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新型アウディA8のボディ、シャシー

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 新型A8(D4)はヨーロッパでは2010年春にベールを脱ぎ、日本でも昨年12月から発売が開始された。アウディは新型A8を、ラグジュアリークラスで最もスポーティなセダンと自称している。
 
 新型A8のボディサイズは、従来型より少しサイズアップされ、全長5137mm、全幅1949mm。全高1460mm、ホイールベース2992mm。Lボディのホイールベースは3120mmとなる。
 A8のボディは初代からオールアルミ骨格&外板のASF(アウディ・スペースフレーム)を採用してきたが、今回は改めて大幅に改良されたボディとなり大きな進化を遂げているといえる。
 開発コンセプトは、さらなる軽量と高強度化であり、ホワイトボディ重量は231kgとなり、通常のスチールボディの約70%の重量に仕上がっているという。
 この結果、4.2Lエンジンを搭載するA8クワトロの車両重量は1835kgと、ライバルより軽量である。(メルセデスS350は1900kg、550は1980kg、BMW750iは2040kg)

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 ASFの骨格構造も進化し、主要なフレームはアルミ押し出し材とダイキャスト材で構成。ルーフやボディサイドなどのパネル材は摩擦接合を採用している。
 A8で使用しているアルミ材は合計13種類におよぶという。真空ダイキャスト材は大入力を受ける箇所に採用されているが、ダイキャストを使用することでデザインの自由度も大幅にアップするというメリットもある。
 また強度と軽量さを特に追求する部位、センタートンネル、フロアクロスメンバー、フロントガラスクロスメンバーなどには新開発の溶融アルミ合金が使用された。
 最も強度が求められるBピラーは、ホットプレス製法で作られた超々高張力鋼板とアルミ材の複合構造を採用したこともASFの注目点といえる。
 アルミ材と鋼板の結合にはセルフタッピングネジが採用され、高速ロボットがネジ止めすることで材質間溶融する。
 A8のボディを製造するにあたり1847ヶ所のセルフピアシングリベット、632ヶ所のセルフタッピングネジ、202ヶ所の溶接、25mのMIG溶接、6mのレーザー溶接、44mの接着剤接合が採用されている。
 ルーフパネルとルーフサイドレールの結合もレーザーシーム溶接され、他車のような継ぎ目カバーがないのが大きな特徴。さらにアウターパネルの公差は0.1mm以下とされ、美しい見栄えに仕上がっているところは競合車を上回る点だ。
 ボディ全体でかなり軽量化を行っているが、静的なねじり強度は従来型の25%、動的ねじり剛性は15%アップとなり、このクラスの頂点に位置している。
 振動騒音対策も一段とハイレベルになり、サブフレームやバルクヘッドの構造を見直したり、空洞部のシールを徹底、さらにマイクロファイバーフリースを吸音材として採用している。
 なお、このASFボディは自動車メーカーのエンジニアが審査する2010年ヨーロッパ・ボディオブザイヤー大賞を獲得している。オールアルミ製であること、従来型より30kg軽量化され、同時に剛性を20%高めたことや新しいアルミ骨格の生産技術が評価された。

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 空力では前面投影面積2.41mで、Cd=0.26を達成。床下の完全フラット化やエンジンルーム通風を見直すことはもちろん、ドアミラーまで徹底的に空力的な改良が行われているのだ。


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  A8はラグジュアリークラスセダンの中で最もスポーティな性格を持つのは、そのシャシーによるところが大きく、正確なステアリングと運動性能、スタビリティ、快適な乗り心地を実現している。
 電子制御システムとしてはアダプティブエアサスペンション、ドライブセレクトを標準装備し、連続可変ギヤ比が可能なダイナミックステアリングを4.2にオプション設定する。
 シャシーのサイズはロングホイールベース、ワイドトレッド、大径ホイールが特徴だが、
このビッグサイズにもかかわらず走り出すと俊敏性、意のままの操舵感、圧倒的ともいえるトラクションを実感することができる。
 まずはサスペンションだが、ラグジュアリークラスの基準となったフロントのオールアルミ製ダブルジョイント式ダブルウイッシュボーン(4リンク)はA8が元祖であり、現在のA8はより横剛性の高い5リンク式に進化してる。このフロントサスペンションは仮想キングピン軸とホイールセンターとのオフセットが最小に設定でき、質感の高いダイレクトな操舵感が実現している。
 このサスペンションの従来型との大きな相違点は、フロントサスペンションの取り付け位置を145mm前進させていることだ。この移動とバッテリーをトランクに搭載することで前後荷重配分を改良しているのだ。
 また1644mmという超ワイドなトレッド幅は、クラス最大。
 フロントサブフレームは、高張力スチール製でX字型補強材を組み合わせて採用し、きわめて高い剛性を備えており、ステアリングの遅れを抑え込んでいる。
 ステアリングギヤのマウント位置はホイールセンターに近い低い位置のサブフレームにに移動され、さらにダイレクト感を向上させた。
 車速感応可変ステアリング、サーボトロニックシステムを持つステアリングのギヤ比16:1で、アルミダイキャストケースに収納されている。またパワーアシストは新開発のベーンタイプポンプを採用し、必要なときだけ油圧を発生させる仕組みで、燃費を向上。

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 トラペゾイダル式リヤ・サスペンションも見直され、トレッドは1635mmに拡大。よりピッチングを抑制するようにジオメトリーも改善された。
 ダンパーストラットは、従来型がアッパーリンクに取り付けられていたのに対し、新型はハブキャリヤに直付けされ、レバー比を30%改善している。
 ばね下重量も軽量化され、2本のトラペゾイダルリンクは加熱処理されたアルミ鋳造材に、ハブキャリアはチル鋳造アルミ材に、トップリンクトタラックロッドはアルミ鍛造材としている。
 リヤサブフレームはハイドロプレスで作られた高張力鋼製で、横方向にリジッドで前後方向にコンプライアンスを持つように液封マウントされる。
 サスペンションはハイレベルのエアサスシステムを装備する。空気はコンプレッサーにより18気圧まで加圧され、容量5.8Lのアルミチャンバーに蓄圧されている。新設計されエア容量を増大したストラットは微小な空気圧力変化でも寸時に応答するように改良されている。もちろん車高制御の機能も与えられている。
 またZF製の4輪独立連続可変ダンパー(CDC)の特性もソフトウエアを改良するなど熟成されているという。

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テーマ : アウディ
ジャンル : 車・バイク

ホンダF1エンジンパーツ

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↑2004年仕様の中空チタン製コンロッド。けっきょくI型にもどした。

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↑2008年仕様ピストン。リングはトップがチタン、セカンドがステンレス。

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↑レーザークラッド・バルブシート。2004年以降。

FT-86のレイアウト、ファイナルデザイン

 スバルはジュネーブショーで、「ボクサー・スポーツカー・アーキテクチュア」、インプレッサ・コンセプト、ヨーロッパ向けトレジアを出展した。

 「ボクサー・スポーツカー・アーキテクチュア」とは、トヨタから出展されている「FT-86 Ⅱコンセプト」のコンポーネンツレイアウトを意味する。
 FT-86の開発・生産を担当するスバルは、水平対向4気ボクサーエンジンをキーテクノロジーにしたスポーツカーレイアウトの優位性を独自の立場からアピールしようという意図である。
 このため専用サイトも立ち上げているのだ。
 さて、発表された写真から様々な特徴を読み取ることができる。

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 これまでは水平対向4気筒エンジンは、縦置きFF、縦置き4WDとして搭載されていため、エンジンに結合される縦置きトランスミッションは内部的にUターン構造とし、トランスミッションの前端部にフロントデフを内蔵した構造になっている。
 したがってエンジン全長はきわめて短いとはいえ、フロンとアクスルより前に位置するオーバーハング搭載となっていた。
 これに対して、FR用に搭載する場合は通常の縦置きトランスミッションと組み合わせるためフロントデフが不要で、エンジンの位置は少なくともフロントデフ分、約20cmていど後退するため水平対向エンジンはフロンとアクスルの真上に来るのだ。(後ほどのスバル発表では240mmとのこと)
 もうひとつ、フロントデフを内蔵したトランスミッションの場合はデフの出力軸、つまりドライブシャフト軸をホイールセンターに近づけざるを得ないため、トランスミッションは傾斜角を持ち、それに合わせて前方のエンジンも前端を持ち上げた角度を付けたレイアウトとなる。
 これに対してFRレイアウトでは、前輪用のデフは不要でドライブシャフトが存在しないため、トランスミッションは低くより水平にレイアウトでき、したがってエンジンもより低い位置に搭載される。わずかに角度が付いているのは、エンジン前端下側の排気マニホールドとオイルルパンをクリアするためだ。
 以上のような点から、水平対向エンジンは従来より後方に、より低い位置に搭載され、直列エンジンよりはるかに低重心という運動性能を重視するスポーツモデルにとって有利なエンジンといえるのだ。(後のスバル発表では120mmダウン)
 これがボクサー・スポーツカー・アーキテクチュアの核心といえるのだ。
 なお、サスペンションはフロントがストラット式、リヤはダブルウイッシュボーン式で、これは現在のインプレッサなどと同じユニットを使用していると見られる。
 FR用縦置きトランスミッションはアイシン製の6MT、6速AT、リヤデフは従来のスバルのデフより容量の大きなマークX用クラスになるだろう。

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 一方、トヨタはジュネーブショーに「FT-86Ⅱコンセプト」を出展している。トヨタはこのコンセプトモデルは、2009年の東京モーターショーに出展された「FT-86コンセプト」をより一歩、市販化へ近づけたデザインスタディとしているが、ほぼ市販仕様に近いファイナルデザインと見てよいだろう。
 トヨタは今後、プロトタイプで熟成テストを行い、今年の東京モーターショーで市販モデルをワールドプレミアする予定としている。しかし、やっぱりこのフロントマスクか・・・
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