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2010ニュルブルクリンク24時間レース エントリーリスト

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 5月13~16日、ニュルブルクリンクで24時間レースが開催される。
 このほど第1次エントリーリストが発表された。

エントリーリスト(PDF)
*出走リスト(最終版)

*予選結果


 ポルシェ社のサテライトチームからは911GT3-R以外にGT3-Rハイブリッドもついに参戦。このハイブリッド・ポルシェはレース用にチューニングされ大いに見ものである。
 ニュルブルクリンクレースに力を入れているアウトンマーチンはユーザーチームが多数参戦している。アウディR8-LSM、TTS、トヨタ・レクサスLF-A、VWシロッコ(CNGガス燃料)、セアト、BMWなどはいずれもワークスチームだ。BMW本社チームからはM3(E92)が参戦するが、これは何か隠し玉モデルのようだ。
 総合優勝は、ポルシェ、アウディで熾烈な戦いになるはず。これにBMW本社チームがどのようにからむか。
 日本からは、レクサスLF-A(例によってGAZOOチームから)が2台。現地ドライバー組と日本人組の2台だが、チームのメカニックなどはこれまでのようにトヨタ社員ではつらいかな。
 スバル・インプレッサWRX-STIも新体制で参戦する。今回のレース車は初のSTI製作しで、市販モデルベースながら軽量化やサスペンションの最適化(低重心化+ピヴォットの変更)を行っている他、WRC経験を生かしたエンジンといった新たな試みを行っている。従来は市販エンジンの出力ダウン(24時間レースのため)だったことを思えばずいぶん進歩している。サスペンション・ストロークを多く、せてぃんぐは柔らかめな店は辰巳さんらしい。
 チーム監督の辰巳さんは、VWシロッコ、アウディTTなどをライバル視している。

 この24時間レースは、ワークスチームから純然たるアマチュアチームまで幅の広さが特徴であったが、近年はトップクラスのスピードが著しくアップしているので、安全のためにアマチュアチームはカットされる傾向にあるが、それでも150番台以降のアマチュアチームも健在だ。

 なお最終的なエントリーリストは5月初めに発表される予定。

 http://adac.24h-rennen.de/en/
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セーリング制御


 近い将来に発売されるVW、アウディ、ポルシェのハイブリッドカー、あるいはTSIエンジン車などに「セーリング制御」が採用されると発表されている。
 セーリング制御とは何か?
 
 もともとはドイツ式燃費走法が原型になっているようだ。
 日本では現在でも、ゆっくり加速、早めのアクセルオフ、やわらかいブレーキが省エネ運転法とされているが、とても合理的な運転とはいえない。
 また自動車雑誌などで紹介される省エネ運転も、アクセルオフの時間を長く取る=フュエルカットの時間を長く取るという運転法が定着している。
 しかし、電車や航空機(旅客機)の運転モードを考えると、こちらの方がはるかに合理的であることが分かる。電車は、発進から全力で加速し、所定の速度に到達すると電力をカットして巡航モードに入れる。つまり滑走時間を長く取るのである。減速区間では回生ブレーキを使用し、最後にエアブレーキで停止する。
 旅客機は、離陸すると全力で上昇し、所定の高度に達するとエンジンは低負荷の巡航モードにする。旅客機の場合は全力で急角度で上昇できる能力が高かければそれだけ巡航飛行高度を高くし、空気抵抗を低減することもできる。目的地に接近するとエンジンは出力を絞り、滑空状態で出来る限り長く飛行し、着陸態勢に入るとエンジンの出力をアップする。つまり、いずれの場合も巡航状態の時間を長く取るところがポイントである。
 
 ドイツ式省エネ運転もまさにこれで、所定の速度に到達した後はギヤをニュートラルに入れ、できる限り長い時間をニュートラルで走るのだ。
 つまり加速した運動エネルギーを有効に使用し、できる限りブレーキを踏まない、減速させないで長い距離を走る。
 もちろん普通のクルマの場合は、こうしたニュートラル走行中にはエンジンはアイドリング回転を維持するので、フュエルカットするアクセルオフ走法より燃料消費が多いと思われがちだが、アクセルオフではエンジンブレーキの作用で減速してしまうのに対し、ニュートラル走法ではその何倍も走行できるのだ。
 いうまでもなく、ヨーロッパの郊外の道路環境と日本のようなゴー・ストップが多い環境ではこの運転法の実用度は少し差がある。
 信号の多い都市部ではアクセルオフ走法でじゅうぶんなケースが多くなるが、郊外の道路では日本でも有効だ。
 このドイツ式走法は、ギヤはニュートラルでなるべくブレーキを踏まない、上り坂などで速度が低下した場合はすかさず適正な位置にギヤを入れて、あるいはDレンジにシフトしてアクセルを踏む、といった操作の慣れが必要になるため、少しは練習が必要になる点も注意点だ。
 
 セーリング制御とは、ATやDCTでこうした操作の慣れを不要にする自動制御だ。
 低負荷の巡航状態に入ったと判定されると、自動的にニュートラル、DCTでは2クラッチともオフになる。またハイブリッドカーの場合はエンジンとモーターの間のクラッチを切断する。ハイブリッドカーの場合は、エンジンを停止するのはもちろん、モーター(バッテリー)も使用しないで走ることで燃費を向上させるわけである。
 もちろんアクセルを踏み込めば、エンジンが始動し、クラッチが接続して通常走行に復帰する。
 実用燃費を向上させるためにはアイドルストップシステムと同様に効果は大きいと思われる。言い換えれば通常のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン車でも、このセーリング制御とアイドルストップを組み合わせれば、郊外ではハイブリッドカー並みの燃費にできると思う。

 従来の普通のクルマでも走行中に手動でギヤをニュートラルにすることで燃費を稼ぐことができるが、セーリング制御は自動的に制御されること、ほとんどはアイドルストップ・システムと組み合わされているので、セーリング中はエンジンが停止し、さらに燃費を向上させることができるのが優位点だ。
 
 
 

Fダクトの謎

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↑マクラーレンMP4-25。エンジン用エアインテーク開口部が上下2段に分かれている。この上部ががフラップ用のメインダクトではないか?

 今年のF1グランプリでは、マクラーレンが直線路で速いことが話題になっている。その理由が「Fダクト」を装備しているからだということで、上海グランプリから他のチームも続々とまねし始めたようだ。
 しかしマクラーレンガ先行開発したFダクト(通称)は現在でも謎の装置とされている。
 一体何なのだ?
 
 現在のところ明らかになっている点で考えると、リヤウイングのフラップ部分に対する吹き出しフラップ(Blown Flap)機構といえると思う。
 飛行機の翼に装備されているフラップ(可動翼)は、離着陸時の低速飛行時の揚力を高めるためのせり出し式の翼である。
 このフラップにもさまざまな形式があるが、その中のひとつに吹き出し式フラップがある。大きな角度でせり出したフラップはその背面で気流の剥離が生じ、空気抵抗が増大するとともに揚力も失う。これを防止するため、メイン翼とフラップの隙間に圧縮空気やジェット噴流を流す方式だ。
 もちろん飛行機の場合は大きな角度の付いたフラップを失速させずに有効に稼動させて揚力を増大する役割を持つ。

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↑吹き出し式フラップ
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↑吹き出し式フラップの効果
 
 しかし、マクラーレンのFダクト(チームの正式名称はRW80という)は、直線路の走行でフラップを失速させて、空気抵抗を低減しているという説が現地では主流だ。
 2009年から現在のF1車両規則が採用されているが、従来からの大きな変更点はウイングによる空力効果を抑制することで、リヤウイングは従来の全幅1000mmの翼幅から750mmへと狭められている。
 このためリヤウイングの下向き揚力=ダウンフォースはかなり減少している。しかし、マシンとしては少しでも大きなダウンフォースを確保するため、大型のフラップを45度以上の大角度で装備している。
 したがって高速域での空気抵抗も相当大きくなっていると思われ、最高速も伸びにくいわけだ。

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↑大迎え角での気流剥離(濃紺部)F1はさらに剥離が大きいはず
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↑飛行機の主翼とフラップを上下逆にするとF1のリヤウイングに

 もともとF1は空気抵抗=Cdの低減よりウイングなどによるダウンフォースを重視しており、ダウンフォースによって大きなタイヤのグリップ力を確保しているのが実情だ。これによって4Gを上回るようなコーナリングのグリップ力を稼いでいるのだ。
 しかし翼幅が狭められたために、ダウンフォースを確保するためにはフラップの角度が大きくせざるを得ないので、空気抵抗はいっそう大きくなっているはず。
 もちろん、本質的には走行中の可変角ウイング装置がベストだが、走行中の可変ウイング・システムは規則で禁止されているのだ。過去には、走行速度が高くなりダウンフォースが増大するとフラップの弾性によりたわむタイプもこっそり採用されたが、これも禁止されてしまった。
 
 マクラーレンのRW80は、それに対するひとつの回答といえる。ただ、直線路とカーブの連続する路面で、ドライバーが手動でダクトを切り替えているといわれており(あくまでも推測情報)、これは可変ウイングと同じではないかという疑念があったが、F1協会は合法という判断を下した。
 マクラーレンのシステムは、ドライバー席の直前のボディ上面の左側にタバコ箱を縦にしたほどの小さなエアインテークが設けられているのが注目され、ここからリヤフラップ用のエアを導入しているというのだが・・・

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↑ボディ前部上面にあるエアインテーク

 ボディ上面のこんなに小さな吸気ダクトで、リヤフラップへじゅうぶんなエアを供給できるとは考えられない。
 またこのような場所からリヤの翼部までエアの経路が長くしかも直線ではないからエアの流速は低下してしまうだろう。こう考えると、この前方の小さなダクトがリヤフラップへのエア供給用とはとても考えにくい。
 実は、エンジン用エアインテークの上部にもエンジン用インテークとはセパレートされたエア吸入ダクトがあり、このインテークダクトは一直線でリヤフラップに接続されている。インテークの面積や位置から考え、ここからリヤフラップ用のエアを導入していると考えるのが妥当だと思う。

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↑エンジン用エアインテーク上部にフラップ用エアインテークがある

 エアの経路としては、前部ボディ上面のエアインテークは細い導管を通って、エンジン用エアインテークからのエアとエンジンカバー内部で合流し、エンジンカバー(通称はシャークフィン)の上部を通ってフラップの中央部まで導かれていることは外部からもわかる。
 ここからフラップ内部で左右に分岐され、フラップ裏面のスリットからエアを吹き出すとのだ。こう考えると前方の小型ダクトはリヤフラップへのエア供給用ではなくラム圧センサー的な使い方ではないか?
 本来、この吹き出しフラップを機能させるためには、圧縮されたエアやジェット噴流が必要とされるが、この場合は走行ラム圧のみである。
 ラム圧がじゅうぶんに高くなるとリヤフラップにエアを流す、と考えた方が自然だ。ということは自動制御ではないのか?

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↑フラップ部を後方から見る。水平のスリットからエアが吹き出す。ただし層流ではなく渦流か?

 これまでの現地雑誌などの説明ではフラップをストール(失速)させて空気抵抗をダウン=ダウンフォースもダウンさせるとされているが、もともと剥離して乱流域にラム圧のかかったエアを供給するため、むしろ気流の剥離を抑えることで空気抵抗を少なくしているのではないかとも考えられる。
 しかし吹き出しフラップの原理であればダウンフォースを増大させる方向であり、車速を伸ばすためには有効とは思われないし、そうであれば直線路だけで使用せず、常時使用しても差し支えないのではないだろうか? 
 逆に、フラップ裏面にエアを吹き出し、フラップの抵抗を増大させることなくダウンフォースを低減させるためには、フラップの裏面から細かな渦流を吹き出すことが必要だろう。
 つまりダクトからラム圧のかかったエアを導入しているマクラーレンのフラップの内部にはボルテックスジェネレーターが仕込まれており、裏面のスリットからは細かな渦流が吹き出され、フラップの裏面が層流ではなく乱流にする境界層制御が行われていると考えざるを得ない。
 
 これに対して追従する他チームは、フラップではなくリヤウイングの下面にスリットを設け、エアを吹き出す方式を採用しているケースが多いようだ。これは完全な吹き出し式フラップ、あるいは従来型のリヤウイング下面の空気流速向上を狙っていることになる。これはダウンフォースの増大策でなり、マクラーレンとは逆の効果である。
 どの方式が正解なのかはヨーロッパラウンドに入ると徐々に判明すると思う。

レクサスGX460が危険認定

 アメリカのコンシューマーレポートの自動車テストで、レクサスGX460がダメ出しされ、「このクルマは買うべきではない」という最悪評価となった。これはきわめて異例なことである。
 
 コンシューマーレポート誌は、アメリカの消費者団体「コンシューマーユニオン」が発行する雑誌で、毎月の発行部数は400万部だという。
 http://www.consumerreports.org/cro/index.htm

 コンシューマーレポートは1936年から発行された長い歴史を持ち、またユーザーのための非営利団体の雑誌のため、広告を掲載していないことでも有名だ。その代わりにユーザーは会員になり、会費を支払うというスタイルである。
 あらゆるジャンルの商品テストを行っており、そのために自前の研究所を持っている。そして商品の機能、性能を比較調査し、コンシューマーレポートで発表している。
 そう、戦後の日本で脚光を浴びた「暮らしの手帖」のモデルとなった雑誌である。
 このためアメリカでは、コンシューマーレポート誌の権威、信頼性が高く、特にクルマの評価に関しては定評がある。
 毎年、春に発行される「自動車特集号」は特に人気が高く、信頼されている。各車の評価、安全性、下取り価格などは自動車業界全体に影響力があり、またユーザー層もこれを指針にしているとされる。
 トヨタ車も、アメリカに輸出されるようになるとテストされているが、当初のクラウンの評価などは芳しくなかったが、1970年にはコロナ・マークⅡが良い評価を得て、トヨタは大いに喜んだという。
 今回のレクサスGX460は、ランドクルーザー・プラド(150系)のレクサス版で、専用のエクステリア、インテリアデザインが採用されている。またエンジンはV8の1UR-FE型4.6Lが搭載されている。日本のプラドはV6と直4エンジンのみの設定である。
 
 今回の最悪評価は、約100km/hで中速カーブに進入する際、ステアリングを切ってアクセルオフするとオーバーステアになり、ESP(トヨタ的にはVSCと呼ぶ)が有効に作動しないことを取り上げ、オーバーステアに移行する過程でホイールが路上の突起物に当たると容易にロールオーバー(転倒)する・・・とコメントされている。
 アクセルオフの段階でブレーキは踏まれていないようで、いわゆるタックイン状態でのスピン現象になるものと思われる。動画を見る限り、確かにESPは有効にはいたらいているようには思われない。同誌は、ESPの作動が遅いとしている。



http://video.consumerreports.org/services/player/bcpid1886192484?bctid=77022871001(本家版)

 その結果、消費者に購入を勧めない、買うべきではないと結論している。この評価は10年ぶりで、その当時はパジェロが槍玉に上がっている。
 
 アメリカ・トヨタは、この結果を受けて直ちにレクサスGX460の発売を停止した。ということは自覚症状があったのかな?
 とはいうものの、なぜそうした状態で市場に出てしまうのかが今一つ理解しがたい。もしこれが事実であれば、商品実験が満足に行われていないことになるのだ。
 
 豊田章男社長は、リコール事件以後、社内向けに概略次のように述べている。リコール事件は品質問題と表現しているが、これは品質の作り込み不足と捕らえているのだろう。「過去数年間、急速に事業規模が)拡大してきたがそのスピードが速すぎた、規模の拡大に人材や組織の成長が追いついていなかった」、「何かがおかしい、このままで大丈夫だろうかという(内部の)疑問の声があったにもかかわらず、そこに潜む問題を軽視してしまった」、「長期的な信用は短期的な利益よりはるかに大切」と述べている。その意味では概ね問題の本質は理解されていると思われる。
 ただ、今後は世界各地に「カスタマーファースト・トレーニングセンター」(品質管理職の育成)を発足させるというが、そういう問題だろうか。
 社長自身は、アメリカで品質問題が起きている現地と、それを受け止めて判断を行う日本の本社との温度差を実感したという。だとすれば問題は本社にあるのだが。
 しかし、今年のグローバル会社方針は、緊急課題として「全員が心を一つにしてお客様の信頼を取り戻す」、基本方針として1:お客様の安全安心に関わる品質を何よりも優先し、価格・デザインをを重視したお客様目線の商品作り、2:お客様・地域社会に認められる身の丈に応じた地域戦略の推進(町いちばんの企業たること)、3:社会の発展に貢献する次世代環境・エネルギー技術開発の推進、4:トヨタ復活に向けた収益・業務改革の実行、5:「もっといいクルマを作ろうよ」を実践できる職場作り、人作り・・・はいささか凡庸だ。
 その一方で新規に組織された「グローバル品質特別委員会」は、北米、欧州、中国、アジア・オセアニア、中近東・アフリカ・中南米という各地域のチーフ・クオリティ・オフィサーと、社内の各部署の代表者が出席して発足された。
 ここではまずは「お客様の声をしっかり聞くこと」を最優先に、リコールのなどの処置を迅速決定する、情報収集力の強化(イベントレコーダーの使用環境整備服務)、タイムリー・的確な情報開示、製品の更なる安全性と安心の向上(ブレーキオーバーライドの順次採用)、人材育成(カスタマーファーストセンター設立)などが決定された。
 また、この特別委員会とは別に、部長会や組合、仕入先などが出席した「オールトヨタ
緊急ミーティング」で、内山田副社長は「今回(リコール事件)の課題は、お客様の苦情をはっきり把握できなかったこと」だとし、市場で何が起きているかを早期に把握する、ネットの書き込みなども常時チェックする、クルマの動的性能の問題についてはゲンシャ確認チームを設置する、問題を未然に防止するために現地現物に基づく開発に立ち返ることが重要と述べている。
 また佐々木副社長は、「モノ作りの努力は間違っていなかったが、お客様や関係者に対してじゅうぶんな説明責任や透明性の確保をはたせなかったことが問題だ」とし、「社外に対してより分かりやすい仕組みに変えることが重要だ」と語っている。内山田氏は、G21プロジェクトにかかわり初代プリウスの開発責任者、佐々木氏は生産技術エンジニア出身で、現在は品質保証担当取締役である。
 
 印象としては、リコールなど不具合に対する対応力を向上させることや、情報伝達速度の向上などに重点が置かれており、副社長の言葉のようにクルマ作りそのものの本質的な課題についてはそれほどだ危機感を持っていないように感じられる。

 トヨタは4月20日に、レクサスGX460、ランンドクルーザー・プラドのVSCのリコールを発表した。コメントによれば
同車は燃料タンクが左側にあり、左ハンドル車では、重心が左寄りになる。このため車両傾斜制御(KDSS)とVSCが採用された車両で特に18インチタイヤ装着車はVSCの効きが弱まるときがある。
 これらの条件に該当する車両は、速度超過状態でカーブに進入したり、高速で大きくステアリングを切るなど「高度な運転技能が必要となる走行状態において」VSCの効きが弱く右旋回でリヤがスライドする。
 輸出向けレクサスGX460=1万3000台、プラド=2万1000台をリコールし、VSCのプログラム修正を行い、VSCの効きを強化する。

トヨタ・ハイメカツインカム

 日本の自動車メーカーで、エンジンのDOHC化に早期に着手したのは、トヨタだった。トヨタ初の本格的なスポーツカー、2000GT(1967年)では、量産とはいえなかったが3M型、6気筒2.0LのDOHC・12バルブ・エンジンを世に送り出した。ただし、ホンダはさらに早く1963年にT360、S500という小排気量の4気筒DOHC8バルブエンジンを搭載したモデルを発売している。これはオートバイメーカーから自動車メーカーに規模を拡大しようとしたホンダのチャレンジ・エンジンであったが、ニードルローラーベアリングの採用やオートバイ譲りのキャブレターなど、多分にオートバイ的な性格であり、生産数も多くなかった。
 また1.6L・4気筒のDOHCエンジンはいすずべレットGTtype R(1969年)が、さらに同じ69年に日産スカイラインGT-Rが国産初の6気筒2.0L・DOHC24バルブのS20型エンジンが搭載された。S20型はレーシングカー、R380用のエンジンを市販化したものだ。
 これらのDOHCエンジンは、実際にはごく少量生産のハンドビルドであり、本格的な量産エンジンとはいえなかった。
 その後、トヨタは1970年に1.6L・4気筒エンジンをDOHC8バルブとした2T-G型をセリカ/カリーナに搭載して発売。この2T-G型が日本における事実上の量産DOHCエンジンとなる。
 それまでのDOHCエンジンの位置付けは、高性能かつ高級なGTモデルやレース用のホモロゲーション・エンジンとされ、きわめて高価であった。
 これに対して2T-G型はそれまでよりはるかに普通の価格で実現された。したがってマニア層の間では高級・精緻なDOHCエンジンのイメージを突き崩したかのような感想も少なくなかった。
 しかし2T-G型エンジンの意義は大きかった。
 戦後のトヨタのエンジンは、クラウン、コロナに代表されるように一貫してタクシー用のエンジン作りをイメージしており、そのため1957年~60年にの対米輸出に挑戦したクラウンは出力不足が深刻で、信頼性が高いという国内での定評とは大きく異なる評価とな理、輸出も挫折した経験を持つ。
 こうした背景を考えると、2T-G型はトヨタのエンジンのイメージを大きく変える存在といえたが、排ガス規制の登場により、ソレックス・キャブレターを装備したDOHCエンジンは排ガス規制の時代を生き抜くことはできなかった。
 
 53年規制といわれる排ガス規制をパスするために、日本の自動車メーカーは新型エンジンの開発どころか、旧型エンジンのラインアップを縮小し、対策技術の開発に追われた。
 各メーカーごとに曲折はあったものの、この過程で燃焼解析の技術が大きく進展した。
また対策初期には低速燃焼が追求されたが、最終的には燃焼速度の向上、急速燃焼が追求されるようになり、これはトルクや燃費の向上にも効果があることが明確になった。
 しかし現実には、53年規制と呼ばれる排気対策エンジンは低出力、低レスポンスのエンジンばかりであった。
 これに対して、トヨタはユーザーにより満足度の高い、軽量、高出力、ハイレスポンスのエンジン開発を急ぐことになった。これがレーザーエンジン・シリーズである。
 小型軽量、高性能、低燃費、低騒音、優れた応答性、メンテナンスフリーを設計の柱とし、従来の信頼性一本槍のエンジン開発から脱却し、3A型、1G型、1S型エンジンなどいわば車種専用エンジンの開発を行った。これはタクシー用エンジン作りからの脱却と社内では位置づけられたという。また片目ではスポーツイメージが強かったホンダのエンジンの存在が意識されたともいう。
 新エンジンはボアピッチを縮めて小型で軽量のシリンダブロックにし、運動部分は特に新設計として、さらに追随性の優れたキャブレターを採用している。
 1S型エンジンがデビューした時点で「LASRE」(Light-weight Advanced Super Response Engineの略)と命名された。
 ちなみにレーザーエンジンは、メンテナンスフリー化も目標の一つで、プラチナ電極プラグが標準装備化されている。
 また1G型は世界一の軽量コンパクトな直列6気筒エンジンとして、突出した存在となった。このようなエンジン革新の過程で、より高出力をアピールしたGTカー、ソアラ用のエンジンとして5M-G型6気筒エンジンでDOHC化が行われた。1981年に発売されたソアラは、排気対策エンジンのイメージを一新する高性能なスポーティカーとして成功した。
 この5M-G型は、上級の直列6気筒という位置付けとされ、ベルトドライブ、油圧ラッシュアジャスター付きのDOHC・12バルブとされた。画期的な大出力を意識したエンジンである。
 しかしソアラと相前後して日産からは直列6気筒エンジンにターボを装備した高出力エンジンが登場するにおよび、トヨタはターボよりDOHC・4バルブによってレスポンスと高出力を両立させる方向に舵を切った。
 もっと高出力で、ハイレスポンスで、燃費とも両立できるエンジンエンジンとしてDOHC4バルブが検討されたが、社内では4バルブは、部品の数が増えてコストが上がり、2倍のバルブ調整をすることになり、市場へ出てもメンテナンスが不安だという声が多かったという。
 しかし当時のエンジン設計部は、市場調査の結果、バルブシートはいわれるほど磨耗しておらず、バルブシートの耐摩耗性を高めればバルブ調整は不要になると確信した。また工場での組立工数の増加に対しては自動組立化を行えば問題は解消できると考えた。部品点数は、DOHC4バルブ化ではロッカーアームの廃止などを行えること、動弁系の部品が小型化できることなどを考慮すると、大きなコストアップにはならないと考えた。
 こうした狙いの下で、4バルブ化された1G-G型6気筒、4A-G型、3S-GE型4気筒エンジンが実現した。

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 これらのDOHC4バルブエンジンは、高性能スポーツエンジンとされ、シリーズ名はレーザーαとされている。もちろん、DOHC4バルブというメカニズムを備えた量産エンジンであり、いわゆるレース用の高出力・高回転タイプの4バルブ・エンジンとは狙いが異なっている。量産化の前提には、4バルブのシリンダーヘッドの自動組み立てが実現していた。シリンダーヘッドの自動組立は、気温管理された専用スペースで、目標バルブクリアランスになるように自動計測をフィードバックさせたタペットシム選択が行われるというもので、それほど大掛かりな生産設備ではなかったが、この時点で世界のどの自動車メーカーも実現できていなかった。
 また、シムとバルブシートの硬度(耐摩耗性)を比例させることで、30万km以上走行してもバルブクリアランスの再調整は不要という、従来のDOHCエンジンの常識を覆している。
 4バルブ化にあたっては、社内では信頼性の不安と同時にコストアップの懸念が大きく、当時の豊田英二社長も最初は否認したが、プロジェクトを推進する金原淑郎取締役の性能向上代とコストの見積もりの再提案を見て了解したという。
 結果的には、4A-G、3S-G、1G-G型エンジンの市場評価は高く、特に1G-G型が、世界一軽量コンパクトで、しかも高性能エンジンとして再度、世界に大きなインパクトを与えた。日産でも1G-G型エンジンの登場により、DOHC4バルブの量産化実現の必要に迫られた。
 
 しかし4バルブ化のトヨタ・インパクトは、このレーザーαエンジンよりさらに後のエンジンでより大きなものとなる。
 レーザーαエンジン・シリーズは、DOHC4機構によりバルブ排ガスや燃費の向上と、パワー、ハイレスポンスの両立などを狙ったスポーティ・エンジンを狙っていたが、この技術をベースエンジン、つまり実用エンジンに採用し、低中速でのフラットトルクの確保、燃費、排ガスの性能向上を目指すという画期的なコンセプトがエンジン設計の小西正巳部長を中心として提案された。
 このコンセプトは、DOHC4バルブという技術を大量生産し、一般ドライバーの使用にも耐える信頼性があり、コスト面でもネックにならないことを前提に、カタログ馬力を重視する悪習から離れ、実用トルクを重視したエンジンを狙った。

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 その背景には、長年の排ガス研究の過程で、エンジンの燃焼速度を高めることでトルクも、燃費も排ガス性能も向上するという核心が明確になり、そのためには、点火プラグの燃焼室中央配置、コンパクト・ペントルーフ形燃焼室、フラットな形状のピストン冠面が理想的であり、これはDOHC4バルブ化によって実現できると考えた。
 コンパクトなペントルーフ形燃焼室は、SV比(燃焼室表面積比)を高める、つまり冷却損失を少なくすることができき出力にも燃費にもメリットがある。
 またDOHC4バルブは、動弁部が軽量・シンプルで剛性が高いというメリットもあった。
 コンパクト・ペントルーフ型の燃焼室にするためには、吸排気のバルブ挟み角を小さくする必要がある。
 一方、過去のDOHCエンジンは、吸排気のバルブ面積を最大とするためにバルブ挟み角を大きくすることが常識とされており、レーザーαエンジンでは、4A-G型が50度とやはり大き目の挟み角である。この挟み角の大きさが高出力を狙った設計であることがわかる。
 これに対して、新コンセプトでは22度ていどの角度にすることが想定された。当然ながらバルブ/ポート面積は制限を受けるが、むしろ低中速を重視すれば、吸気バルブ、吸気ポートが狭い方が実用域や低負荷での吸気流速を高めることができる。
 もうひとつ、狭いバルブ挟み角では吸排気のカムシャフトのプーリーが干渉するという問題が発生する。これを解決するために多くの方式が検討されたが、最終的には吸気側プーリーをベルトで駆動し、排気側カムは吸気側ギヤで駆動する、いわゆるシザースギヤ方式が採用された。バルブ駆動はカムシャフトによる直動式で、バルブクリアランス調整はレーザーαシリーズ同様にアウターシム式としている。
 軽量・コンパクトで、しかも高出力ではなく実用域の性能を重視したDOHC4バルブという画期的なコンセプトのエンジンは、ハイメカツインカムという名称が付けられた。
 その第1弾は3S-FE型(1986年)で、その後はV6の1VZ-FE型、5A-FE型と続いた。
 
 ハイメカツインカムの要点
 ・コンパクト・ペントルーフ型燃焼室の実現(吸排気バルブ挟み角をできる限り縮小。  コスワースのレーシングエンジンはこの燃焼室であったが、直4、V8ともにビッグボ  ア、ショートストロークのため、バルブ挟み角が狭くてもバルブ面積は大きくできた。  これに対してハイメカツインカムは、バルブ面積は狭くなるが、実用域ではむしろ吸  気流速の向上につながる)
 ・中低速トルクを向上させるために、ロング吸気管、スワール流を併用。
 ・点火プラグの燃焼室中央配置。点火プラグは10万km無交換。
 ・カムシャフト駆動はベルト+シザースギヤ。
 ・バルブ駆動はシンプルな直動式。バルブ隙間調整はアウターシム式。直動式はロッ   カーアーム式より剛性が高い。
 ・バケット頭部のシムとバルブシートの硬度を高めるとともに磨耗量を同等とし、30万  km以上の耐久性。
 ・以上のような構成で、低負荷、低回転時の燃焼速度を向上を重視。
 
 自動車雑誌やマニア層は、この画期的なコンセプトの意味は理解されず、低出力のDOHCエンジンと考えられた。つまりレーザーαエンジンと同様のメカを持つものの存在価値の低いエンジンと考えられたようだ。しかし、技術的な信念に基づき、思い切った舵取りができたことは評価に値する。
 そして、こDOHC4バルブというスポーツカーエンジンのメカを採用しながら実用エンジンで低中速トルクの向上や燃費、排ガスに性能を指向するという発想は、他の自動車メーカーには大きな衝撃を与えた。
 エンジンメーカーを自認するBMWですらSOHCが全盛で、DOHC4バルブはハイエンドのモータースポーツエンジンと位置づけられていた。
 ただし、トヨタ以外の自動車メーカーは、DOHC4バルブの量産化を実現できたのは90年代に入ってからであった。それは、製造面での課題、DOHC4バルブのシリンダーヘッドの自動組付けを実現できるまで時間を要したといえる。
 またバルブクリアランスの組み付け時の自動選別組立工程ができないメーカーは、しばらくの間、コストの高い油圧ラッシュアジャスター(HLA)を使用せざるを得なかった。コスト以外にHLAは油圧室に空気が混入するとクリアランスが不正になり異音が出る、バルブ系の重量が増大し、高回転側は7000回転が上限になるなど、直動式として使用するにはデメリットが大きい。
 結果的にはトヨタのハイメカツインカムが、全世界の自動車メーカーのエンジンをDOHC4バルブ化させる引き金になったのだから、その歴史的な意義は大きい。
 コンセプトを確立し、追及したことも大いに評価できる。ただ実際のフィーリングはがさつ感があったことも事実である。
 また、当時のトヨタはシリンダーブロックのアルミ化には腰が引け、オールアルミ化では出遅れたのも興味深い。90年台頃まではアルミ化には否定的だったが、90年代後半からアルミ化を行った。
 ただし、近年のトヨタはエンジンの摩擦抵抗の低減、つまり燃費を狙って、直動式からローラーロッカーアーム式に変更し、一部エンジンではHLAが復活しているのは興味深い。
 
 
 
 
 
  
 
 

エルク・テスト

 へら鹿テスト、現地風にいうとエルク(elk=へら鹿)テスト、英語ではムース(moose=へら鹿)テストと呼ぶ。このエルク・テストはスウェーデン、ドイツで実施され有名になっている。特に1997年にメルセデスAクラスのデビュー時に、スウェーデンで行われたエルク・テストでAクラスが転倒し、この結果ベンツ社はAクラスの発売を延期し、サスペンションの再チューニングとESPの標準装備化を行ったことでこのエルク・テストは一躍有名になった。
 
 エルク・テストは、数十年以前から行われていたようである。このテストを実施したのは、スウェーデンの自動車雑誌「テクニッケンワールト」(英語名=World of Technology http://www.teknikensvarld.se/)である。この自動車雑誌は、スウェーデンの大手メディアグループの刊行誌のひとつ。この雑誌の寄稿者であるジャーナリストのロベルト・コリンエルク・テストが発案者である。コリンはメルセデスAクラスのテスト後、ドイツで取材に応じ、この結果ドイツでもエルク・テストがよく知られるようになった。

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↑ロベルト・コリン

 なぜ、へら鹿テストなのか?
 北欧や北米のカナダ、アラスカの針葉樹林に生息するへら鹿は、鹿の中では最大の大きさになり、成長すると体重は600kgから800kgにもなる。この子牛ほどのへら鹿は夜間に道路に出現し、クルマが接近しても逃げず、またクルマ側から見ると体毛が黒褐色のため、街路灯のない道路では発見が遅れやすいのだ。北欧の道路は、夜間はヘッドライト以外に明かりのない漆黒の闇の中を走るケースが多く、また森林地帯では見通しの効かないブラインドコーナーが多区、これも発見が遅れる理由となっている。

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↑北欧、ロシア、アラスカ、カナダに生息するへら鹿

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↑路肩の注意標識

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↑クルマとへら鹿の比較。オスはもっと大型。

 道路に立っているへら鹿の発見が遅れ、クルマが衝突するとバンパーでへら鹿の脚部をすくい上げ、800kgもの巨体(軽自動車よりやや軽いていど)がフロントガラスを直撃する。このためドライバーは深刻な被害を受けるのだ。衝突状況によってはエアバッグも展開しないことが多いという。
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↑へら鹿の脚が長いため衝突するとバンパーやボンネットではなく、フロントガラス、ルーフが直撃される。

 こうした道路事情のため、スウェーデンの自動車誌が夜間の道路でのへら鹿を緊急回避することを想定したテストを実施したことは頷ける。つまり日常で発生する可能性が高い緊急回避運転での安定性をチェックするという狙いである。
 テストの想定は、夜間でへら鹿の発見が遅れたため、ステアリングを切って回避するという条件だ。夜間の走行スピードが高く、鹿の発見が遅れたため緊急ブレーキでは間に合わず、ステアリングを急激に切って回避する。なおかつその道路は地方道を想定しているため道幅は対向2車線。このため急激に切ったステアリングは直ちに急激に切りもどして車線に復帰させないとコースアウトしてしまうというダブル・レーンチェンジの操作となるわけである。
 またテスト車は、定員乗車(バラストを積載する)、ラゲッジスペースにも荷物を積載したフルロードの状態で行われる。(ただし、1名乗車でのテストも実施されているようだ)
 このように見ると、速度の高い状態でのきわめてシビアなテストであることがわかる。
 なお、2000年頃には日本の自動車メーカーではこのようなテスト行われていなかったため、ヨーロッパでエルク・テストが普及しつつあることを知った日本の自動車メーカーはパニック状態になったそうだ。
 ドイツは、メルセデスAクラスの事件以来このエルク・テストは有名になり、ドイツでもこのテストは重視されるようになっている。また、VWの各国セールスマンのアウトシュタットでの本社研修では、セールスマンに必ず簡易エルク・テストを体験させESPの有効性を訴求するのが定着している。
 テスト方法は各国自動車メーカーが討議してISO標準化が行われ、アメリカでもNHTSAがテストを行うようになっており、もちろん日本の自動車メーカーでも行われている。

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↑エルク・テストのコース設定
 
 テストは乾燥した標準的な舗装路で行われる。パイロンでコース取りを行うが、そのコース設定(特にコース幅)は、テストモードにより微妙に異なるが、いずれにしても車体幅より50cmから1mていどの広さの幅(したがって通過する道幅は約2.5mときわめて狭い)にされる。進入路、第1レーンチェンジ、第2レーンチェンジともに同じコース幅だ。
 第1レーンチェンジ、第2レーンチェンジの両側にあるパイロンが通過する車両に接触する、つまり車両の姿勢が走行軌跡から乱れると不合格とされる。

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↑テクニッケン・ワールトで行ったエルク・テスト。このときはピックアップ・トラックをテストし、ハイラックスが不合格となったと報じられた。

 運転方法も興味深い。
 進入路の最終段階でアクセル・オフ(ブレーキは踏まない)、以後はステアリング操作と途中からアクセル操作を行うが、操舵速度がきわめて速いのが特徴だ。
 車速は100km/h以上で進入路に接近し、アクセルオフ直後にステアリングを切るため、第1レーンチェンジで70~80km/hとなる。
 つまり進入速度は指定されず、曲がりきることができる範囲ぎりぎりの速度で進入し、第2レーンチェンジ出口での車速が計測される。
 だから評価ポイントは、車両姿勢が乱れずパイロンをなぎ倒さないことと、出口速度のスピードとなる。
 ただしそれ以外に、ドライバーの意志や操作に対する応答性や追従性は、安定感などは評価コメントとしてまとめられる。
 当然ながらアクセル・オフの操舵でタックインが発生したり、ステアリングの切り返しでオーバーステアが発生するようなクルマでは高い評価は与えられない。
 リヤタイヤのグリップが維持され、なおかつ操舵応答の遅れの少ない正確なステアリングのクルマが高評価となるわけである。
 また、このテストを行うドライバーは、ハイレベルの運転スキルと総合的な評価能力を備えている必要があることはいうまでもない。高速で大舵角をタイミングの遅れなくすぱっと切り込み、即時的に大舵角で切り戻し、この時点でアンダーステア、オーバーステア的な車両の挙動が生じるのでステアリングとアクセルによる修正が瞬時に行われなければならないのだ。
 
 このようなテスト条件を考えると、クルマのステアリング系、サスペンションのチューニング、タイヤに加えてESPのチューニングといった要件と、低重心など基本要素も大きく、当然ながらスポーツカーなどは有利であり、逆にSUVやミニバンなど重心の高いクルマは不利である。
 しかし、本来が危険回避がテーマのテストのため、車種を問わずという点に意味があるのだと思う。
 実は、1997年のメルセデスAクラスが転倒したときのテストで、「完璧」と評価されたのはなんと旧東ドイツ製の化石と呼ばれ、ボール紙(実際はFRP)で作られたクルマ嘲笑されていたトラバントだったそうだ。さすがはアウトウニオン/DKWの血統を受け継ぐクルマだったからなのか、超軽量構造だったためかは定かでない。


 http://www.youtube.com/watch?v=aZF8N9NItHI    (本家スウェーデン版) 
 
 http://www.youtube.com/watch?v=aAuwd4vrT9E    (ADAC版)

 http://www.youtube.com/watch?v=zON4bWsl2Ek&feature=related (0:22secでエルク・テストの運転操作)
 
 http://www.youtube.com/watch?v=LhamRDdNc98&feature=PlayList&p=568CA692A8BCE7CD&index=14&playnext=2&playn
ext_from=PL (北米セールスマン研修:へら鹿登場)
 
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