのが最も合理的で、低重心化につながる。iターボとの比較では、i-MiEVのほうがはるかに重心が低く、ロール角が小さくなっている。
 ただし、車両重量は、iターボが970kgであるのに対してi-MiEVは1100kgで、エンジン/トランスミッションとモーター/トランスミッションが同等と考えると100~130kgていどが電池重量による増加分と思われる。
 iはRR駆動方式でエンジン/トランスミッションはリヤの床下にレイアウトされるというパッケージングのため、モーター/トランスミッションは余裕たっぷりでRR配置となり、室内スペース的などからみてEV専用設計に等しいと考えても良いだろう。
 モーターは定格出力25kW、最高出力は47kW(64ps)、最大トルクは180Nm/0~2000回転)という実力で、電圧は600Vだ。軽自動車のiターボと出力は同等だが、最大トルクは約2倍近い。駆動モーターは減速時にはブレーキ回生を行うが、運転モードはD、Eco、Bの3種類があり、Ecoは出力をセーブして航続距離を重視し、Bは出力、ブレーキ回生率をともに高めたモードとしている。トランスミッションは1速の、つまり減速機構を持つのみ。
04 モーター
↑モーター
05 トランスミッション
↑減速トランスミッション

 性能的には、発進加速、中間加速のいずれもi-MiEVがiターボを上回る。三菱は以前からEVの動力性能にも着目しており、環境性能だけではなく動力性能向上にもかなりこだわっていると思う。
06 発進加速比較

 電池、インバーター、充電器などとエアコンやパワーステアなど電装品との統合制御は、CAN-BUSで統制された専用OSを採用したECUを採用しているが、このあたりは三菱電機の独壇場かもしれない。もともと三菱自動車は電子制御分野では三菱電機とのコラボで推進されているがモーター制御などは従来以上に得意分野となっているはずだ。
 電装品では、エアコン、ヒーターはいずれも電気式。
07 インバーター
↑インバーター
06 車載充電器
↑車載充電装置
 
 航続距離は10・15モードで160㎞とされているので、エアコン、あるいはヒーターの使用なども考えれば実用上は1充電で最大で100㎞ていど、つまり半径50㎞が行動限界となる。
 もちろん電池を充電するためのプラグイン充電機能を持っており、家庭用100V、200V、さらに高圧の急速充電にも対応している。電池の満充電までの時間は100Vで14時間、200Vで7時間、3相200V・50kWの急速充電で約30分(80%充電)とされている。
01 パワーメーター1
↑パワーメーター
 つまり実用上は急速充電器が設置されている地域では航続距離を伸ばすことが期待できるが、そうでなければ50㎞圏が限度で、つまり近距離での使用に限定される。また急速充電器がない場合は、駐車中は家庭用電源線を接続し、常に充電するという使い方になる。
06 冠水路走行試験
↑高電圧を使用するため冠水試験も必須

 三菱自動車は三菱商事と連携し、近い将来にコンビニ・ローソン、官公庁、大型スーパーマーケットなどと連携して急速充電設備のインフラ拡大を狙っているという。
  排気ガス、排出CO2ゼロとはさすがにぶち上げていないが、CO2排出量はWell to Wheelの観点で、ガソリンエンジン仕様の約30%としている。これは発電所での発電時のCO2発生量を意味している。
02 CO2排出量

 いうまでもなくEVはガソリン、軽油などは燃料として一滴も使用しない。これがEVの最大の特徴であると言えるが、動力源となる電気は2次エネルギーであり、現実には電気の70%は天然ガス、重油などを使用して発電されている。残りの30%は原子力発電による。
 つまりEVは、1次エネルギーを他の産業分野に付け回しているといえる。もちろん火力発電での熱効率は50~60%と内燃エンジンより高く、その点ではCo2排出量は低くなるが、その一方で送電、充電のエネルギーロスも生じている。

 i-MiEVは最新の電池技術やモーター、統合電子制御などによりEVとしては最先端にあるとはいえるが、電池製造時のエネルギー負荷の大きさや電池廃棄までのトータル負荷、化石燃料に70%を依存する発電などを総合的に考える必要がある。また性能的に、特に航続距離からいって、都市部での限定的に使用せざるをえず、中国の内陸部やアフリカで走り回るのには無理があるのだ。
 高価で製造が難しいリチウムイオン電池を搭載してエネルギー容量を高めているのが特徴であるが、一方でリチウムイオン電池を飛び越えて、よりエネルギー密度が高く製造の容易な次世代電池の開発がスタートを切ったという情報も最近は盛んに見受けられる。
 結局のところ、EVは電池の性能に依存し、電池開発がこれからも大きな課題になることは避けられないと思われる。

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