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混乱の時代を透視する(2)

 エンジン-エレクトリックのシステムは、つまりは内燃機関と電動モーターの組み合わせであり、ハイブリッド・システムである。もともと自動車黎明期には、内燃エンジンの性能が低く変速機やクラッチも未熟だったために、内燃機で発電しモーターで駆動するシステムが登場しており、ローナー・ポルシェもシリーズ・ハイブリッド方式であった。
 しかしその後は、内燃エンジンが高性能化したことなどにより、ハイブリッドカーは姿を消したが、ディーゼル機関車、アメリカの潜水艦、重機などではでディーゼルエンジンによる発電でモーターを駆動するシリーズ・ハイブリッド方式が定着している。今後のハイブリッドカーは、むしろシリーズ・ハイブリッドが主流になる気配がある。
 トヨタ・プリウスの登場以来、シリーズ・パラレル方式のハイブリッドが脚光を浴びるようになったが、モーター、電池に依存する領域が多くモーターの性能に限界があるため、小型車に特化したシステムといえる。ただ、シリーズ・パラレルの制御、無段変速機構、アトキンソンサイクルの専用エンジンの搭載など、ハイブリッド専用車としてのまとめ方は評価できよう。
 なおハイブリッド・システムは、エンジンのアイドルストップ、ブレーキ回生によりエネルギー効率を高め、燃費向上に寄与することができる。
 しかし、EV同様の電池のコストや寿命などの問題を内包していることは間違いない。プリウスはニッケル水素電池を搭載しているが、その価格は20万円ていどと見られる。プラグイン機能を追加するためには電池容量の増大をはかる必要があり、現在の価格設定ではより高性能だがさらに高価なリチウムイオン電池への転換は難しいと思われる。
 
 一方で、ディーゼル・エンジンもガソリン・ハイブリッドカーと同等レベルの燃費を実現できる実力を持っており、ディーゼル・ハイブリッドが実現すれば、燃費、CO2排出量ではガソリン・ハイブリッドを凌駕できることはいうまでもない。ただ、ディーゼル・エンジンは排ガスや排出粒子対策を行うために、エンジン・コストがきわめて高騰しているのが実情である。コストの高騰分は、燃費やCO2排出力の少なさでカバーできるのか、ガソリン・エンジンに対して競争力を維持できるかどうか。
 こうした問題以外に現在のディーゼル・エンジン車は、地域による片寄りがはなはだしく、日本やアメリカではディーゼルが大型トラック以外には少数であるため軽油は余剰状態にあり、ヨーロッパでは極端に乗用車のディーゼル・エンジン比率が高いために軽油が不足し、アメリカからの輸入に依存しており、軽油価格はガソリン価格を上回っている事態になっている。
 いうまでもなく原油からは軽油、ガソリンなど石油製品は原油から一定の比率で生み出されるのに対して、実際の需要は地域差が大きく、アンバランスな状態であることは大きな問題である。
 ただ、はっきりしているのは、軽油、ガソリンなど原油から精製される液体化石燃料は、高カロリーで、エネルギー密度が抜群に高く、取り扱いが容易であるため、自動車用燃料としては最も優れていると言うことである。
 もうひとつ、原油由来の石油製品は、現在の化学工業製品はもちろん、その他の幅広い産業で不可欠になっており、これが石油のもたらした文明と呼ばれるゆえんとなっているのだ。
 原油の枯渇、埋蔵量限界説は1960年代から語られているが、現在は採掘コストの安い場所でのみ生産されているため、真の埋蔵量は判明していない。原油が枯渇する推定は30年とも70年ともいわれており、その一方で石油採掘企業はまだ未知の原油が大量に存在しているとしている。ただ、原油が有限であることは事実であり、原油に代わるエネルギー源として、天然ガス、メタンハイドレートなどが考えられている。
 近未来では原油関連製品をより効率的に使う前提で、当分の間は輸送用燃料としての主役の座は譲ることはないだろう。
 グリーン・ニューディール政策、もっと以前ではブラジルのアルコール燃料政策など、バイオ燃料は代替燃料として着目されて久しいが、農産物から作り出すバイオ燃料は結局のところ人類の自殺行為であり、次世代のバイオ燃料や、アスファルトなどから製造する合成燃料は、原油由来の燃料に比べてコスト的に成立しないため純粋な経済原則の元では拡大させることは難しく、もっぱら国家政策として推進していくほかはないと思われる。
 
 FCの燃料として、あるいは従来の内燃機関の燃料として着目されている水素は、究極の環境燃料と呼ばれている一方で、現実には化石燃料から生成されているのだ。もちろん技術的には、他の方法で製造可能であるが、これも純粋にコスト、需要量の問題であろう。ただ、ガス燃料は取り扱いが難しく、かつインフラを根本的に更新する必要があり、自動車のためだけに社会的なインフラを構築し水素を供給するという発想には無理がある。
 水素エネルギー論は、国家戦略的な位置づけが行われなければ絵に書いた餅というべきだろう。
 水素だけではな、CNG、LNGなど化石天然ガスも、単に自動車用燃料という位置付けではなく、国家的なエネルギー戦略の一貫とされなければ意味がない。現に、都市ガスはすでに天然ガス化され、火力発電所も天然ガスの利用に転換されている。自動車用としては圧縮されたCNGが一部で運用されているが、GTL(生産段階で燃料用液体に変換する)がむしろ今後の課題で、現時点では水素よりGTLの方がより実現性が高く、性質的にも好ましい。
 
 自動車メーカーの存立は、基本的にはエネルギー政策に左右される。そういう意味では
ガソリン・エンジンやディーゼルエンジンはいつまで作り続けることができるのかという答えを模索しているのである。
 自動車メーカーなりの解答は、ポスト原油の時代のためのクルマとしてEV、FC、水素エンジンであり、ハイブリッドカーは従来エンジンを延命させるひとつの方法とされる。また従来エンジン技術を前提にしたバイオ燃料(バイオガス、バイオディーゼル、合成燃料など)対応なども選択肢の一つとなっている。
 
 現在のエネルギー問題で話をややこしくさせているのがCO2排出に関するテーマである。
 もともとエネルギー問題は、原油の枯渇や、原油価格高騰などを前提にした次世代エネルギーの議論と、現在のエネルギー消費をいかに効率を高めるかという省エネルギー論であったものが、地球温暖化論の主役としてCO2が槍玉に上がったことで、CO2排出量が最優先になった感がある。これは1988年に始まったIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が地球温暖化の主因としてCO2を上げたことに起因し、その後、1997年の京都議定書でCO2削減の基本方針が確定されている。
 しかし、一方で地球気候学的には地球温暖化をもたらす温室効果ガスは、水蒸気の役割が圧倒的に大きく、次は亜酸化窒素(CO2の310倍の温室効果を持つ)、メタンガスなどの順位となり、CO2がもたらす温室効果はきわめて低いとされている。
 温暖化を抑制するためにCO2を削減するのはピントはずれであること、人間が石油を産業エネルギーに使用し始めたのは第2次世界大戦後であり、この事実と温暖化は確かに一致しているが、長期的な地球気候として考えると、温暖期と寒冷期は周期的で、果たして原油使用と温暖化といった地球気候としてはきわめて短期間の変動を、温暖化と把握してよいのかどうか・・・まだ議論は始まったばかりである。

 クルマの近未来に絞って考えると、どれだけWell to Wheelの効率向上、つまり化石燃料の燃費を高めるかが重要なテーマであり、EV、ハイブリッド、FCだけではなく、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの進化など同時並行的に技術を追求する必要があり、また新しいクルマの普及もそれぞれのタイプがバランスがとれていなければならない。決してEVやハイブリッドカーだけが主役なのではないのだ。
 本質的には原油から精製される製品、重油からガソリンまでをトータルで低減させないと意味がない。原油は、軽油を作ってガソリンは作らないというわけにはいかない特徴があり、原油からは重油も、軽油もガソリンも一定の割合で製造されてしまうからだ。
 そういう意味で、自動車メーカーとしては、従来の技術開発と同時にEVやハイブリッドカー、バイオ燃料や合成燃料への対応などなど新しい技術の開発が要求され、開発の負荷はきわめて大きくなったということができる。
 

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