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BMW M3のアンダーフロア

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  AUDI A4のアンダーフロアに続いて、BMW M3のアンダーフロア画像だ。
 これも見事だが、実はBMW 3シリーズとは違ったM3スペシャルになっている。

 もともとBMWはメルセデスより少しましといったレベルのアンダーフロアの仕上げだったが、近年はメルセデス、BMWは競うようにしてアンダーフロアの美化を行っており、AUDIと遜色なくなってきている。特にこのMモデルは別格になっている・・・

 M3のハイライトは、エンジン下側のアルミ製の厚板の補強パネル(アルミニウム・ブレースプレートと呼ぶ)で、これはサブフレームとボディを共締めする補強プレートなのだ。ボディ側のボルト穴をエッフェル塔と呼ばれるガイド筒にするなど凝っているが、つまりはサブフレームの取り付け剛性をいかに重視しているかがわかる。もちろんサブフレームは6点止めだ。

 またリヤはサブフレームの前側取り付け点からトンネルステーまで斜めの補強用つっかえ棒が取り付けられている。これもサスペンションが取り付けられるサブフレームの剛性を高めるためのもの。

 横置きのサイレンサーは専用のステンレス製のプレス品で、コストは恐ろしく高そうだ。
 フロントのタイヤの操舵範囲のスペースは、AUDIのような綺麗な半円状ではない。
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AUDI A4を見る

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 新型AUDI A4のフロントサスペンションは5リンク式と呼ばれている。従来は4リンク式であった。アッパーAアーム。ロアAアームはAの部分が分離されてそれぞれ独立した支点を持つダブルピヴォット式のため4リンクと呼ばれたのだが、5リンクとは? なかなか理解できなかったが、どうやらタイロッドリンクもサスペンションリンクに含めて5リンクと呼んでいるようだ。
 従来型は、ステアリングラックがトランスミッションの上にあり、サスペンションのストロークに伴うトー干渉をほぼゼロにしていた。しかし、新型ではサブフレーム前方下側に移されているので、当然ながらトー変化の動きを伴う。だからタイロッドリンクの動きがサスペンションのジオメトリーに影響を与えるため5リンクと呼んでいるのだ。
 正確な設定はわからないが、仮想キングピン軸はホイールセンターとの距離は極小であり、かつトー変化も最小限に抑えられているはずである。
 また驚かされるのはアルミ製のサブフレームの頑丈さと、ステアリングラックを支持するサポートロッドのごつさだ。
 当然ながら、サブフレームのボディ側取り付け点の位置精度も相当に高精度で、かつ6点止めだ。
 
 ボディでは一直線のフロントサイドフレームとAピラー、バルクヘッドの結合部がシンプルかつきわめて高い剛性が得られるように作られていることが見て取れる。
 この高剛性のバルクヘッドまわりの前方にさらにバルクヘッドを持つダブルバルクヘッド構造であり、したがってフロントガラスの下側から左右のストラットタワー部までほほ一体のボックス構造を形成している。このような作りであるためタワーバーなどはまったく不要なのだ。
 このようなフロントのフレーム&ボディ構成は、ユニークであり、かつハンドリンクやステアリングシールを重視するために理にかなったものだ。

 アンダーフロアの画像は空力対策の徹底さがわかる。
 床下の整形は完璧であり、マフラー、サイレンサーも完全にボディ面に埋め込まれているのだ。当然ながらリヤアクスルより後ろはやや跳ね上がるディフューザー形状になっている。
 またトンネルステーが2箇所あり、ずいぶんトンネルに余裕があるが、これはFFモデルのため。クワトロではここにプロペラシャフトが縦通する。

 もちろんA4は同クラスの国産車の約2倍のコストがかかっているが、隠された部分を見るとそれなりに納得させられる。

 

カーナビゲーション概観

 現在ではカーナビゲーションを搭載しているクルマは1500万台を超え、5台に1台は装備しているというのが実状である。
 カーメーカーから発売される多くの新型車に標準装備されるようになり、標準装備されていないクルマでも、市販のカーナビゲーションを購入して装備するという例が多く、一度カーナビゲーションの便利さを体験すると、クルマを乗り換えた場合でも必ずまたナビゲーションを装備する例が大半である。
 ナビゲーションシステムは、もちろん地図を見ることなく目的地までクルマを誘導できるという基本的な利便性に加えて、VICSから得られる交通情報の活用、目的地周辺などの情報の取得、TVの受信、現在ではDVDメディアの再生、音楽のサーバーとしての活用(HDナビの場合)など多くの機能が付随しており、ドライブには欠かせない存在になってきている。
 またカーメーカーで標準装備されるナビゲーションは、ディスプレィ画面を利用して、クルマに関する情報の表示、携帯電話のデータやメールの表示、インターネット接続、バックモニターカメラの画面表示、エアコン機能の作動状態表示など車両に関連する情報を表示させたり、一体化をはかるなど付加機能の向上を進めている。
 こうしたナビゲーションシステムの開発は、日本が世界をリードしており、最近ではヨーロッパのカーメーカーも、車載情報端末&デスプレィとして積極的に活用するという方向に舵を切っている。
 では世界をリードする日本のナビゲーションシステムはどのような経緯で開発されたのであろうか? その歴史を振り返って見よう。
 カーナビゲーションシステムとして最初に製品が発売されたのは、1981年にホンダが開発したエレクトロジャイロケーターである。このシステムは、透過フィルム式のディスプレィを備え、車輪速センサーから得られる距離情報と、ヘリウムガスを利用したがスレートジャイロによりクルマの方向を検知し、経路を誘導するというものであった。つまり、目的地への経路誘導というナビゲーションシステムに求められるもっとも基本的な要素に絞り込んでいたのである。
 ホンダは1970年代後半に、電子技術全般の先行技術開発に着手したが、その中にガスレートジャイロの開発が含まれていた。ジャイロ自体はクルマの運動性能全般に関連するセンサーのひとつとして重要な存在と考えられたのである。
 ジャイロに着目したのは、荒れ地を走る戦車の砲身をターゲット方向に常に安定して指向させるジャイロスタビライザーからヒントをを得たというエピソードがある。
 ジャイロと車輪速センサーを活用することで、クルマの走行コースを誘導するというアイディアが浮かんだとしても不思議ではない。
 現在位置を検知するために車輪速センサー、ジャイロ、舵角センサーなどを利用しており、ディスプレィの地図はホンダの場合は透過フィルムを使用するといった具合であった。自律航法のキーテクノロジーとなるのはジャイロで、ホンダは液体ヘリウムを使用した流体ジャイロ(ガスレートジャイロ)を高精度化して採用していた。
 これが第1世代のナビゲーションシステムである。
  ホンダは、次世代のナビゲーションシステムとして、地図の自動照合システム(マップマッチング)やデジタル地図化の開発を続けている頃、アメリカでは85年に初のデジタル・マップナビが発売されている。
 またこれから6年後にはトヨタが電子地図を搭載したCD-ROM式ナビを発売している。この電子地図をCD-ROMに収録したこともナビゲーションシステムの進化にとって革新的であった。それまでのアナログ情報の地図では、いったん表示位置の誤差が生じると修正が難しく、精度を上げることが困難であった。地図をデジタルデータ化すれば、自車の走行軌跡と地図とのずれを修正することが不可能ではなくなるのだ。
 ただ、膨大な全国の地図データをデジタル化し、メディアに保存するという難しさがあった。当時主流であったフロッピーディスクでは何百枚にもなってしまうのだが、新たに登場したCD-ROMによりようやくこの問題は解決したのだ。
 そして、ナビゲーションシステムで、主に地磁気センサーやジャイロセンサーだけでは、自車に位置の測定と地図で誤差を生じる場合が少なくないが、クルマは道路を走るという基本特性を重視し、デジタル地図データでの道路と自車の走行軌跡を比較し、形状が一致していると思われる地図上に自車位置を自動補正するというマップマッチングの技術がここで登場してくる。
 こうしたデジタル地図の活用とマップマッチングの技術の実現により、第2世代のナビゲーションは完成のレベルに達したといえよう。
 ホンダも、同じ87年にCD-ROMによるデジタル地図、マップマッチング技術、光ファイバージャイロを採用した全自動の自律航法式ナビシステムを発売している。
 なお86年には、業界の規格標準化などを目的にナビゲーションシステム研究会も設立されている。
 この時代に完成した第2世代のナビゲーションは、現在のナビとは異なり、自車に搭載したジャイロや車輪速センサーによって自車の位置を割り出す、目的地への経路誘導を行う自律航法という考え方を採用していた。これは航空機が自律航法を採用しているのと同じような発想といえる。日産もやはり同様なシステムでナビゲーションシステムを発売した。
  実はカーナビゲーションについては自動車メーカーも開発を競っていたが、電装メーカーやかーオーディオメーカーもそれぞれ独自に開発を行っていた。
 例えば三菱電機では車上で方角を表示する電子方位計の開発を手がかりに、カーナビの開発を開始し、地磁気センサーと車輪速センサーによりクルマの走行軌跡を算出する技術により自律航法を確立していった。しかし、他社の例と同様に、アナログデータの地図を使う限り、精度の限界に達していた。より高度なナビゲーションシステムとして成立させるためにはデジタル地図化がキーになり、CD-ROMの普及を待ってデジタル地図が実現し、また同時に、デジタル地図の情報と、自車の走行軌跡のずれを修正するマップマッチング技術も1985年頃に完成していた。しかし、これは他社の例と同様に、地磁気やジャイロ、車輪速センサーを使用した自律航法式のナビゲーションシステムである。
 ただ、いずれにしても地磁気やジャイロの精度には限界があり、より高精度であることを求めるのは難しかった。もっと高い精度を求めることが第2世代のナビゲーションの共通の課題だったのである。
 より高い自車位置の精度を求めるには、従来のセンサーだけでなくより正確な手段を加えればよい。
 そこで注目されたのが、GPS(Global Positioning System)である。
 GPSは元来はアメリカの国防省が、地球上すべてをカバーできる軍事用の位置測定システムとして1970年代に開発に着手し、80年代にほぼ軍事的な運用が完成していた。一方で、83年に大韓航空機が飛行コースを逸脱し、その結果ソ連の戦闘機に撃墜されるという大韓航空機事件を契機に、GPS航法システムが民間にも開放されることになり、まず航空機の航法システムとして採用されるようになった。そして1990年にはGPS関連技術は完全に民間にも無料で公開され、利用が可能となったのである。
 高度21000kmという高空の軌道を周回するGPS衛星は、当初は24個(現在は28個)あり、地球上のどの位置においても常時5個以上の衛星からの電波を受信することができるようになっている。そしてこれらの衛星から発信する電波を受信することで現在位置を算出することができるわけだ。受信機が1個の場合は、同時に3個の衛星からの電波を受信することで2次元の測位が可能になり、位置測定の誤差は100mていどとされている。
 さらに高精度なナビゲーションを実現するため自車の現在位置確認の手段として、この民生用に開放されたGPSを使用することが着想されたことはいうまでもない。GPSと従来の航法システムを統合したシステム、つまりハイブリッド・ナビゲーションシステムの開発が三菱電機で行われ、85年のモーターショーではやくもGPSカーナビのプロトタイプが発表されている。
 三菱電機製のGPSナビゲーションシステムは90年にマツダ・ユーノスに純正装備され発売されている。
 カーオーディオメーカーのパイオニアも独自にGPSを使用した、自車位置表を地図上に表示する機能に絞ったナビゲーション・システムを90年に発売し、その翌年にはCD-ROM式のナビゲーションシステムを発売している。
 このようなGPSという誤差が少ない測位システムと、従来からのジャイロや地磁気センサーと組み合わせ、また同時にデジタル地図とのマップマッチングを加えることで、現在位置の表示精度は格段に向上したわけである。
 一方、CD-ROMに格納されたデジタル地図のデータも、年々詳細データが追加され、データ量は増大の一途をたどっていた。
 当初は日本全国の地図データが1枚のCD-ROMに納められていたが、後には全国版、詳細地域版といったように分割され、詳細地図で全国をカバーするにはCD-ROMは4枚~6枚といった枚数が必要という事態に至ったのだ。これは、長距離をドライブする場合、拡大版で我慢するか、詳細版のCD-ROMを入れ替えるといった不便をもたらしたわけである。
 ところでハイブリッド式CDナビゲーションシステムは、1996年に開始されたVICSにもいち早く対応した。当初はオプション扱いとなっていたが、ビーコンとFM多重放送によるVICSに対応できるようなシステムを積極的に採用していったのだ。またこれより1年前には警察庁の外郭団体である日本交通管理技術協会から一方通行や進入禁止などの交通規制データがリリースされている。これらにより、ナビゲーションは交通情報をキャッチし、それをドライバーに表示することが可能になり、ドライバーは交通渋滞や交通規制を事前に知ることができる。もちろん交通規制にも従った現実的な経路誘導ができるようになったわけである。また後にはVICSの交通情報に合わせて目的地への経路誘導コースを自動的に変更するといったことも可能になっている。
 VICSにより交通情報を取り込む機能と、この情報をもとに新たな判断を行うという機能は、ナビゲーションシステムがより高度なコンピューターシステムへと移行することを示していると考えてもよいだろう。
 つまり、ナビゲーションシステムはたんに地図を表示したり、目的地に到達する経路を示すだけではなく、もっと幅広い用途に使用できる車載コンピューターという位置づけも可能になったのである。
 CD-ROM式のナビゲーションシステムは、搭載できるデータ量に限界があり、一方で求められるデータ量は増大していたため、より大容量のメディアが求められていた。
このCD-ROMのデータの限界をうち破ったのが、CD-ROMの7倍以上の容量を持つDVD-ROMの登場である。DVD-ROMはもともとは家庭用のビデオ再生のためのメディアとしてスタートを切っているためCD-ROMとは比べものにならないほどの大容量のデータが格納できたのだ。
 1997年に、パイオニアがいち早くDVDにデータやソフトウエアを格納したナビ・システムを発売。これ以降はDVDナビゲーションが主流になっていった。
 DVD-ROMは全国詳細版の地図データを収録しただけではなく、職業別電話帳に登録されている電話番号データの収録、施設に関連する情報、音声による操作ガイドなど、それまでには考えられなかった付加的な価値も拡大させている。
 このDVD-ROMの採用とVICS対応により、カーナビゲーションシステムはほぼ熟成の域に達したと考えてよいだろう。
 ただ、データや経路の検索速度のさらなるアップと、データ収納容量の拡大の動きは収束することなく、2001年にはパイオニアからハードディスク搭載のナビゲーションシステムが発売されている。
 この結果、経路検索やリルート機能などの速度が大幅に向上しすると同時に、さらなるデータスペースの余裕が実現した。パイオニアはこのスペースを利用してミュージックサーバーの機能を与えたのだ。CD音楽を1回再生するとそのデータが取り込まれ、やがて音楽データのライブラリーができる。これによって従来のCDチェンジャーは不要になるわけだ。
 またHD式ナビゲーションシステムであれば、地図データの更新や付加情報の追加、携帯電話の電話帳のアップロード、ナビゲーションシステムのソフトウエアのバージョンアップなども、パソコン同様に行うことができるようになったのである。
 もちろんこうしたハードディスク方式を自動車メーカーの純正化すれば、車両の情報の記憶機能、データろがーなどの機能も簡単に追加することができる。
 いいかえれば、現在はナビゲーションシステムがやがては完全なオンボードパソコンとなりつつある過渡期といえるかも知れない。
 もうひとつ付け加えれば、従来のVICSとは別に、自動車電話、または携帯電話を外部との通信手段とすることで、インターネット接続が可能になるということである。
 これはテレマティックスの機能とも重なるが、インターネットサーバーからより詳細でリアルタイムのな目的地への経路誘導情報や、経路周辺の付属情報なども自在に引き出し、ナビゲーションシステムの画面に表示することができるわけである。またインターネット接続は双方向性を持っているので、車内からデータや情報の発信も可能になる。これはホンダのインターナビとして実現している。
 こうした流れの中で、次世代のナビゲーションシステムのOSが、今後はマイクロソフト・ウインドウズCEに転換するのではないかという予想も出現している。それまでは主として家電用のマイコンのOSを使用してきたが、通信やインターネットなどとの連携、統合のニーズが強まるとともにウインドウズCEが浮上してきたのだ。
 そして2000年にはマイクロソフト社は、トヨタや日産、デンソー、クラリオンなとカーナビゲーション用ウインドウズCEの協議会を設立している。
 これはウインドウズCEをOSにしてGPSを利用した経路誘導や携帯電話の接続やインターネット接続を行おうというものである。
 実際、2002年の年末にクラリオンから初の車載コンピューター「CADIAS]が発売されているが、このシステムはウインドウズCEオートモビルバージョン3.5をOSに採用している。このシステムは、ナビゲーション、パソコンとの同期、ラジオ、TVチューナー機能、インターネット接続、通信、インターネット、メール、オーディオやDVDビデオの再生、PCカードスロット対応、USBポート装備などパソコン、あるいは高性能PADと同等のレベルを目指しているわけである。
 進化を続けるナビゲーションシステムは、今後はテレマティックスの領域や車両情報との一体化など、さらなる新しいステップに向かって歩み続けている。

テストドライバー

 クルマのテストドライバーはなかなか珍しい職業だ。テストドライバーは通常は自動車メーカーの一社員であり、ベテランのtr巣とドライバーでも日本では必ずしも社内的な地位は高くない。
 社員テストドライバーではなく、フリーとしての職業はまず成立しない。やはり守秘義務などが厳密に求められるからだと思う。

 レースドライバーも同じだが、テストドライバーとしての養成学校があるわけではないので、テストドライバーになるためには本人の努力と才能、経験によるところが大きい。
 自動車メーカーの場合は、まず実験部に配属されなければテストドライバーになることは難しいと思う。実験部では若いうちは試作車や量産車の整備や分解、組み立てをまず経験しなければならない。この時代は整備のメカニックと同じ作業を行わなければならないわけで、運転にかかわることは少ない。ただ、最近は比較的早期から社内での運転技術講習や運転技術試験が行われるようになっている。
 こうした社内の各種講習や運転技術テストを経て、一定のレベルの資格が得られると実験ドライバーとなり、ひたすら計測器を載せたクルマを走らせる。この場合は決められた条件で、決められたように走り、より正確なデータを取るのが仕事になる。また社内の規則に従った長く退屈な耐久走行なども経験する。いわゆる運転の正確さ、ばらつきの少なさが求められる。

 地味な、長い経験を積むことで、初めて評価ドライバーになるのだが、やはり経験、実績が不可欠とされているのだ。 もちろん評価(官能評価)を行うためには、改めて社内の運転技術試験をパスする必要がある。
 改めてテストドライバー、特に官能評価や開発評価を行うテストドライバーの実像を探ってみよう。

 条件としては次のようなものがあげられる。
1)正確な運転技術
2)正確な感受能力、冷静な観察能力
3)エンジニアへ、あるいは改良へのフィードバック能力
4)評価の価値観の確立

 1)に関しては、正確で安定し、かつ安全な運転技術である。レースドライバーにもいえるのだが、1周、2周速く走るということはあまり意味がなく、いかに毎周のラップタイムのばらつきが少なく安定しているかが重要である。
 2)は、クルマから伝わる情報を五感を通して正確に把握できる、あるいはその時のクルマの状況を正確に観察できる能力で、思い込みや不正確な推測を行わないことが重要である。
 ちなみに熟練したテストドライバーは0.5kg/mmのバネの違いを指定できるという。一般ドライバーはバネが2kg/mm違っても体感できないのだが。エンジンでいえば、一般ドライバーは出力が30ps違っても認識できないといわれるが、テストドライバーなら数馬力の違いを体感する。
 3)は、テストし評価したクルマを改良するためにどこをどう変えてみるか、部品に落とし込むことができる能力であり、これはエンジニアにはできない能力であり、ある意味でテストドライバーにとって最も重要な能力といえる。
 4)はすべての能力の基準になるもので、そのクルマはどうあるべきか、判断が求められる場面で過去乗ったことのあるクルマのカテゴリー分け、開発コンセプト分けができる能力が必要である。つまり小型コンパクトカーのあるべき姿、スポーツカーのあるべき姿、コンセプトとの整合性などを整理できる能力である。もっともこれは経験要素も大きいため、世界中のクルマに乗ること、生涯走行距離が100万㎞以上などといった経験も不可欠であろう。

 飛行機のテストパイロットは、ある意味で命がけという要素もあり、社内的な地位は伝統的に高いが、日本においてはクルマのテストドライバーの地位は残念ながら低く、なかなか報われないのは残念なことである。

ニュルブルクリンクあれこれ

 今であすっかり有名になったテストコース、サーキットだが、日本では以前はほとんど知られていなかった。ドイツの西北のアイフェル山地の中にあるこの長大なコースは、もともとヒトラー、ナチスドイツが建設したサーキットだ。ナチスは政権を取るとアウトバーンの建設などを積極的に行い、わずが2年ほどで大不況によって生じた大量の失業者を救済して、国民から熱狂的な支持を受けた。
 こうした時代に、ニュルブルクリンクはレースコースとして建設されたが、テストコースとしての性格も備えていた。典型的なドイツの地方道路の要素を取り入れ、しかももともとの地形を生かしたコースになっていた。
 したがって、戦後のドイツの自動車メーカーは、自社のテストコースだけではなく、ニュルブルクリンクでもテストするのが通例であった。
 日本のメーカーで始めてニュルブルクリンクに出かけたのは横浜タイヤだろう。横浜タイヤはポルシェクラブレースなどにタイヤを供給するため、ポルシェ用のタイヤをニュルでテストし、その後は高性能タイヤの開発の試し使用していた。これが1980年代初めである。
 その後ブリヂストンが、ポルシェの公認タイヤを実現するため、ポルシェ用のタイヤ開発にニュルを使用するようになる。
 ブリヂストンはまず最初にポルシェの門を叩いて、テスト方法を詳細に教えを乞うたが、その中に最終テストとしてニュルブルクリンク走行の項目があったのだ。
 現地ドライバーのニルセン、日本人では黒沢元治、中島悟らがテストに参加した。
 普通のアスファルト路面で、路面が荒れた状態やうねりが強く、しかも超高速であることなど、ブリヂストンは未知の世界を体験した。ここではタイヤの高速膨張現象、タイヤの膨張による発熱など日本では考えられなかった現象も体験している。
 こうしたタイヤメーカーによるニュルテストの様子が日本の自動車メーカーに伝えられ、その後の日産R32GT-R、ホンダNS-Xなどの高性能車がテストされることになる。
 日産やホンダは、ニュルブルクリンクに衝撃を受け、日本国内のテストコースにもニュルブルクリンクの要素を取り入れたコースを作っている。(日産・陸別、ホンダ・鷹栖)
 現在では最もテスト回数の多いブリヂストンが、インダストリアルデー(メーカー占有日)の幹事になっている。ちなみにニュルブルクリンクは1社専用はできず、メーカー共同で使用するのが原則である。
 
 ニュルブルクリンクのコースは、現在では、オールドコース(ノルドシュライフェ:北コース)と、新設されたグランプリコース(南コース)があり、テストに使用されるのは北コースである。この20㎞のコースは山岳ワインディングコースで、しかも超高速コース、エスケープゾーンがきわめて狭いのが特徴である。カーブは3速ギヤ以上のものばかりで、アップダウンがあり、見通しの聞かないブラインドカーブが多く、きわめて危険であるが、それゆえにクルマの正確さや安定性が求められるのだ。
 なおニュルブルクリンク24時間レースなどでは、南コース、北コースを繋いだ状態で使用するため全長は25㎞を超える。

 ニュルブルクリンクはきわめて危険なコースであるため、ここでテストを行うにはまずドライバーを養成する必要もある。普通のレースドライバーではクラッシュ率が高く、テストどころではないため、レースドライバーの中でも厳選された冷静な能力を持つドライバーがテストを担当し、次に自動車メーカーなどでは、社内でもテストドライバーを養成し、両者がテストを担当するようになっている。
 ちなみにニュルのラップタイムなどがよく話題にされるが、テストは必ずしも速さだけではなく、乗り心地や操安性、正確性などを総合的に評価し、高性能車の場合は最後にラップタイムを測るというのが実情である。
 このコースでいかに余裕を持って、楽しく快適に走ることができるかが評価点なのである。

タイヤの作り方と着眼点

 一般的にタイヤは、金太郎飴のように生産ラインで流れるように作られていると想像されがちだが、実はタイヤは1本ずつ完全な手作りなのである。ただし、ミシュランのように完全自動化された工場もあるのだが、その製造方法は秘密中の秘密であり、その実像は公開されていない。国産メーカーでも一部のタイヤは自動生産されているという噂もあるが、噂の域を出ない。
 通常のタイヤ製造工場は、原料の運び口から始まる細長い建屋になっている。
 ゴム材料は、合成ゴム、天然ゴム、カーボン粒子、混合オイル、シリコン粒子などで、これらを一定の配合で混ぜ合わせるのがバンバリーミキサーだ。巨大な混合機である。ミキサーの工程もじっくり時間をかける、精選された材料を使用するかどうかでゴムの仕上がり具合は異なる。
 もちろんタイヤには、スチールワイヤー(細い鋼線を寄り合わせたもの)、ナイロンシート、アラミド繊維(ケブラー)シートなどの構造材も必要だ。またゴムもビード、フィラー、サイド、トレッドでそれぞれ特性はまったく異なる種類が使用される。
 つまりタイヤは多数の部品の集合体なのだ。
 
 このため、タイヤを成形する(組み立てる)ためには手作業が必要になる。
 円筒型のスチール型の上で、帯状に流れてくるビード、フィラー、ボディゴムをカットして巻きつけ、トレッド部には補強繊維を巻き付け、さらにトレッドゴムを巻きつける。
 もちろんタイやの種類により材質や材料を巻きつける順番は異なる。
 こうした成形作業は、1本ずつ手作業になる。ミシュランの自動化成形なこれをロボットが行うのだろう。自動化が有利な点は、材料を間違えない、材料を重ねるときに気泡が残りにくい、といった点だ。
 人間はどうしてもミスをする可能性がある。

 成形されたタイヤ(グリーンタイヤ)は、スチール製のもなか状のお釜(金型)に入れられ、加圧・加熱する加硫工程が行われる。この金型もメーカーごとにノウハウがあり、優れた金型を使用すればタイヤの真円度は高くなる。
 金型から抜かれたタイヤは真円度をチェックして完成だ。

 タイヤは、ビードな鋼線を抱き込むような形の硬いゴム、フィラー部も補強された硬いゴムである。このホイールの接する部分は剛体で、サイドウォールは剛性が低い構造だ。レーシングタイヤではこの部分はコンクリートのように硬い。
 ショルダーからトレッドにかけては、ブレーカー(鋼線を編んだベルト)、補強繊維シートが張り付けられる。高性能タイヤではCIC、ICIといたシートを折り返す構造も使用されている。なおアラミド繊維は高価なため高性能タイヤにのみ称される。これを使用すると、より軽量で剛性が高い。したがって、タイヤの単体重量を計測すると、優れたタイヤほど軽量に仕上がっていることがわかる。
 なおボディ(カーカス)のボムは放射状に鋼線を巻きつけたラジアル構造のゴムを使用するが、鋼線の角度は90度とは限らず、微小な角度を付けることもある。
 トレッドの補強繊維シートのさらに上側にはベルトが巻きつけられる。高性能タイヤは、切れ目のないジョイントレスベルトを巻きつけるが、これは超高速域でもタイヤの膨張時の強度を高めることができるようだ。
 トレッド部全体は剛性が高く、したがってビード--サイドウォール--トレッドは剛--柔--剛となる。
 特に扁平率の大きなロープロファイルタイヤはサイド剛性が低いため、ビード&フィラー、トレッドの剛性を高める必要がある。
 タイヤは、上下荷重、横方向、前後方向の荷重を受け持つため、車に装着した状態で、これらの荷重を受けたときに、接地面(フットプリント)の変化が少ないことが求められるが、これを追求するためにクルマのサスペンションの良し悪しとタイヤの構造とのせめぎあいとなる。
 また意外と忘れられがちだが、ビードの精度により、エア漏れ率がかなり異なるのだ。1ヶ月で少しエア圧が下がるといった場合は、ビードの精度はやや劣る。
 
 昔はビードの強度・剛性が低く、 エア圧が不十分な場合、サーキットなどでビードはずれを生じ、クルマが横転することもあったが、さすがに最近はこうしたケースは見られなくなった。ただ、ハイパワー車の場合は、回転方向にリムずれを生じることは珍しくないが、これはあまり危険性はない。
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