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エンジン・オブザイヤー2009

 恒例ともいえる「エンジン・オブザイヤー2009」が発表された。
 VWの1.4TSI、つまりツインチャージャーが、インターナショナル・エンジン・オブザイヤー 2009の大賞、グリーン・エンジン・オブザイヤー 2009、1.0L~1.4Lクラス・ベストエンジンという3冠を獲得した。

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 VW社のエンジン開発責任者であるリューディガー・チェンゲル博士は受賞に際して、「ガソリンエンジンをダウンサイジングし、直噴技術、過給器を組み合わせることによって、排出ガスを減らして燃費を向上させながら、並外れた高出力と大トルクを生み出すことができました。TSIエンジンは、まず小排気量エンジンであることで、摩擦抵抗が少なく、静粛性にも優れています。過給により低回転域から高いトルクを生み出すことで、ギヤ比を高めに設定することができ、一方直噴は、過給圧を上げても圧縮比を高くできるため、燃焼効率の向上が実現します。また高出力域でも混合気を冷却するための余分な燃料を噴射する必要がなく、従来の過給ガソリンエンジンと比較して、より燃料を節約することができるのです。TSIテクノロジーでの今回の大賞受賞は、TSIエンジンが世界中の多くの国で販売されるようになったことによるものです。今後他のメーカーも追随してくるでしょうが、我々はこの技術的リードを保ち続けることを固く決意しています」と語っている。
 このコメントで、高負荷域でも燃料冷却をしていないといっているが本当なのか?! そのための鋳鉄ブロックなのか? 詳細が知りたいところである。

 また各賞の結果詳細は次の通り。
 
○インターナショナル・エンジン・オブザイヤー2009:VW 1.4L TSI
○ベスト・ニューエンジン・オブザイヤー:ポルシェ3.8L・6気筒
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○グリーン・エンジン・オブザイヤー:VW 1.4L TSI
○ベスト・パフォーマンス・エンジン:メルセデスAMG 6.2L
-------------------------------------------------------------
○1.0L以下クラス:トヨタ993cc 3気筒(アイゴ用)
○1.0~1.4Lクラス:VW 1.4L TSI
○1.4~1.8Lクラス:BMW-PSA 1.6 Lターボ
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○1.8~2.0Lクラス:アウディ2.0L TFSI
○2.0~2.5Lクラス:メルセデス ディーゼル2.1L
○2.5~3.0Lクラス:BMW 3.0 L DIツインターボ
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○3.0~4.0Lクラス:BMW 4.0L V8
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○4.0L以上クラス:メルセデスAMG 6.2L

 ところで、エンジン・オブザイヤーはイギリスの自動車技術出版社が主催するもので、11年の歴史がある。ただ審査・選考は世界32カ国・64名のジャーナリストによる投票なので、自動車メーカーのエンジニアが選ぶ「ボディ・オブザイヤー」とはかなり趣が違う。やっぱりドイツ・メーカーに集中してしまうのも止むを得ないところか。
 ちなみに日本代表は河村康彦、山口ジャック京一の2名だが、エンジンにそんなに詳しいのかな?
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ドイツ・デザインの迷宮

 5月末に、VWシロッコ、メルセデスEクラスなどがデビューした。すでにベールを脱いでいるBMWやアウディを総覧してみると、現在のデザインの混迷が印象深い。
 Eクラスは「伝統と革新の調和」である。なんとリヤ・サイドの張り出しのプレスは「ポントン・メルセデス(W180)をモチーフにしたという。
 フロントマスクはV字型を強調し、前方に突き出した形となり、その一方でヘッドランプは多面角型となりここ最近の長円形デザインから脱却している。ラジエーターグリルの大型化や凸面形状は、従来までの抑制したグリルデザインから180度方向転換したわけだ。
 こんな点からも、SクラスからCクラスまでクーペ的なセダン・デザインを採用してきたメルセデス・デザインは大きく変わろうとしているように感じられるが、今さらの古典回帰と全体のデザイン基調はアンバランスといわざるをえない。混迷という他はないだろう。
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 BMWは、アメリカ人のクリス・バングルが去り、後任のデザイン本部長にはオランダ人のアドリアン・ファン・ホーイドンクが就任したが、バングルが引き起こした混乱はまだ収まりそうにない。バングルは、デザインの飛躍的な革新を求めた重役会でもこれは大きな支持を得たが、けっきょくマーケティング部門からのブレーキや外部の批評を取り入れ、デザインの方向性を変更せざるを得なかったのだ。革新から保守への転換である。
 そのため、7シリーズは洗練されてはいるが古風なプロポーションに回帰してしまった。
 マーケティング的には、ロシアや中国で求められている旧主的なテイストを入れざるを得なかったといわれる。だからプロポーションは古典そのものである。
 バングルが本領を発揮したZ4は、インバース凹面とエッジで構成され、メカで作られた魚のような生物イメージを追求したが、クルマ、スポーツカーとしてのダイナミック感が希薄という致命的な問題を抱えていた。
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 バングルが去った後の新型Z4のデザインテーマは、スポーティ、エレガントであるとともに生物のようなクルマが求められ、セクシーさや情感、男性らしさなどを表現することがテーマとされたということだ。やはりバングルの遺産を感じさせる。デザイン統括はファン・ホーイドンク、エクステリアはアンデルス・ヴァーミング、女性のジュリアン・バラシが担当した。バングルほどインバース面を強調せず、鋭いエッジのラインを基調にしているがロングノーズ/ショートテールという基本的なフォルムとの統合性は機能的ではなく装飾的といわざるをえない。難易度の高い面やプレスラインに挑戦していることは認めざるを得ないのだが。
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 アウディは、シングルフレーム・グリルを採用して以来、ひたすら強く印象に残る存在感を求めている。シングルフレームはより強調され、ヘッドランプにはLEDの波型ラインが奇怪な印象を生み出している。確かに一目見ただけで残像が残るのだが。
 平凡なフロントマスクであった80年代までのフロントマスクを克服しようとする反動のあまり、機能美やエレガントさの追求よりグロテスクなインパクトを求める方向になりつつある。アウディの求める方向は、今のところあまりにも過剰な装飾的といわざるをえない。
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 そして80年代のアウディ・デザインで新たな境地を切り開いたヴァルター・ダ・シルバは現在はVWのデザイン本部長となり、VWのデザインを一新しようとしている。
 VWも80年代がデザイン的に迷宮に迷い込んでいたことは明白だが、ダ・シルバの登場により一気に革新して、今後のVWデザインの統一的な進展をはかろうというのだ。
 そのテーマはシンプルさ、簡潔さをベースにしたデザインの練りこみと見ることができる。フロントグリルはシャープな水平グリルとし、両端のヘッドランプは角度と奥行きを与えられている。それ自体はきわめて単調なデザインに見えるが、ロアグリルやバンパーのデザインで安定感やダイナミック感を作り出す。シンプルで過剰でない機能的デザインで、動感や存在感を作り出すには高いレベルが求められるのだ。
 ボディサイドの面は光の反射を与えることで立体感を生み出し、さらにVWのアイコンである太いCピラーを強く絞り込むことでスポーティさや軽快さを印象付ける。奇抜な面構成やラインを使わず、立体、面を使って躍動感や存在感を作り出しているのが特徴といえる。
 シロッコ、というよりダ・シルバはまさにドイツのバウハウス・デザインのスピリットを正当に受け継いでいるような気がする。
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i-stopを装備したマツダ・アクセラ

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 マツダ・アクセラがモデルチェンジを行い、発表された。
 もともとアクセラはマツダ/フォードのヨーロッパ向け戦略者車とされており、プラットフォームから主要コンポーネンツまで共通化が行われていた。このため、アクセラの製造のためには主要なコンポーネンツ、サブフレーム、ステアリング、ブレーキ・ユニットなどまでヨーロッパから送られてものを使用していた。
 また、アクセラはデビュー当時、開発&性能ターゲットであったゴルフ4(ゴルフ4はモデル末期だったが)との比較試乗会を開いて直接ターゲットユーザー層にアピールするなど、同クラスの日本車とは違う存在であることを強調した。このあたりはフォード・フォーカスの手法と良く似ていた。
 2代目の新型モデルは90%が新設計となったが、マツダが主導したフォードグループの世界戦略車であることに変わりはないと思う。
 ヨーロッパではアクセラではなくマツダ3と呼ばれるが、ドイツを始め西ヨーロッパでは、日本車ではトップ、トヨタ車より確実に認知されており販売も好調で。いわばマツダの基幹車種なのである。ポジションはフォード・フォーカス、ルノー・クリオ(ルーテシア)、プジョー207あたりと同格とされている。
 ただ、従来モデルと同様に性能ターゲットはVWゴルフである。

流れデザイン
↑流れデザインを具現化
 
 アクセラのデザインは一新された。今回は、マツダのデザインテーマとなった「流れデザイン」を大胆に採用している。この「流れデザイン」は、フォードからマツダにやってきたデザイン本部長、ローレンス・ヴァンデンアッカーが指揮して定着したもので、デミオに続く第2段で、デミオよりもっとドラスティックにデザインを行っている。
 フロントマスクは、新5角形の大きな、強い印象を与えるグリルを備えている。ヨーロッパにおいて、強い存在感が求められているからだろう。
ヴァンデアッカー氏
↑ヴァンデアッカー氏

フロントでセンターフォーカス・デザイン
↑センターフォーカス・デザインは前後のデザインに採用
 フェンダーアーチの張り出し感やボディサイド・ショルダー部のエッジ処理などによりダイナミックな印象を与え、リヤエンドもハッチドアを後方に突き出すような動きが感じられるデザインだ。一目見てアクセラであることがわかる、ダイナミックで立体的な強い存在感を生み出すという狙いは成功している。
 なおローレンス・ヴァンデンアッカー氏はこの春にマツダを去り、ルノーのデザイン部長に就任した。実力派の同氏が去った後、マツダ・デザインはどのように変貌するだろうか? ちょっと興味がある。
 ボディバリエーションは、ハッチバックとセダンの2種類だ。もちろんコンセプト的にはハッチバックモデルがメイン車種である。
 
 エンジンは、1.5Lのポート噴射式のベース仕様(111ps)、新開発のi-stop、つまりアイドリングストップ機構を装備した直噴仕様の2.0L(150ps)、4WD専用の2.0Lポート噴射(143ps)スポーツモデル用の2.3Lターボ直噴(264ps)の4種類だ。
アイドリングストップのプロセス

 2.0 L直噴エンジンに採用されるi-stopは、停車時に点火気筒のピストンを上死点後の膨張行程の目標位置になるようにオルタネーターがブレーキをかけつつピストン停止位置を調整し、再始動時には点火順序にあたる気筒をスターターモーターで下降させながら燃料を噴射しつつ点火プラグで着火して始動させるという燃焼始動方式である。ミクロ的に見ると、膨張行程にある気筒に燃料を噴射し、燃料が空気を混合する時間を待って点火。次気筒は圧縮上死点をを超えた後、混合気に点火という流れになる。このためには、エンジン停止時に、燃焼室のじゅうぶんな掃気制御とピストンの停止位置制御が重要になるのだ。掃気制御とは、エンジン停止前段階で燃料カットが行われるとき、自動的にスロトルバルブを開けて掃気し、エンジン停止直前にスロットルを閉じるという作動になっている。  ピストン停止位置制御は、ATDC40度~ATDC100度の範囲で停止させると再始動に有利なことが判ったため、エンジン停止直前にオルタネーターの発電負荷を発生させ、エンジンにブレーキをかけることでピストンを目標位置に止めるという仕組みだ。
 従来の、アイドリングストップは、再始動を通常の始動と同様にスターターモーターで行うため、0.6~0.7秒程度の時間を要する、振動が出る、右折時の停止→発進などで動き出すタイミングが遅れるため危険・・・などの問題があった。
 i-stopは、AT車はDレンジ、車速ゼロ、ブレーキ液圧が一定値に達したとき、、MT車はギヤがニュートラル、クラッチペダル・リリース、車速3㎞/h以下、という条件でエンジンをストップさせる。上記条件以外には、エンジンが暖機状態(水温判定)、バッテリー電圧が正常、室温が設定温度になっていることなどの条件がモニターされている。
 自動再始動は、AT車はブレーキをリリース、ステアリングを操作する、ニュートラルからDやRにシフトしたとき。MTの場合はクラッチを踏み込んだときに行われる。
 交差点などでのエンジン停止時にはエアコンのコンプレッサーは停止するがファンは回っており、エンジン停止時間が長くなり室内温度が高くなるとエンジンは自動的に始動する、車庫入れ時など発進、停止を繰り返す場合に備え、ハンドルを大きく切っているときは自動エンジン停止を行わない、ブレーキペダル・オフ、アクセルオン、ギヤポジションをNまたはPからDに変える・・・などの状態で自動エンジン始動などの専用制御ロジックを組み込んでいるわけである。
 また運転中の危険操作、ボンネットを開ける、シートベルトをはずしてドアを開けるなどやドライバーが運転を終了したと思われるときは、警告音とともにエンジンは自動停止するようになっている。

 通常のエンジン始動のECUプログラムでは、1番気筒のピストンが上死点を2回転してピストン位置を確認してから点火を行い、エンジンが始動するため、スターターモーターは最低でもクランクを2回転させる必要があるが、i-stopでは1回転目で着火・始動するため、普通のスターターモーターによる始動の約半分の時間、0.35秒程度で始動させることができ、当然ながら頻繁な再始動でもバッテリーの負担が小さいこともメリットだ。(ただしi-stop車も補助バッテリーを装備している)
  またATでの再発進のために、AT内部のクラッチ作動用の油圧を確保するために通常のエンジン駆動オイルポンプ以外に電動ポンプを追加装備しているのも特徴だ。
 いうまでもなく、市街地では信号停止時間が長いため、アイドリングストップは燃費向上に大きな効果を発揮する。10・15モード運転では15%の燃費向上効果があるそうだが、都内などの市街地、渋滞路ではより大きな効果が得られることは間違いない。
 もともとヨーロッパでは踏み切りや信号停止時にはすぐにエンジンを切るという習慣があるからこの自動アイドリングストップは喜ばれるだろうが、現在のところは日本仕様のみに装備されるという。日本ではどう評価されるか?(マツダの調査では既存のアイドリングストップシステムは、再始動に0.6秒程度の時間を要することが問題とされているという)
簡単に燃費を向上させる対策としてアイドリングストップは有効なのだが、案外普及しないのは、やはりコスト高が大きな要因と思われる。通常の自動アイドルストップシステムでもバッテリーの大型化やスターターモーターの強化などが必要となるからだ。また一般ユーザーがこのシステムにあまり関心を示さないのも普及しない一因だろう。
 
 ボディ構造は従来より洗練され、高張力鋼板の使用比率は35%と従来のほぼ2倍に拡大し、新たに1480MPa級の鋼板をホットプレスで処理し、バンパーレインフォースやドア内のサイドインパクトバーに採用している。
 プラットフォーム、サスペンションなどは従来通りで、油圧電動パワーステア、ブレーキユニットなどもヨーロッパ製と思われる。性能面では、NVH性能を高め、より静かで快適な乗り心地を指向しているのが特徴だろう。
ボディ骨格

ストラット式フロント・サスペンション

マルチリンク式リヤ・サスペンション

ブレーキユニット
↑ワイヤースプリングを使用したキャリパーはヨーロッパ製だろう

電気自動車の時代が始まるか?

08 フロント2
↑i-MiEV
 電気自動車(EV)の三菱i-MiEVが6月5日に発表され、7月頃から市場に投入される。ただし当初は官公庁や法人に対するリース販売で、個人向けは来年春頃を予定しているようだ。
 6月4日にはスバルが、同じEVのプラグイン・ステラを発売している。EVステラはリチウムイオンバッテリーを搭載し、100V充電、急速充電が可能、航続距離は10・15モードで90㎞。つまり実用走行では50㎞くらいか。モーターは47kW、170Nmで前輪を駆動する。総電圧は346V、バッテリーの容量は9kWh(つまりi-MiEVの56%ていど)。価格は472万5000円(ただし138万円が政府から補助されるのはi-MiEVと同じ)今年の生産予定台数は170台ていど。このバッテリー容量などなどは、東京電力が協力した実用化のための走行テスト運用の結果から決められたという。つまりプラグインという方式を重視し、東京電力側が急速充電器を備えているため、このていどのバッテリー容量とすることでバッテリー重量やコストを抑えるという考え方だ。
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↑スバル・ステラPEV

 三菱i-MiEVの価格は459万9000円だ。今年の生産台数は1400台とスバルよりは1桁多い。
このうち250台はイギリスなどに輸出予定だと言う。バッテリーの価格はおよそ200万円くらい、つまり原価は100~150万円ていどか。 

 ハイブリッドカーに続いて、今度はEVの発売でまたもマスメディアの社会ニュース的には盛り上がると見られるが、いうまでもなくEVは歴史的なクルマだ。
 今ではすっかり忘れ去られてしまったが、ベンツ、ダイムラーがガソリンエンジン自動車を発明した当時からしばらくは電気自動車がむしろ主流であったのだ。1887年のパリ-ルーアン馬なし馬車競争には、航続距離の問題で電気自動車は参加を断念したものの、1898年にはある貴族がパリ近郊の道路で公開最高速を行い、電気自動車で62.8㎞/hを記録し、ガソリンエンジン車を上回るパワー、性能を見せつけた。
 日本では、たま電気自動車が記憶に残る。第2次世界大戦後に、立川飛行機の旧航空機・機体エンジニアで後にプリンス自動車技術部長、日産の技術担当常務となる田中次郎氏らがが中心になり、1947年に電気自動車E4S-47を開発した。床下に鉛バッテリーを配列し、40V、162Aを得た。モーターは36V/4.5psと恵まれなかったので、最高速は35㎞/h 、航続距離65㎞だった。その後改良が続けられ、49年モデルでは最高速55㎞/h、航続距離200㎞を達成している。この電気自動車を製造した東京電気自動車(後に富士精密と合同してプリンス自動車となる)は約1500台のEVを製造販売した。当時は高い評価を受け、販売台数も異例というほど多い(当時のガソリンエンジン車は数百台ていどの販売)が、価格は高かった。このたま電気自動車以外に日本電気自動車製造や中島製作所、神戸製鋼などが電気自動車を製造している。
 まお、たま電気自動車の性能は高かったが、朝鮮戦争が始まり、鉛、バッテリーの価格が暴騰し、生産中止に追い込まれたという経緯がある。
 このことからもEVは社会に翻弄されやすいという特徴があるように思われる。
たま
↑たま電気自動車トラック型とセダン型

 この時代はガソリンが統制品で民間では簡単に入手できなかったため、水力や石炭発電で得られた電気を利用する電気自動車が脚光を浴びていたのだ。
 そういう意味では、存在理由は異なるにしても、今また歴史を繰り返すのか。
 
 i-MiEVは、スバルのステラより大型のリチウムイオン・バッテリーを搭載する。リチウムエナジー・ジャパン製の電池は、セル4個とセル8個の2種類の直列モジュールを接続した88セルで16kWの容量を持つ。電池モジュールはフラットに構成され、あらかじめ電池搭載を織り込み済みの軽自動車iの床下に格納している。衝突安全性を高めるために電池モジュールの周囲は頑丈なスチールフレームでガードされている。高電圧を使うEVやハイブリッドカーは、衝突時の安全確保は格別に注意を要するのだ。
 電池の電圧は330V、総電力量は16kWh。
01 電池セル
↑電池セル
03 電池パック
↑電池パッケージ スチールフレームで保護されている

 電池の重量は重いので、床下にフラットに配置するのが最も合理的で、低重心化につながる。iターボとの比較では、i-MiEVのほうがはるかに重心が低く、ロール角が小さくなっている。
 ただし、車両重量は、iターボが970kgであるのに対してi-MiEVは1100kgで、エンジン/トランスミッションとモーター/トランスミッションが同等と考えると100~130kgていどが電池重量による増加分と思われる。
 iはRR駆動方式でエンジン/トランスミッションはリヤの床下にレイアウトされるというパッケージングのため、モーター/トランスミッションは余裕たっぷりでRR配置となり、室内スペース的などからみてEV専用設計に等しいと考えても良いだろう。
 モーターは定格出力25kW、最高出力は47kW(64ps)、最大トルクは180Nm/0~2000回転)という実力で、電圧は600Vだ。軽自動車のiターボと出力は同等だが、最大トルクは約2倍近い。駆動モーターは減速時にはブレーキ回生を行うが、運転モードはD、Eco、Bの3種類があり、Ecoは出力をセーブして航続距離を重視し、Bは出力、ブレーキ回生率をともに高めたモードとしている。トランスミッションは1速の、つまり減速機構を持つのみ。
04 モーター
↑モーター
05 トランスミッション
↑減速トランスミッション

 性能的には、発進加速、中間加速のいずれもi-MiEVがiターボを上回る。三菱は以前からEVの動力性能にも着目しており、環境性能だけではなく動力性能向上にもかなりこだわっていると思う。
06 発進加速比較

 電池、インバーター、充電器などとエアコンやパワーステアなど電装品との統合制御は、CAN-BUSで統制された専用OSを採用したECUを採用しているが、このあたりは三菱電機の独壇場かもしれない。もともと三菱自動車は電子制御分野では三菱電機とのコラボで推進されているがモーター制御などは従来以上に得意分野となっているはずだ。
 電装品では、エアコン、ヒーターはいずれも電気式。
07 インバーター
↑インバーター
06 車載充電器
↑車載充電装置
 
 航続距離は10・15モードで160㎞とされているので、エアコン、あるいはヒーターの使用なども考えれば実用上は1充電で最大で100㎞ていど、つまり半径50㎞が行動限界となる。
 もちろん電池を充電するためのプラグイン充電機能を持っており、家庭用100V、200V、さらに高圧の急速充電にも対応している。電池の満充電までの時間は100Vで14時間、200Vで7時間、3相200V・50kWの急速充電で約30分(80%充電)とされている。
01 パワーメーター1
↑パワーメーター
 つまり実用上は急速充電器が設置されている地域では航続距離を伸ばすことが期待できるが、そうでなければ50㎞圏が限度で、つまり近距離での使用に限定される。また急速充電器がない場合は、駐車中は家庭用電源線を接続し、常に充電するという使い方になる。
06 冠水路走行試験
↑高電圧を使用するため冠水試験も必須

 三菱自動車は三菱商事と連携し、近い将来にコンビニ・ローソン、官公庁、大型スーパーマーケットなどと連携して急速充電設備のインフラ拡大を狙っているという。
  排気ガス、排出CO2ゼロとはさすがにぶち上げていないが、CO2排出量はWell to Wheelの観点で、ガソリンエンジン仕様の約30%としている。これは発電所での発電時のCO2発生量を意味している。
02 CO2排出量

 いうまでもなくEVはガソリン、軽油などは燃料として一滴も使用しない。これがEVの最大の特徴であると言えるが、動力源となる電気は2次エネルギーであり、現実には電気の70%は天然ガス、重油などを使用して発電されている。残りの30%は原子力発電による。
 つまりEVは、1次エネルギーを他の産業分野に付け回しているといえる。もちろん火力発電での熱効率は50~60%と内燃エンジンより高く、その点ではCo2排出量は低くなるが、その一方で送電、充電のエネルギーロスも生じている。

 i-MiEVは最新の電池技術やモーター、統合電子制御などによりEVとしては最先端にあるとはいえるが、電池製造時のエネルギー負荷の大きさや電池廃棄までのトータル負荷、化石燃料に70%を依存する発電などを総合的に考える必要がある。また性能的に、特に航続距離からいって、都市部での限定的に使用せざるをえず、中国の内陸部やアフリカで走り回るのには無理があるのだ。
 高価で製造が難しいリチウムイオン電池を搭載してエネルギー容量を高めているのが特徴であるが、一方でリチウムイオン電池を飛び越えて、よりエネルギー密度が高く製造の容易な次世代電池の開発がスタートを切ったという情報も最近は盛んに見受けられる。
 結局のところ、EVは電池の性能に依存し、電池開発がこれからも大きな課題になることは避けられないと思われる。

10・15モード燃費とは?

 乗用車の10・15モード燃費は現在、シャーシーダイナモメーターを用いて測定されています。シャーシーダイナモメーターを使うと室内で燃費を測定できるので、風や雨など天候の影響を受けずに済みます。また、シャーシーダイナモメーターを設置した室内は空調され、気温や湿度の変動をある一定の範囲に納めることができます。
 シャーシーダイナモメーターは実車を載せる動力計で、駆動輪の回転をローラーで受け、その回転を車両重量に相当するフライホイールや走行抵抗を調節する動力吸収装置(発電機のようなもの)に伝えます。2WD車では1セットのローラーを、4WD車では2セットのローラーを使います。したがって、2WD車では被駆動輪は回転しません。

 フライホイールの重量(正確には慣性モーメント)は、車両重量に合わせて調節します。
車両重量が1000kg以下の場合には125kg間隔で調節し、1000kgを超える場合には250kg間隔で調節します。車両重量が調節間隔の中間にある場合には、近い方のフライホイールを使用します。例えば、車両重量が1126kgの場合には、1250kg相当のフライホイールが使われます。車両重量は装備によって異なりますが、燃費の測定には代表的な仕様が使われます。
 空気抵抗やタイヤの転がり抵抗などの走行抵抗については、予めテストコースで惰行試験を行い、速度による走行抵抗の変化を測定します。これと同じ走行抵抗となるように、動力吸収装置が発生する抵抗を速度に応じて調節します。このため、上記の2WD車の被駆動輪の転がり抵抗も動力吸収装置の抵抗に含まれます。なお、空気抵抗は速度の2乗に比例し、タイヤの転がり抵抗はほぼ一定なので、走行抵抗の変化は二次曲線になります。エンジンを冷却するため、車両の前方に送風機が置かれますが、この風のよる走行抵抗は、動力吸収装置の抵抗を調節することでキャンセルできます。
 燃料については、JISで規定された燃料をメーカーが持ち込み、燃料組成表を提出します。ガソリンは様々な炭化水素の混合物ですが、燃料組成表からどんな成分をどの位含んでいるかが分かります。もちろん、レギュラー仕様車にはレギュラーガソリンが、プレミアム仕様車にはプレミアムガソリンが使われます。
 10・15モードでは、試験開始前にシャーシーダイナモメーターの上で、時速60㎞で20分間暖機走行し、この後、指定されたモードで走行します。従って、エンジンの暖機だけでなく、駆動輪のウォームアップも行っていることになります。なお、排ガス試験には11モードもありますが、この場合には暖機は行いません。これは、冷間始動直後の排ガス値を測定するためです。
 暖機が終了して10・15モード走行に移ると、テールパイプから排出される全ての排ガスを袋に集め、その中に含まれるCO2 とCOとHCの量を測定して、燃料の消費量を計算します。燃料組成が分かっているので、これらの排気成分の量が分かれば、消費した燃料の量を計算で求めることができます。この燃費計算法をカーボンバランス法と言います。CO2 は大気中にも含まれているので、それを除いて計算します。
 ハイブリッド車では、予めバッテリーの充電・放電の収支と燃費の関係を求めておき、試験開始時の充電状態と試験終了後の充電状態を比較し、それを燃料消費量に換算して、上記のカーボンバランス法で求めた燃料消費量を補正します。ちなみに、マイレッジマラソンに参加していたハイブリッド車は、バッテリーが空の状態でスタートしていました。スタート後に充電された電力は、燃料のエネルギーが電力に変わったと言えます。
 以上のような手順で求めたモード燃費は、予め求めた大気条件と燃費の関係から、1気圧、気温20度C、湿度50%の条件に補正計算されます。これがカタログなどに掲載されている10・15モード燃費です。

 最後に、10・15モード燃費試験では、エアコンなどの電力負荷は使われず、ステアリングも切りません。従って、発電機やパワーステアリングの油圧ポンプの駆動損失は、燃費に含まれていません。10・15モード燃費が実走行の燃費より良くなる理由が、ここにもあります。
 また、このシャシーダイナモ上で10・15モード運転を担当するドライバーは、10・15モードで決められた運転条件に正しく合わせるために、きわめて正確な運転技術が求められます。例えばアイドリングから7秒間で20㎞/hまで加速といった緩やかな加速条件に対して正確無比にアクセルペダルを踏み、絶対に指定速度の20㎞/hをオーバーシュートしないような操作を行います。このため、モード運転担当のドライバーは自動車メーカー社内で訓練を行い、養成されたベテラン・ドライバーが行っています。

 また、従来はカタログ燃費のテストモードは10・15モードが行われてきましたが、2015年を目処に、より実用運転に近い加減速や高速走行モードを取り入れたJC08モードに切り替えられることになっており、現在のクルマのカタログでは10・15モードに加えて、JC80モード値が参考値として記載されています。(KM)
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