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フォルクスワーゲン up! がやってきた

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 9月18日、VW up!が発表された。
 ヨーロッパでは2011年秋から3ドア・モデルが発売され、今年の春から5ドア・ボディの生産が開始され、ASG(AMT)の生産も軌道に乗ってきたことから、このタイミングでの日本導入になったようだ。
 3ドア・モデルのベースグレードは149万円で受注生産扱いとなるが、これは日本では3ドアは少数しか売れないという読みだという。ただし最初の輸入でかなり3ドアボディも含まれているので、当面は納車時期が長くなることはなさそうだ。
 メインモデルは5ドアのmove up!で168万円。フル装備モデルがhigh up!(183万円)ということで、軽自動車ハイトワゴン上級グレードから、ヴィッツ、フィットなどはもちろん、トヨタ・アクアくらいまでが価格的にターゲットゾーンに入る。
 
 エンジンは1.0L・3気筒で、ヨーロッパでは60psと75psの2機種があるが、日本は75psの1機種のみ設定している。
 ヨーロッパでは最廉価モデルは100万円ていどから設定しているが、これはESP、エアコンなどもない本当のベースモデルだ。対して日本仕様は、シティエマージェンシーブレーキ(30km/h以下での衝突防止自動ブレーキ)、ESP、4エアバッグ、CD/MP対応オーディオなどを標準装備化しており、国産車に多いオーディオレスではない。ナビはPNDタイプをオプション設定している。
 
 up!は日本車キラーとして騒がれているが、本来のコンセプトは、VW社のニュースモールファミリー(NSF)とされる車種で、ウルトラコンパクト・シティカーだ。コードネームはタイプAAという。2007年にRR駆動のコンセプトカーとしてスタートし、その後FFに変更された。RRとするためには投資が多くなり過ぎることや、その後のグループ会社全体でのMQB(モジュラー生産コンセプト)とも整合しないと判断されたのだ。
 up!は、ヨーロッパにおける若者層へのシェア拡大、企業平均燃費の低減、新興国でのエントリー量販車種と多くの役割を持つ戦略モデルで、VWが2018年に世界No1メーカーになるという目標達成のための重要な役割を担っている。

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↑同時期に発売されたスズキの新型ワゴンR

 
 日本市場では、低価格が売り物というより「デザインや質感にこだわりのあるクルマ」の路線を選んでおり、やはりDas Autoを前面に打ち出すのが得策と考えているようだ。おりしも軽自動車のスズキ・ワゴンR(111万円~161.3万円)が発売され、up!と比較すると面白い。インテリアなどの見た目のデラックスさはワゴンRが勝るが、ESPやエアバッグ(ワゴンRは2エアバッグ)、オーディオ、非常時自動ブレーキなどの装備などではup!が断然優位に立つ。
 走りで比較した場合は、女性ユーザー、地方道を重視した軽自動車とアウトバーンも含めたオールラウンダーを狙ったup!とはまったく異なるのはいうまでもない。
 
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↑5ドア

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↑3ドア

 up!のボディサイズは全長3540mm、全幅1640mm、全高1480mm、ホイールベースは2420mmと、軽自動車よりわずかに大きいだけで、車重は900kg。
 up!のボディは75%が高張力鋼板製で、しかも超高張力鋼板、ホットプレス鋼板が58%に及び、やはりボディの作りは圧巻といえる。もちろん強度・剛性と軽量化を両立させているわけだ。軽量なボディにもかかわらず、静的捻じり剛性は1万9800Nm/度に達し、剛性の高さ、静粛性などもこれまでの常識を打破している。
また1.8mm厚の高強度スチール製のフロント・クロスメンバーの強度・剛性も突出している。
 up!の電動パワーステアはピニオンアシスト式で、2.5Lクラスまでの多くの国産車がコラムアシスト式で苦労しているのと対照的だ。フロントの剛性とこの2ピニオン電動パワーステアにより、直進安定性の高さ、中立でのステアリングの落ち着き、自然な操舵感が実現されている。

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 デザインは、シンプルさ、明快さ、機能性といった要素を重視した工業デザイン的な側面が強く、初代ビートルや初代ゴルフと同様にVWとしてのアイコンになることを意識しているという。ゴルフ由縁の太いCピラー、水平なラインを駆使したフロントマスクなどVWのDNAを採用している。しかし細部を見るとボディ側面のプレスラインで生み出される陰影や張り、彫刻的な美しさが感じられ、同時に寸法的に限られたドアやボディサイドの張り出し面でデザインが意図した彫刻的な面処理を実現する生産技術もきわめて高いと感じさせられる。
 エクステリアで、5ドアと3ドアの識別はリヤ・サイドウインドウ後端の処理が異なり、5ドアモデルは水平に、3ドアモデルは跳ね上がり形状になっている。

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↑up!のサイドウインドウのプレスライン

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↑ワゴンRの同箇所のプレスライン

 
 エンジンは新開発の3気筒(EA211)で、DOHC・4バルブ、排気量999cc、圧縮比10.5で、出力75ps/6200rpm、最大トルク95Nm/3000~4300rpmだ。出力特性は低速型に特化させている。コストを重視したためポート噴射で、バランスシャフトはない。3気筒の偶力振動対策は、優れたエンジンマウントと、エンジンの運動部品の高精度化で対応しているという。
 カムシャフトはベルト駆動、バルブ駆動はロッカーアーム式、吸気カムシャフトは可変タイミング機構が装備される。
 シリンダーはライナー入りのアルミダイキャスト/オープンデッキ構造、エキゾーストマニホールドはシリンダーヘッド一体構造としている。
 エンジン自体は、飛び道具を持たない枯れた技術でまとめら、フリクション低減を徹底し、軽量、低速トルク型、高精度で、燃費と扱いやすさを重視しているといえる。

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 トランスミッションは、ヨーロッパでは5MTがメインだが、オートマチック版としてシングル自動クラッチ/自動シフトのASG(SQ100型)を採用する。専用開発された5速MT(MQ100)はわずか25kgとクラス最軽量で、自動クラッチ&シフトのSQ100は30kgに収まっている。ツインクラッチのDSGは約60kgだから、その半分の重量だ。コスト、重量、燃費の観点からup!にASGを採用したのは必然で、燃費はMTを上回る。
 しかしながら、日本ではこれが一番の争点だ。これまでAMTがまったく定着していない(かつて電磁粉式自動クラッチ、いすずNAVI5、トヨタMR-S、イタリアやフランスのAMTは存在するのだが)ため、業界の関係者の多くはトルコン式AT、CVTと同等の評価点から「ぎくしゃくする」、「変速が遅い」と非難することになる。
 up!のASGに限らずAMTは加速時にはシフトアップのタイミングで一瞬アクセルを戻してやるだけで自動変速させスムーズに走ることができる。なおASGはDレンジではエコドライブ用のギヤシフトがプログラムされている。
 したがってプログラムに拘束されずに走るには、手動でギヤシフトを行う。操作としてはクラッチ操作なしのシーケンシャル・シフトというイメージだ。もちろんダウンシフトでは自動ブリッピングも行われる。

実際にup!の乗ってみると・・・やっぱりVWファミリーであると実感できる。ボディサイズは小さいのだが、乗り味はゴルフなどと共通したフィーリングで、大きなサイズに乗っているような錯覚を感じるし、すぐに体になじむ。
 直進安定性、ステアリングのニュートラル状態でのどっしり感、リニアな手応えなどはさすがといわざるを得ない。要するにこれは長距離を走る場合の疲れにくさに直結する。
 シートもダッシュボードも、一見するとワゴンRに劣るように感じるが、シートのフィット感、ホールド感はじゅうぶん。ダッシュボードなどはシボなどを設けず、むしろボディ同色にすることで待ったく別次元の見せ方があると感じられた。
 驚異的ともいえるのが走行時の静粛性で、これはポロを上回るのではないか。特に100km/hあたりでの静粛さは国産車をかなりリードしているといわざるをえない。
 エンジンは100km/h時で2800回転と、最近のクルマの中では高い回転で走るのだが、エンジンの騒音、振動によるストレスは感じられなかった。燃費は、JC08モード燃費が23.1km/Lで、郊外の道路や首都高速などを走ればこのあたりの数字は出そうだし、誰が乗っても20km/Lは体験できるだろう。

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↑up!のメーター
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↑ワゴンRのメーター up!とサプライヤーは共通

 
 実感として、欧州の高速道路や地方道を、他のクルマに伍して走る能力を持っていることが確認できたが、こうした点が軽自動車や1.3~1.5Lクラスのクルマのユーザー層、つまりクルマを生活ツールとして使用している層にうまくアピールできるのだろうか。本当の国産車キラーになるためにはこの関門をくぐる必要がある。
 だからVWジャパンは、当面はポロと同じような客層をターゲットにしている。
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