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トヨタの環境技術開発戦略

 これまで、日本の自動車メーカーでは日産グリーンプログラム、7月のホンダの環境技術ロードマップの発表に続き、マツダのSKYACTIVコンセプト発表などが行われてきたが、このほどトヨタも「環境技術開発戦略」を公表した。
 これらの技術戦略の公表は日本のメーカーはあまり積極的ではなかったと思うが、現在は投資系シンクタンクによる企業格付けや成長性判定などに影響を与えるために、このような企業プレゼンテーションは重要という認識が持たれるようになったのだろう。
 
 
 トヨタの戦略は、従来の内燃エンジンやトランスミッションの改良、すなわち基盤技術も今後追求し、新可変動弁システム、ダウンサイジング、スタート&ストップの採用を行うとしている。
 ただ今回は具体的な内容は提示されなかった。トヨタはエンジン機種が多く、海外生産も多いため、新技術の採用やエンジンの切り替えに時間がかかるため、ロードマップを提示しにくいという事情もあるのだろう。
 その一方で、他社に先駆けて実用化したハイブリッドカーは環境技術において重要視され、3代目プリウスの登場以来、つまり2009年以降はハイブリッドカーのメインストリーム期を迎えてと考えている。

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NH電池

 したがって今後もTHSⅡを採用したハイブリッドカーを拡大し、12年までに新型車とモデルチェンジをあわせて11車種を投入するという。
 この中にはコンパクトサイズのハイブリッド専用車も含まれ、燃費は10・15モードで40km/Lを目標とするとしている。
 ハイブリッドカーを支える要素技術としてモーター、パワーコントロールユニットの性能向上、ニッケル水素電池の進化・性能向上も大きな比重を占め、中期的にはこれらを組み合わせたTHSⅡが採用され続ける。

 
 一方、急激に世界の潮流となりつつあるEVは、リチウムイオン電池が大きな制約となると考えているようだ。
 その理由は航続距離とリチウムイオン電池の価格にある。
 当然ながら航続距離を伸ばすためには大容量の電池を必要とし、その大容量のリチウムイオン電池のコストはきわめて高いため、EVは航続距離100km以内といったレベルに限定する考えだ。
 現在、試作されているiQ・EVは航続距離105km、搭載するリチウムイオン電池は約11kWhとされている。

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 一方でテスラー社との共同開発によりRAV4・EVは12年にアメリカ市場に導入する予定で、実走行で160kmていどの航続距離を考えている。テスラーのように300kmを越える航続距離は考えていない。
 トヨタはリチウムイオン電池の価格については、今後量産化が行われるとしても経産省の提唱するような価格ラインに到達できるとは思っていないと思う。
 また、EVで航続距離を確保するレンジエクステンダーについても、THSⅡを採用したプラグインハイブリッドに劣るとしている。

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 トヨタはすでにプラグインハイブリッド、PHVプリウスのリースを行っているが、その実証により、EVに迫る燃費を実現しているという。計算では、内燃エンジン車に比べ、ハイブリッドは約50%燃費向上、PHVではさらに24%(EVモードでの走行・約20km分)でき、THSⅡを採用したPHVでEVに対抗できると考えているようだ。またPHVであればスマートグリッド構想にも組み込むことができるのもメリットとしている。
 ただし、PHVでは現状で、HVの4倍の容量を持つリチウムイオン電池を搭載しており、この電池価格は300万円近いレベルにあることはネックである。
 PHVの市販目標としては12年初頭に、グローバルで年間5万台販売を想定しており、その時点で車両価格は300万円(補助金なし)ていどとしている。つまり、リチウムイオン電池の価格を約1/3程度まで下げるめどは立っていると見てよいだろう。
 
 次のステージはゼロエミッション車の比較である。航続距離で比較すればEVは短く、FCV(燃料電池車)は長くできる。システムコストの比較では長距離走行になるほどFCVのほうが優位となる。

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 しかしながら、FCVは1台1億~3億円といわれているが、現状の開発段階では当初の1/10、つまり1千万から3千万円といったレベルまでコスト段されているというが、少量生産での市場導入の段階での目標コストは1/20、1千万円を切る価格にすることだという。
 量産体制を整え本格普及を目指すにはその時限からさらに大幅なコストダウンが求められることはいうまでもない。
 ちなみにトヨタ社内生産のもと、FCスタックの自動組み付けや高圧(70MPa)水素タンクの高速炭素繊維巻き付けなど生産技術の先行開発も行われているという。
 FCVの市場導入は、水素供給インフラの展開を見ながら15年頃に実現する計画だという。
 
 いずれにしてもハイブリッドカーで実現したTHSⅡが、PHV、FCVにおいてもコア技術として位置づけられているところが他社とは大きく異なるところである。
 また先進要素技術としてリチウムイオン電池比で1/5といったコンパクト化を目指し、全固体電池、リチウム空気電池などの研究を産学協同で行っており、現時点では初期的な試作が実現しているとしている。

固体電池
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新型セレナのMR20DDエンジン雑感

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 日産セレナがモデルチェンジを受け、4代目のC26型として登場した。基本的にはキープコンセプトで、諸性能を熟成する方針で開発された。
 ただ、新たに付け加えられた要素は「エコ」で、従来のMR20型エンジンを大幅に進化させた直噴エンジンとし、アイドルストップシステムを追加し、燃費を向上させている。
 
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 MR20型4気筒エンジンは、日産、ルノーの共同開発エンジンで、最初は2004年に登場している。
 これまではDOHC16バルブのポート噴射式であったが、今回は大幅に改良し、直噴+アイドルストップを採用。エンジン呼称はMR20DD型になった。
 ボア・ストロークは84.0×90.1mm、総排気量1997ccといった基本諸元は変更されていないが、吸排気カムに可変バルブタイミング機構を装備。直噴インジェクターは吸気ポート下側にレイアウトされている。
 従来(MR20DE)はレギュラーガス使用で圧縮比10.0で、137ps(101kw) /5200回転、200Nm /4400回転の出力であったが、直噴化により圧縮比11.2、147ps(108kW)/5600回転、210Nm/4400回転と、パワー、トルクともにアップ。低速トルクがアップしている。
 また吸排気可変バルブタイミング機構の採用(従らは吸気側のみ)で、低負荷域ではミラーサイクル運転を行う。低フリクション化では、DLC皮膜リフター、カムシャフトやチェーンの面粗度向上、省燃費オイルの採用などが行われている。
 トランスミッションは従来通りの中型CVTを継承。アダプティブシフトコントロール、CVTフルードウォーマー、停止時ニュートラル制御などを加えている。
 もちろんCVTの変速制御も、より燃費重視のセッティングだろう。
 結果的には10・15モード燃費で、13.2km/L→15.4km/L(最廉価ブレードのアイドリングストップなしで14.4km/L)に向上している。もちろん現時点ではクラストップの燃費だ。

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 アイドルストップシステムも、マーチ用よりさらに進化させて採用した。日産はかなり速いテンポで全車種アイドリングストップ化を進めるようだ。
 セレナのアイドリングストップの特徴は、エンジン再始動時にはスターターモーターではなくECOモーターを使用するという点だ。ECOモーターとは何か。名称からは想像できないのだが、なんとEnergy Control motorの頭文字だそうだ。
 で、その実態はオルタネーターを再始動モーターとして使用し、つまり補機ベルトを使用してクランキングを行うようになっている。
 同時に直噴エンジン、専用クランクセンサーを搭載することで、初回の圧縮工程の気筒への着火が可能となり、エンジン再始動時間をさらに短縮し、最始動0.3秒(ブレーキペダルオフからアイドリング回転までの到達時間)は現在のアイドリングストップ車の中では最速だという。
 通常のポート噴射エンジンでは、1番シリンダーの圧縮上死点を2回確認(つまり2回転)して着火する制御ロジックが一般的だが、おそらく高精度クランクセンサーにより1回目で着火させるシステムのようだ。
 ECOモーターによりベルトでクランキングを行うため、スターターモーター作動音がなく、再始動がより静粛で自然な感覚になるのもこの方式のメリットだろう。
 なお通常の始動時はスターターモーターでクランキングを行い、エンジン暖機後のアイドルストップ再始動時のみこのECOモーターを使用するということは、ECOモーターの駆動トルクはあまり大きくないと思われる。
 バッテリーは、アイドリングストップ用の専用特性&サイズで95Ah。アイドリングストップシステムは起動時にはバッテリー容量も確認するため、非アイドリングストップ車用のバッテリーでは容量不足と判定されるケースもありえる。
 なおECOモーターは減速時にはエネルギー回生発電を行うが、日産はなぜかあまりこの点は強調していない。

ジュークターボの新技術 直噴ターボエンジンとトルクベクタリング付きALL MODE 4×4-i

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 11月2日、日産ジュークに新開発4気筒ターボエンジンを搭載した16GTが追加された。
 ジュークは今年6月に発売されたBプラットフォームを使用したコンパクトサイズのクロスオーバースポーツ・モデルで、これまでは新開発の1.5L自然吸気のHR15DE型エンジンのみの設定だった。HR15DE型は1気筒あたり2本のインジェクターを備え、各吸気ポートの壁面への燃料付着を低減した新技術を採用して話題になった。
 しかしジューク本来のコンセプトは、よりスポーティなクロスオーバーカーであり、SUV的なイメージを否定するために、もっと強力なエンジンが本命視されていた。
 その本命エンジンを搭載したのが16GTなのだ。そして16GTには4WDモデルも追加され、従来の技術であるオールモード4×4に、日産初のトルクベクタリング機能を追加している。


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 新たに採用された1.6LのMR16DDT型ターボエンジンは、HR型と同様にルノーと共同開発されたシリーズであり、1.6Lは下限の排気量だ。
 開発コンセプトは、ダウンサイジングと高出力の両立を狙っており、2.5Lエンジン相当の出力を発揮し、燃費は1.8Lエンジンなみとされている。
 MR型エンジンは、これまで1.8L版は84.0×81.1mm、2.0L版は84.0×90.1mmというボア・ストロークであったが、MR16DDTは79.7×81.1mmで最もスモールボアになっている。
 直噴システムを初採用し、さらに小型ターボを組み合わせて190ps/5200回転、240Nm/2000~5200回転という出力、トルクを引き出す。
 つまり、全域で低回転化がはかられ、最大トルク回転域は2000~5200回転とワイドはフラットトルク型になっている。

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 このため組み合わされるCVT(JATCO中型用)は、より高いギヤ比を選択して走行できる。なおこのCVTはマニュアル変速時シンクロレブコントロール付き。
 
 動弁システムはチェーン駆動カムによる16バルブで、旧排気カムの両方にCVTC(連続可変バルブタイミング機構)を装備する。排気側にCVTCを装備することでエキマニ直下にレイアウトされたターボへの排ガスの流れをスムーズにでき、より低速のトルクとレスポンスアップができる。また当然ながら低負荷域ではよりスロットルが開くようにバルブの開きが制御される。

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 バルブ駆動は直動式だが、カムフェースはナノフィニッシュ、つまりほぼ鏡面加工とし、バルブリフター側はDLC皮膜として潤滑性と平滑性を高め、動弁系フリクションを低減。
また、バルブスプリングはビーハイブ型(たけのこ形)バルブスプリングを採用。これは、リテーナーの小径・軽量化と、定数を下げスプリングの線間密着を防ぐというふたつの手法で摩擦抵抗を低減する。これまでではバイクのエンジンやランサーエボのエンジンなどにも採用実績がある。

 燃料直噴は、インテークポート下側から燃焼室に噴射するレイアウトだ。インテークポートはタンブル(縦渦)流を生成する絞りの強い形状で、エンジン始動直後は点火プラグ付近で成層燃焼を行う。点火時期を遅角させながら成層燃焼をさせることで排ガス温度を高めるのだ。
 暖機後は、通常の均質燃焼が行われる。圧縮比は9.5で、恐らく最高1バールほどの過給圧をかけるため、排気バルブはナトリウム封入式、ピストン・オイルジェットなどを採用し冷却性を高めている。

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 ジュークはこれまではFFモデルのみであったが、16GTの登場と同時に、4WDモデルの16GT FOURが新設定された。4WDシステムは日産の従来からのシステムであるオールモード4×4iを継承しているが、今回はさらに後輪左右のトルクベクタリング(トルク配分制御)機能を追加している。
 オールモード4×4-iはアクティブトルクスプリット式で、リヤデフ直前に電子制御多板クラッチを配置。走行状況により多板クラッチの圧着力変化により後輪へのトルク配分を決定する。スイッチで「2WD」を選択すると100:0、「4WD」(ロック)選ぶと50:50に固定されるが、4WD-V(オートモード)では約100:0~50:50の間で自動制御される。もちろん乾燥路でも発進時から巡航時まで後輪にトルクは配分される。

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 今回追加されたトルクベクタリング機能付きの場合はリヤのデフケースの左右にそれぞれ電子制御多板クラッチを備えている。
 そして、走行状況に合わせて後輪左右の駆動トルクも100:0~0:100の間で自動配分される。前後輪のトルク配分と同様にリヤ左右輪のトルク配分も、操舵角や車輪速、ヨーレート、G、アクセル開度情報から走行状況、車両の姿勢(アンダーステア、オーバーステア)、路面の状態を判定し、操舵角やタイヤグリップ力にふさわしい目標ヨーレートになるように、リヤ左右輪の間のトルク配分が変更させる。

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 効果としては、通常のコーナリングでは旋回外側の後輪により多くのトルクを配分することで曲がりやすくし、もし後輪のグリップが低下してオーバーステア傾向になると旋回内側輪により多くのトルクを配分する。
 そのため、コーナリングでレスポンスよく曲がり、アンダーステアを抑制。レーンチェンジでもレスポンスよく安定した車両の動きとなる。

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 トルク配分の状態はメーター内にトルクベクタリングの配分を走行中にリアルタイムで表示できる。
 なお、このトルクベクトル付ALL MODE 4x4-iシステムは、同等の機能を持つ他社のシステムと比べ、最小・最軽量というが、ハルデックスのクロスドライブもほぼ同等ではないかと思われる。
 いずれにしても確かにメカニズムはきわめてシンプルであり、他車種への展開性も高い。
 なお、FFモデルがトーションビーム式リヤサスペンションであるが、当然ながらトルクベクトル付ALL MODE 4x4-i搭載の16GT FOURのリヤサスペンションはリヤはマルチリンク式サスペンションになっている。

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