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最近のタクシー事情

 タクシー業界で使用されているクルマは中型はトヨタ・クラウン(セダン)、セドリック・セダンなどで、小型のクラスはトヨタ・コンフォートの独占状態だ。コンフォートはLPガス専用の2.0LのDOHCエンジン、1TR-FPE型エンジンを搭載している。面白いことに10・15モード燃費は、今時9.8Km/Lである。パワーは116ps、最大トルクは19.3kgm。もちろんLPガスを使うのでパワーもトルクも出ないエンジンであるが、低速トルク型にチューニングしてある。トルクが弱いおかげか、クラッチは20万kmていどはもつ。
 古いデザイン、フロント・ストラット、リヤ・トレーリングリンク式リジッドアクスルという古典的なサスペンションなどを採用しているが、当然ながらクルマとしては最低限30万㎞以上の耐久性は備えている。車両価格は、本体価格で190万円弱といったところが相場らしい。
 このクルマは都内のタクシー営業走行で、実用燃費は約7㎞/Lくらいだといわれる。LP7ガスは94L搭載できるので、実用的な航続距離は590㎞ていどである。
 肝心のLPガスは、タクシー用LPGスタンドで70円/Lていどが相場だったので、満タンにして約6000円だ。
 ところが、昨年の夏はガソリン価格の異常な高騰と比例してLPガスの価格も106円程度と、30円以上の値上がりをしてしまい、タクシー業界もパニックになった。さすがに今年に入ってガス料金も落ち着き、70円/Lあたりにもどってる。
 しかし、昨年のガス価格高騰により、トヨタ・プリウスの導入、あるいは導入の検討が盛んに行われるようになった。トヨタは、プリウスのタクシー使用を歓迎しなかったようだが、導入例を見ると、都内営業走行で年間平均16㎞/Lと、コンフォートの2倍の燃費であった。燃料タンク容量は45Lで、航続距離は640㎞。満タンに要する費用は、レギュラーガスが110円/Lとして、4500円。つまり、燃料費に関しては、昨夏の異常な高価格でなくてもコンフォートより確実に安いのだ。昨夏の高騰相場の時の比較では、コンフォート=9000円、プリウス=5200円といったところになる。
 したがって、燃料代はプリウスはコンフォートより約30%安上がりになる。
 都内のタクシーで1日あたりの走行距離は平均で500㎞くらいだろう。走行距離の多い運転手で500km以上、上手に稼ぐドライバーで300kmといったところではないか。したがって、1日分の燃費=燃料代の持つ意味は大きい。
 コンフォートと比べればもちろん車両価格はプリウスの方が30%程度高いのだが、毎日の燃料代を考慮するとプリウスに軍配が上がると考えるタクシー会社が多いといわれる。
 プリウスは4ドアボディとはいえ、ボディフォルムやリヤドアのデザインがタクシーらしくないのが欠点とはいえるが、変速は無段階の自動であり、場所が限られているLPGスタンドではなく普通のガソリンスタンドが利用できるなど、運転手にはプリウスは好評のようだ。トヨタはタクシー車用の耐久試験を行っていない車種のため不安視したようだが、
すでに現実にタクシーでの30万Km走行で、バッテリーを含めて特に大きな問題は出ていないようだ。
 そう考えると、タクシーボディの高効率ハイブリッド車の存在価値はとても高いと思われる。もっともタクシー専用に新たにクルマを作ることはコスト的にとても無理なことなのだが。
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レーシング・エンジンを作る

 レース用のエンジンと言っても様々な種類がある。F1エンジン、インディカー用エンジン、ルマン24時間レース用エンジン、WRC用エンジン、ダカールラリー用エンジン、ツーリングカーレース用エンジンなど多様である。量産ツーリングカーレース用は量産エンジンを改造したものだが、それ以外は純粋な競技専用エンジンであり、専用設計である。ドイツのGTカーレースであるDTMなどは量産エンジンブロックを使用して入るものの、事実上はレース専用設計だ。
 純粋なレース専用エンジンは、通常は自動車メーカー内部のモータースポーツ部門のエンジン設計者が設計を行い、モータースポーツ部門で専門の熟練工が組み立てる・・・というのが一般的だ。
 このあたりはヨーロッパの自動車メーカーは手馴れたものだが、日本の場合はエンジン設計者の出発点はあくまで量産エンジンであり、いざレース用のエンジンを設計するに当たり、レースに関するノウハウを持っているかといえばそうでもないのだ。それはある意味では当然で、それまで学んできたのはすべて量産エンジンに関する知識や常識なのだから。
 ヨーロッパの自動車メーカーの多くははるか昔からメーカーチームとしてレースやラリーなどモータースポーツ活動を行い、膨大な自社設計のレース用エンジンに関する技術を蓄積してきた。かつての東ドイツの、ボール紙でできたクルマと嘲笑されたトラバントでさえも実はラリーやマラトン・ドラルートなどの出場していおり、それなりの技術やノウハウは持っているのだ。
 日本では、第1回、第2回日本グランプリでは全自動車メーカーがほとんど知識を持たないまま、市販モデルを改造したレース車を作って参戦した。しかしその後は多くの自動車メーカーが参加しなくなり、オイルショックや排ガス規制の始まりとともにすべてのメーカーがレース活動を休止した。またそもそも日本ではモータスポーツ部門はメーカーの社内で重視される部署ではなく、本物のエンジニアが技術を蓄積や継承していくような余地はなかったり、あるいは少なかった。
 では日本製のレーシング・エンジンはどのようにして設計されたのか。実態はヨーロッパのレース用エンジンの書籍による研究やヨーロッパ製のレース・エンジンを購入して検分しながら習得したのが実態であり、それ以外に設計担当者の独学もあったはずだ。
 また日本では、設計は社内で行ったとしても、組み立ては社外のレース技術職人に依頼するといったことも行われた。ヤマハ製のF3000フォーミュラー用エンジンなどはその実例である。しかし、いうまでもなくエンジン設計とエンジンの組み立て、実戦での使用状況は相互に密接な関係にあり、レース現場から即座に設計にフィードバックが行われることで技術的なノウハウの蓄積がはかられるのだが、そうしたリアルな関係が伴わなければ技術的な向上もノウハウの蓄積も多くを期待できないのだ。

 レース用エンジンに限定した話ではないが、エンジンとシャシー、車体との関係も密接である。しかしこうした点も大所帯の自動車メーカーの中では実感しにくく、ましてフレームと剛結され、荷重をダイレクトに受け持つフォーミュラカー用のエンジンなどは想像外なのだ。
 一般的に、競技用のエンジンに求められるのは、軽量・コンパクトであること、競技車のパッケージングに適合していること、重心が低いこと、高出力、大トルク、高燃費、高Gに耐えられること、剛性が高く、振動耐久性に優れること、想定した寿命内で耐久・信頼性が高いことなどが上げられる。特にF1を始めとするフォーミュラカーはエンジン搭載スペースと空力的な要求に合わせ、V型エンジンのバンク角度もエンジン側より車体側の要求で決定されることがほとんどである。
 したがって結局のところはエンジンも、レースの統括エンジニアがどれだけうまく要求性能や要求仕様をまとめることができるかという点にかかっているともいえるかもしれない。今日においてはレース・エンジンにも多くのセンサーが装備され、競技走行中のエンジン状態をリアルタイムでデータ送信できるため、エンジニアは克明にそのデータを知ることができるが、一昔前はそれは不可能で、エンジン設計者がどれだけ競技走行に関する想像力を働かせることができるかにかかっていた。
 いいかえれば、その想像力は過去の技術的な蓄積がカバーしてくれたのである。
 1960年代に、プリンス自動車の高名なエンジン設計者の中川良一氏はヨーロッパでF1グランプリを初めて視察し、その音やエンジンの外観からエンジンのスペックを想像し、猛烈にレース・エンジンを作りの衝動に駆られたという。中川氏はもともとは戦前の中島飛行機で大馬力のエンジンを設計し、戦後はプリンス自動車、日産自動車で活躍した一級のエンジニアで、レース専門のエンジン設計者ではないのだが、世界トップレベルの戦闘機用エンジンを設計した経験からレース・エンジンを直感的に理解、想像できたのであるが、中川氏より下の世代のエンジニアにはそれは無理だろう。
 ただ、当時は自動車メーカーのモータースポーツ部門には、エンジン設計者以外にエンジン実験担当のエンジニアが存在し、現場からの技術的なフィードバックを行うことができたのだが、その後はこうした体制は存在しなくなってしまった。
 レース・エンジンの組み立てについても、同様な経過をたどっている。じゅうぶんな経験を持つ熟練工はエンジン設計者と対話ができる能力を持っていたが、その後の世代は指示書通りに正確に組み立てる熟練工となり、エンジン設計者へのフィードバックはなくなっている。
 だから、量産使用に近い性格の競技用エンジンであれば大きな問題はないのだが、フォーミュラカーやルマン24時間レース用のエンジンなどは今日の日本で作ることは大変難しいといわざるを得ない。
 かつてトヨタ、日産、マツダが参戦したルマン24時間レースでも、エンジン制御システムや考え方はヨーロッパに学んだところが多かったが、それは今でも継承されているのだろうか?
 また、もうひとつは大出力の競技用エンジンは、基本技術に忠実にという点も忘れることはできない。各気筒の燃焼室の冷却はできる限り均一に、どのような方向からの加速度がかかろうとオイル潤滑が均一で油圧が安定させられるかや、水温や油温の安定性、エンジンの軽量さや剛性の高さなど、出力以外の基本要素も問わる。そのためには燃焼室回りの冷却水は温度差がなく均一に流れるクロスフロー方式や、強い加速度がかかった状態でも確実にオイルを吸い出し、クランクケース内を負圧にしてクランク回転抵抗を低減させるための複数のスカベンジポンプの配置、加速度に対応したオイル通路・・・こうしたエンジンの基本に関する見識の高さも問われるが、大組織の中では案外と基本原則を学び、守ることは難しいと思う。
 
 純レース用エンジンを設計するのではなく、市販車のエンジンをレース用に改造したり組み立てるという技術は、現在では自動車メーカーより社外のレース・エンジン屋の方がノウハウを多く蓄積しているように思われる。日本のレース・エンジン屋も老齢化が著しい状態だが、彼らは日本製エンジンの改造で苦労した経歴の後に、フォードDFVやブライアンハートBDA、BMW・M12などヨーロッパ製のレース用エンジンのオーバーホールなどの経験を経て、多くの技術やノウハウを持ってるからだ。ただし、エンジン制御に関してはやはり自動車メーカーに依存せざるをえないのであるが。
 こうした貴重な経験や蓄積した人たちも今では50歳以上の世代で、今後は経験や技術が伝承されない危機に瀕しているといえる。
 もっともレース仕様の話以前に、20年近く前の日本の量産エンジンの常識と現在の量産エンジンの違いも認識しておく必要がある。以前のエンジンの精度のレベルに対し、現在の量産エンジンは高精度自動組み立てが行われているため、格段にベースになるエンジンの精度が向上しているのだ。
 例えば、20年前にはクランクジャーナル部が鏡面加工仕上げされたエンジンは数えるほどしか存在しなかったが、現在では多くのエンジンに採用されており、ピストンも格段に軽量なショートスカート式に変わっている。また個々のピストンやコンロッドの重量ばらつきも3グラム以内といったレベルの、高精度・選択組み付けの効果が出ており、ボアの真円度も大幅に向上しているのだ。
 そういう意味では、量産エンジンがかつてのレース用エンジンのレベルに近くなったといえるかもしれない。
 また以前は、燃焼室のバルブシートの打ち替えやシートのカット角度などは職人技のひとつであったが、現在ではシリンダーヘッドごと新品交換する方がコスト的に安くなっているため、シートの打ち替えなどは過去の話となった。しかしバルブとシートとの擦り合わせなどは現在でも有効である。
 量産エンジンとレース用への仕様変更で大きく異なるのは、ピストンと壁面やメタルのクリアランスであろう。量産エンジンは、精度の向上に合わせて、騒音低減をはかるためにクリアランスは30ミクロン以下といったレベルに、つまりクリアランスは縮小されているが、レース仕様では可能な限り摩擦抵抗を減らすために逆に大きめのクリアランスとする例が多い。目標としては60~80ミクロンとすることが多い。
 このために、シリンダーボアのホーニングを行う。もちろんこの場合にはダミーヘッドを製作し、ダミーヘッドを締め付けた状態でホーニングを行い、スタッドボルトを締め付けた状態での真円度とクリアランスの適正化を行う。
 メタルのクリアランス調整はメタルを研磨することで行う。
 ピストンや今ロッドの重量合わせは、現在では1g以内、できれば各気筒ばらつきなしを目標に行う。
 またより基本的な作業として、鋳造されたシリンダーブロックの鋳造バリ取り、オイル穴の清掃や拡大修正、吸気ポートや排気ポートの段付きの修正や研磨なども量産エンジンをベースにする限り不可欠となっている。
 こうした高精度加工・修正を行った手組みエンジンはやはり機械組み立ての量産エンジンとは別物の仕上がりになり、時間と工数をかけただけのクオリティや性能が得られるのであるが、残念ながらこれらも今では忘れられつつある技術になっているのだ。
 
 
 

 

ホンダ・インサイト

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 ホンダ・インサイトがデビューした。初代インサイトは1999年に、つまり初代プリウスを追う形で登場しているが初代プリウスがそうであったように、PRを兼ねた実験車的な性格が強く、当然販売すればするほど赤字になるというクルマである。
 当時、プリウスは1台あたり50万円近くの赤字であったと言われるが、インサイトはもっと大きな赤字だったと思われる。なにしろオールアルミ製で、NSXの生産設備を使用していたのだから。
 シャシーはアルミ製、ボディはアルミと樹脂フェンダーと言う凝ったもので、2座席のパッケージングであった。そして空気抵抗係数は0.25で、優れた空力と軽量ボディにより、当時は35㎞/L(10・15モード)とチャンピオンを狙った。燃費はマイナーチェンジで36㎞/Lに向上した。なおハイブリッドカーとしての基本システムは、ホンダは一貫してシンプルなパラレル式が有利と考えており、プリウスのシリーズ・パラレル式とは好対照である。
 初代のプリウスは約17000台程度の生産台数で、2007年に生産を終了した。ホンダのハイブリッドカーは、その後シビックに継承された。シビック・ハイブリッドは2001年12月に新発売され、その後2005年にシビックがモデルチェンジを行ったことに合わせてハイブリッドもこのモデルに移行。1.3Lエンジンは共通だが3ステージVTECに改良され、このモデルから低速走行時のエンジン休止、高速走行時の高速カムへの切り替えなどが行われるようになっている。
 ただ、シビック・ハイブリッドはやはり派生モデル扱いで、主力商品とはなっていない。

 今回の2代目インサイトは、初のハイブリッド専用量産モデルで、専用設計されているのが最大の特徴だ。そういう意味ではプリウスに真っ向勝負するクルマなのだが、ホンダはプリウスとはクラスも違い、世界にハイブリッドカーを普及させるためのクルマという位置付けだそうだ。またインサイトのパワープラントのレイアウトは、他車種にも容易に転用できるところが特徴だ。
 シャシーはフィットのコンポーネンツを使用し、しかも思い切った軽量化も行われている。
 ボディ・サイズはシビックとフィットの中間に位置するがホイールベースはフィットより50㎜長い。そしてフィットよりリヤのオーバーハングを延長したボディと言ってよい。
 車両重量は、フィット1300が1080kgであるのに対し、インサイトは1190kg(シビック・ハイブリッドは1270kg)で、この約100kgの重量差がハイブリッドに必要な重量と言える。価格差では約60万円となる。おそらく20万円くらいがバッテリーの価格と思われる。
  インサイトの開発コンセプトは、価格の低減、使い勝手、パッケージングの向上、爽快な走りといった点で、面白いことに燃費は30㎞/Lで、プリウスの35.5㎞/Lを少し下回っている。つまり特殊な技を使っての燃費トップ狙いはしていないということで、タイヤも低転がり抵抗タイヤではなく普通のラジアルである。
 ボディは4ドアクーペスタイルの5座席だが、リヤシートバックは6:4分割及び前倒し収納ができ、ラゲッジ容量は400Lとするなど実用性はじゅうぶんある。
 デザイン的には極端なフォワードキャビンで、リヤはハイエンドとし、後方視界を得るためにリヤエンドにはエキストラウインドウを備えている。このため後方視界は良好だ。
 フロントのマスクは最近のホンダのグリーンマシンと称するクラリティなどと共通のデザインだ。しかしボディサイドの面の仕上げなどは意外と抑揚がなくフィットに比べても平凡だ。そういう点がプリウス同様に弱く見える。
 そもそも、プリウスもインサイトも、先進性の表現として、思い切ったキャビンフォワードを採用し、ほとんどモノフォルムといえるシルエットになっているが、これはちょっと定型的過ぎはしないだろうか。キャビンホワード=ショートノーズは新しさを感じさせるものの、ダッシュボード面積は広大になっても、あまりキャビン容積の向上には繋がらないのだ。また副次的にAピラーが前進し、斜め前方視界は芳しくない。Aピラーはドライバーに近いほうが視界はよいのだ。
 またキャビンフォワードのモノフォルムは、デザイン的な洗練を加えないとぽっちゃりフォルムになり、プリウスなどもヨーロッパでは弱弱しく受け止められている。
 インサイトのボディデザインは2ボックスカーの実用性と空力特性の両立を狙ったもので、Cd=0.28。床下は樹脂パネルでカバーされている。このあたりはヨーロッパを重視した成果だろう。
 フレーム骨格部分は軽量化のために他車より高張力鋼板を多用している。なおフィットで採用されているセンター燃料タンクは採用されていないが、これはフロントシートの着座位置を低めて全高を抑えること、リヤ・タンクにして給油管の容積を減らし揮発ガソリンガスの排出を少しでも少なくするためという。

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 コンポーネンツのパッケージングは、エンジンとCVTの間に薄型モーター・ジェネレーターを装備し、リヤシートしたに燃料タンク、ラゲッジスペースの床下にニッケル水素バッテリーとパワーコントロールユニットを一体化して吊り下げているため、キャビンスペースへのハイブリッド・システムによる突出はない。
 サスペンションはフロントがハイキャスターのストラット(トレール=20㎜)で、リヤはトーションビーム式で、リヤのトーションビームの前に燃料タンク、後ろにバッテリーが位置している。インサイトもプリウスもリヤはトーションビーム式なのだが、この方式は煮詰めるのがすこぶる難しい。いまだに旧VWのトーションビームに到達していない気がするのだが、インサイトはどうだろう?
 電動パワーステアはラックギヤが3点キャノンマウントで、取り付け剛性は高い。

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 エンジンは、従来のインサイト、シビック・ハイブリッド以来の1.3Lで、細幅チェーン駆動のSOHC、2ステージVTEC・2バルブ。なおロッカーアームは油圧作動ピンによるオン/オフ式で、通常運転と全気筒停止のモードとなる。3ステージVTEC式の方がパワーは稼げるのだが、コストの問題とエンジン全高が高くなることから不採用となったのだろう。信号での停止時にはアイドルストップを行うが、再始動は駆動用モーターで行うため、エンジン側では特別な対策は行っていない。また、アイドルストップを行っても、エアコンの使用時や電気負荷が大きいとすぐに自動再始動を行う。

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 エンジンと薄型モーターは直結のため、全気筒休止モードが必要になる。モーターはフライホイールとスターターモーターの役目も兼ねている。バルブ作動をストップする全気筒休止モードは、圧縮・膨張を反復するが、燃料供給、点火は行われない。エンジン本体は、大量EGRを使用し、常用時のスロットル開度を大きくすることでポンピングロスを減らしているのがミソだ。プリウスはアトキンソン・サイクル(高膨張比)エンジンでパワー的には不利だが、ホンダは大量EGR路線を取っているところに違いがある。なおこのエンジンも少し排気バルブ閉じのタイミングを遅らせ、多少の膨張比増大も行っているという。
 ただ、このポリシーであれば、直噴+連続可変バルブリフトによるスロットルレスなどの方向に進むべきなのだが、やっぱりコストの壁が大きいか。
 点火プラグは2本装備し、しかもEGR環境下でも着火性能を確保するために両針式プラグを採用している。この両針プラグはデンソーにもNGKにも設定されているが、ホンダ専用設定だ。両針プラグは着火性、低速トルクアップ、燃費向上など性能的にはトップなのだが他社には使用できないのが残念だ。
 もちろんエンジン内部でも薄型ピストンピン、ショートスカート・ピストン、ピストン側面パターンコーティングの採用などフリクションの低減は徹底され、さらに低張力補機ベルトなども装備している。
 エンジンのパワーは88ps、最大トルクは12.3kgm、モーターのパワーは14ps、トルクは8.0kgmで、始動トルクは9.4kgmだという。出力図から明らかなように、モーターのトルクが極低回転でいかに大きく動力性能をアシストしているかがわかる。つまりホンダのハイブリッドシステムは、このモーターの特徴を100%生かすことを重視しており、モーターを小型化できているのだ。モーターに主動力の役割を与えるほどモーターは大型化せざるを得ないのが現状なのだ。モーター出力は、駆動アシスト効果がじゅうぶん確保でき、なおかつバッテリー・サイズが最小になるような出力サイズを選択している。つまりバッテリーを駆使したEV走行を重視するプリウスとは対照的である。
 CVTはトルコンなしの油圧クラッチタイプ。ホンダのガソリン・エンジン用のCVTはトルコンを採用しているが、このハイブリッドカーはモーターアシストのおかげで発進トルクが強力なため、トルコンなしの油圧クラッチ式にできるのだ。
 運転モードは、発進加速ではエンジンにモータアシスト、低速クルーズではモーターのみの駆動、加速ではエンジンとモーター、高速走行ではエンジンのみ、減速ではブレーキ回生を行い、停車時はアイドリングストップを行うというパラレル式ハイブリッドだ。
 プリウスとの燃費の差は、ブレーキ回生性能、バッテリー容量の差だろう。
 バッテリーはニッケル水素電池だが、かなりコストを落とすことに成功した模様だ。バッテリーモジュールは出力と耐久性をシビック用より30%アップし、なおかつ容量と重量を約30%低減しているという。
つまり出力は高めながらかなり小型化させているのだ。バッテリー電圧は、シビックが158ボルト、インサイトは100ボルトと下げられているが、電極板の拡大などにより電池側の出力を大きくすることで電圧低下を相殺している。
 またハイブリッドカーならではの心配である衝突時は、危険性の高い100V電源は自動的にシャットダウンされるが、12V電源は生かされるので、衝突時でもパワーステアやドアロックの作動は可能である。

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 ハイブリッドカー専用装備としてはエコアシストと呼ばれる運転モードを装備し、スイッチを押すと燃費優先エンジン制御となる他に、燃費運転のガイド、燃費レベルの判定、運転状態を採点し、エコのアイコンである木を育成するいったゲーム感覚の機能が備わっている。このグリーンの葉っぱの数を増やし木を育てるというゲームは燃費オタク向けのアイデアに過ぎるような気がする。
 インサイトの最高速は185㎞/hで、プリウスをわずかに上回る。ただし発進加速は、モーター出力の大きなプリウスの方が上だ。
 
 インサイトはプリウスより少し小型だが実用性は同等、価格は安いといった狙い通りのポジションになっている。一方で、ガソリン・エンジンのフィットに比べると燃費は約40%向上するのだが、価格面でもやはり40%ていどアップする。
 ということはやはり環境性能を買うという意味が強く、燃費コストで勝負できるかどうかは微妙なところだ。
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